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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1414.儚い命


 最終的に麻痺毒の選択まで終了した所で、ここまでヤキモキしていたシュカーラから待ち切れない、そんな風情で声が掛かる。

「あの…… どれ位で帰って来れそうなんですかね? 大体で良いんですけどぉ」

「ん~そうだなぁ~、早ければ二、三週間、かな? 遅くとも一月位じゃないか?」

「えーっ! そんなに放って置かれたら私達死んじゃいますってぇっ! えーっですよ、えーっ!」

「ふむ、そうなのか…… はて?」

「考えても見て下さいよー、私達って今迄、亜神様の加護のお蔭で生きてきたんですよ? 言ってみれば、おんぶにだっこ、他力本願の極み、暑くも寒くも無い丁~度良い按配でヌクヌク快適ヒャッホゥ! 状態だったんですから~、アレですよ! 皆さんが思うよりずっーと簡単に死んじゃうんですからー! マジで!」

「マジでか…… なるほどな」

 大事な任務遂行の為に、懐かしさも恋慕の情も一旦横に置き、今ここで出来る精一杯に一所懸命、そんな気持ちで選択した行動計画では獣人達が死んでしまうらしい……

 再び厳しい表情で思索の闇に沈み込んだレイブの心をおもんばかったのか、本日弟になったばかりのダソス・ダロスは提案を始める。

『兄貴…… 大切な用事を優先させて下さいよ、この里の事だったら私がもう少し頑張りますんで、どうか気兼ね無くいってらっしゃって下さいよ♪』

「ダダ坊…… お前……」

 レイブは感動を覚えていた。

 自分達、スリーマンセルが庇護者たるバストロ、ジグエラ、ヴノと別れたのは十一年前だ。
 直後、隠れ家に現れた黒の襲撃者は勿論、助けに訪れたキャス・パリーグとカゲトに、その後の生活の基盤と仕事、そして新たな家族とも呼べる魔術師や学生達との関係を与えてくれたズィナミ・ヴァーズ。

 思えば悲劇も喜びも他者から受動的に齎され、受け入れてきた十一年間である。
 望むと望まざるとにかかわらずあらゆる出来事は自分達以外が起因となって巻き起こり、降り掛かる物だったのだ。

 無論、感謝の念は絶やされた事も無く、恩義に報いる為の任務遂行にもやり甲斐を感じている。
 だが、ふとした時、痛みや悲しみ、絶望や喪失感に気を止めてしまった時、考えても仕方が無い事だと理解しつつも思わず夢想した事がある。

 もしも師匠達と一緒にいれたなら……

と……

 それは何気ない一瞬、例えば学生達が帰郷後に届けてくれた故郷の品を見たり、照れ臭そうに語る家族や友人との出来事を聞いた時であったりした。
 その都度気分を切り替えて、スリーマンセル同士で支え合い、目の前の役目に精一杯向き合う事で忘れようと努めて来たが、改めて思い起こせば決して短くない、いいや永遠に思える位に長い時間だったと感じられる。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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