【1840話】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1840.絶技
目を剥いて驚くレオニードの視界の端に、只々ぼーっとして欠伸なんか掻いているレイブの姿が映る。
潤沢なラード、いや脂肪を変形させ得るペトラ、魔力の集約に依って鱗の変形が可能な弟妹と違い、体型が変わらない長兄はやる事が無いのだろう、そう思った瞬間、正に刹那の煌き、閃きがレオニードの脳裏を襲った。
脳内でなく実際に声に出すレオニード、衝撃の大きさが伝われば良いのだが。
『まさか…… あ、あれは、タマ…… 磯野さん家の…… マジ、か…………』
なんと、レイブは人のフォルムを維持したまま、得意の形態模写を駆使しつつ、あのイソノのタマを演じていたのである。
存在感だけは半端じゃなく、ストーリーには基本関わらない、只そこにいてくれるだけでいい、そんな域まで達した究極無比の魂がそこに顕現していたのだ。
事実、パダンパとミロブロ、無脊椎なバッタのテューポーンまでもがその愛らしい姿を愛で様とふらふら歩み寄りつつあるのだ、凄いぞタマ、ってかレイブっ!
それはそうだ、何しろイソノズタマと言えば、その道の専門家によると、かのマイケルと並び称される程のレジェンド、伝説級のニャンなのである。
それ等を上回るネコと言えば最早、一種類しか存在しない、おっと、撫で回される事を嫌ったタマレイブが空に逃げた様だ、お馴染みのクルクル虫アッタクで既に見えない場所まで避難したらしい、流石だ。
狂った様にレイブ、タマの面影を追い走り去る倅とミロブロ、バッタの哀れな姿を横目に、『ヘソ天』を止めたレオニードはフェリックスとドラちゃん…… いやペトラとギレスラに向けて頭を下げ、そして畏まった口調で言ったのである。
『お見逸れしたっ! いや、参ったっ! まさかそこまでの技を習得済みだとは夢にも思わず…… 判った、良ーく判った! これからはお前達兄弟妹には逆らわないと約束するよ! それで良いだろ? その代わりと言っちゃなんだが、その『ヘソ天』、今度教えてくれよな、はははっ!』
だとさ。
『ほぅ、素直に頭を下げ更に教えを請うとはなぁ、流石は竜の王に仕えた魔獣の長なのだっ! ペトラ、許してあげるのだっ!』
言いながら体の色と丸みを元に戻すギレスラ、自由自在の様だ。
同様に細めた体をいつもの豚状に戻しちゃったペトラは兄の声に答えて言う。
『そうはいかないわよ、レオ兄さんは一度立てた誓いを破ったんだから! 殺すか、最低でも二度と逆らう気を起こせない程度には痛めつけておかないと! そうね、ギレスラお兄ちゃんの顔を立てて暫らくアタシと目を合わせられない位で勘弁してあげるわ! どう?』
『そ、そんな~、ギレスラ君、止めてくれよ~』
『ふむ…… ヘソ天の誓いを破ったのはレオニード兄さん、つまり殺されても文句を言う筋ではない…… しかも立場上この場の師弟システムでは最上位、下位の者からの挑戦を受けぬのは恥に他ならない…… と、来れば』
なるほど、師弟システムヒエラルキーでは確かにそうなるか、にしても誓い、か…… 脊椎動物にとってヘソ天ってそこまでなんだな。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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