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【1932話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

1932.ヴァミス覚醒

 レイブは仕方なく近くにいるもう一頭の竜、地竜ヴァミスに話し掛ける。

「なぁ、信仰は判ったけどさ、忠誠って? そっちも神様のヒュドラに対してなのか?」

 ヴァミスは素直に答える。

『いや、忠誠は主に対しての物だな』

 レイブは思った、普通そうだろう、と……
 言ったきりで言葉を続ける気配が無いヴァミスに再び問い掛ける。

「主ってさ、竜王って一番上の王様なんだろ? それとももっと偉い奴がいるって事か?」

『そうだ』

「ほー、そうなのか」

『そうだ』

「ふむふむ」

 新事実に興味津々、そんな感じで頷いたレイブであったがヴァミスの声が続けられる事は無かった。
 何だったら今のやりとりが無かった様な雰囲気で無表情でボーっと空なんか見てやがる。

――――何だコイツ…… 馬鹿みたいにボーっとしやがって、ちょっとトロいのか? いや、この竜王の里って全体的に呆けた感じの奴ばっかりなんだよなぁ? ……ん? あっ! ああ、そっか!

 何かを思いついたらしいレイブは自分の手をもう一方の手でポンッと打ち、すぐさま行動を起こす。

 ボカッ!

『痛っ!』

「どうだ? はっきりしたか?」

 拳を握り横に立つヴァミスの頭を思いっきり殴ったのである。

『つ、痛ーっ』

『れ、レイブ殿いきなり何をっ?』

『暴力っすか叔父さん? 先手必勝っすね』

 うん、確かに全体的に呆けているな、その実証の為に殴ったのかな?

「いやほら、ボーっとしてるからチャーム? あれがまだ利いているんだと思ってさ! 殴れば解けるんだよな?」

 まあそんな感じだったが解けてもこの親子レベルだぞ? あんまり変わらないんじゃないか……

『あーそーゆー事かぁ! なるほどだなぁ~、で、どうだ、ヴァミス?』

『ヴァミスさんっ、意趣晴らしっすよ!』

 ほらね、覚醒状態でこの程度の反応だよ?
 殴られたヴァミスは自分の頭を自分の尻尾で器用に擦りながら非難を込めた視線を向けつつ返す。

『酷いじゃないかぁ、痛てて…… だから忠誠心だったら我々竜王の里が所属する大王国、美しヶ池の『メダカの王国』、そこに君臨する『メダカの王様』、ナッキ様に対して、そんなの常識じゃないかぁっ!』

 おっ? 結構はっきりしたじゃないかっ! やるなレイブっ!

「『メダカの王国』? ってハタンガだよな? マジ?」

 まあそうだ。

『当たり前だろ! 北部の王国は全部ハタンガ、ナッキ王の配下に決まっているじゃないかっ! おお痛い、もうっ! …………はっ! あーっあーっ!』



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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