【1902話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
1902.離反
色々な理由から周囲が固唾を呑む中、再び加速の頂点まで達したらしい合体物から土台役のペトラの声が、
『最高速よっ! 準備は良いギレスラお兄ちゃんっ?』
『グアララガァーッ! 分離準備オケイなのだーっ! ガアァッ!』
「な、何ぃっ!」
『叔父さん、あれはっ!』
「見当もつかんっ! 結果を見守ろうっ!」
『そっすね!』
「……なあ、やっぱり俺ってさ、あんなの一言も聞いていないんだけどさぁ、どう思う?」
『『『………………』』』
「そっか…………」
残念ながらレイブの問いは再び放置された、それだけ皆合体、そしてこれから起こるであろう分離とやらに夢中だったのだ。
仕方なく自分も注目する事にしたレイブの顔はなんだか曇って見えた、縁起が悪いぞっ! 笑ってっ!
しかしまあ、何かある、そんな思わせぶりな印象は兎も角、客観的な事実としては、土煙を起こして合体、もとい背中に乗って、ご機嫌ライド、いやタンデムで満足した大豚と巨大トカゲが分離、つまり背中から降りる、と…… うん、何がしたかったのか丸で判らん、多少縁起が悪くもなるってものだ。
『行くのだーっ!』
『りょっ、せぇーのぉーっ!』
『セパレートォッ!』『ディッセヴァッ!』
だから合わせろよ、ぶっつけかよ…… いや、マジでぶっつけ、なのか?
「あ、あいつ等…… いきなりの実践使用? 正気か……」
やはり、ファーストテイクだったらしい…… 無茶しやがって。
初心で非常に野心的な試みだったこの暴挙、端で見ている分には結構上手く行ったかに見える。
具体的には、掛け声と同時に急停止したぺトラの背中から、電磁カタパルトから放り出される航空機ばりに勢い良くテイクオフしたギレスラが、かつて無い高速度で空を飛んだ、いや、射出されて直線的にグラムランドに特攻していった、そんなカミカゼアタック的な成功に見えたのだ。
翼ももげんばかりに真っ直ぐ飛んで行くギレスラの呟きをパダンパの高性能な聴覚が捕らえる。
『なんかギレスラ叔父さん息出来なくて何も見えないみたいっすよ』
制御不能らしい。
「高速で加速したぺトラが急停止した事でギレスラは自身では達する事が出来ない速度を維持したまま空中へ飛び出す事を可能とした…… これはカンマ何秒と言った僅かなタイミングで息を合わせ自らの踏切をピッタリと合わせたからこその奇跡、正に幼い頃より培い続けた両者の絆、それあっての偉業と呼ぶより他に俺は言葉を見つけられない…… 惜しむらくはあの場に長男たる俺の居場所が見当たらない事だけだ…… 彼等にとって俺は既に不必要な過去、なのだろうか? そんな馬鹿な…… なあ、どう思う、パダンパ?」
『判んないっすね! あっ、そんな事より、あのままじゃ竜王様の横の崖にぶつかってお終いっすよ?』
「そんな事、か…… ふっ」
レイブの心も制御不能らしい。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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