【2285】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2285.御伽噺のエンディング
譲りそうもないレ・ジャルダン、いや、ウィリアム・スミスを放置してレイブの語りは続く。
動きを止めた化け物は未だ不思議な声音を発していたという。
ウィウィピーガチャガチャ…… 一所懸命に機械音を発するレイブに思わず吹き出すガトとラマス。
念の為、スターゲイザー兄弟は息の根を止めようと手にしていた『それ専用』の剣で化け物を貫いたそうだ。
化け物からは黒々とした霧、瘴気が噴出し、その中で兄弟は呟きを洩らしたと言う。
「ひ、ひかりっ?」
「かげ……」
「こうして魔術師達は勝利をおさめ、戦いの場となった岩山の拠点はそれ以後、『光と影の岩窟』と呼ばれるようになったとさ、めでたしめでたし、すっとん」
最後は静岡弁でしめたレイブ、周囲の面々からは叙事詩を聞き終えた者独特の嘆息が漏れ聞こえ、その中からラマスが最初に口を開く、勿論、元気な挙手と合わせる事も忘れていない、流石だ。
「はいっ! ダーリン、何故スターゲイザーさん達はミツカゲじゃなくてヒカリとカゲって呟いたのでしょうかっ! そこに意味は? 単なる間違いっ?」
「うーん、どうだろうなぁ?」
イマイチどころか全然判っていなそうなレイブに助け舟を出したのは当時以前の記憶を所持しているガトである。
「読めなかったんじゃない? 光と影ってそうも読むのよ…… オンドレとバックルって戦闘部隊の中心人物であんまり光影とかアキラズと交遊無かったみたいだったから」
「なるほどなっ!」
「そうなのね……」
簡単に納得した二人に事情通なガトのレクチャーは続く。
「それにね…… ほら、あの二人って漢字とか計算とかが、そのね…… 小学校すら卒業出来ていなかったみたいだから…… 判るでしょ?」
「そっか、馬鹿だったんだな」
おまいう。
「可哀想な人達だったのね」
おまいう? ※アゲイン
暗澹な表情を浮かべる三人にレ・ジャルダンが言葉を投げ掛ける。
「学校で教える知識、それが知性の全てでは無かろう?」
良く聞く慰め言葉のテンプレだった。
おためごかしにガトが返す。
「それ昔、良く聞いたわね…… もしかしてアンタもその口だったの?」
レは鎧の胸を強打して張り出しながら答える。
「ユタ大学だ! 最初は芸術、次は工学を学んだぞ! 学位は四つ、特にコンピュータサイエンスには造詣が――――」
こいつ自身にとっては全てだった、その事を確認したガトは無視してレイブに先を促す、あらゆる者にとって時間は有限なのだ。
「なるほど、そこが『光と影の岩窟』って呼ばれる様になった理由は判ったわ、それでお伽噺は終りなのよね?」
「………………」
無言のレイブに代わり、答えたのは兄を背負ったペトラである。
『ううん、まだ続きがあるのよ! レイブお兄ちゃんやギレスラお兄ちゃんはいつも途中で眠ちゃってたけど……』
そうなのか。
「え、そうなんだ? ラマスもダーリンからぶっ倒す所までしか聞いた事ないんだけどっ?」
「ペトラちゃん、話してくれる」
『うん、あのね』
話には続きがあるらしい、このペトラの話にはガトやラマスだけでなく、ズィナミやシエル、キャス・パリーグも興味深そうに耳を欹てている、こいつ等も聞かされただろうに情けない奴等である、伝統なのかな?
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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