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【2230話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

2230.観察に基づく事実

『ばっ! あのガキっ!』

『ギレスラお兄ちゃんっ! し、しすさんが殺られちゃったわよっ! あいつめ~!』

『うっ、うぐうぅっ! むっ? 待つのだペトラ! あいつぅ、まだ何かぁ……』

『えっ?』

 なるほど! あろう事か、しすさんっぽく且つ11号っぽい箱を投げ落とすという暴挙に打って出るペジオは壁上に留まったままで横を向き、そこにいる緑の竜、固有名詞的にはエンペラなんだがそっちに何か言っている様である、暢気のんきな物だな、全くっ!

「じゃぁ頼むぞ」

『了解!』

 カッ コオオオアアアアァァァァッ! ………………チ、ッチュッドーンッッッ!

 何か爆ぜたな? うーん、何だろ?

 経験上、観察で何が何やらワケワカメに陥った場合、私見や憶測は一旦横に置いて、起こった事実だけに注目してみる事が有効且つ唯一の解決策なのである。
 って事で事実を整理してみる事としようじゃないか!

 まず皆から総スカン喰らったペジオが独りで神殿内から持って来たのはしすさん的な機械の箱、所謂いわゆるマシーンだった、これは事実だ、間違い無い。
 んでそれを担いだまま外壁の上に登ってぇ、んで落とした、こいつも事実、うん。
 でその直前に何やら唱えてオーラバリバリからのラブ注入っ、的な儀式があった上で追撃のエンペラブレスでしょ? んでチュドーン? ふむ…… なるほど、判らんな…… こりゃワケワカメだよ?

 仕方が無い、解決策其の二、悩んだ時は続けて起こる事実に注目、に移る事としよう。
 現状を大まかに言えば、全体的に落ち着いていると言えるだろう。
 壁の上ではペジオとエンペラが仲良く並んで下を覗き込んでいるだけだし、ギレスラ達がいる壁の内側にもしたる動きは無い、ってか全員が動きを止めたままだ。

 理由はやはり直前に響いたチュドーンだろう、恐らくだが全員の耳がキイィーン、とかなっているのでは無かろうか? きっとそうだ、何故ならダソス・ダロスとグラム・ランドが揃って大きく口を空けて視線は宙空、アーアー意味不明な声音を上げ続けているからである、飛行機なんかの気圧とかで耳が詰まった時とかの、アレだ。

 他に視覚的に捉えられる事と言えば、折角積み上げた瓦礫の様子がかすかに変わった位だろうか? 巨大な尖塔でピッチリ塞がれていた城門部には、いまや結構な数の隙間が生じている様だ、多分外部で起こったチュドーンの影響なのだと思われる。

 因みに壁外で騒ぐモンスターが奏でるパニックの叫びなんかも結構クリアに届いているが、こちら側の面々はもれなく一時的な聴覚障害に陥っているので気が付けてはいないらしい、ままならないものだ…… 残念至極っ。

 それ以外で五感が感じ取れる事実は少ない。
 味覚はほぼ皆無、嗅覚は焼け爛れる肉の匂いと何か得体が知れない鼻をつく刺激臭、皆さんならばどこか化学的なヤバイ香りだな、位には感じるかも知れないが、未来育ちで化学とか知るすべも無い可哀想なこっち側メンバーにはどこ吹く風だ。

 意外にもこの未来生命体達が異変を感じたのは触覚であった。
 熱くも冷たくも無いし無論痛いとか心地よいでも、ましてやくすぐったいとかじゃない、彼等の魂っつーか生存本能自体に刻み込まれた警鐘とも言うべき感覚、今すぐここを離れなければっ! な、危機感である。

 曰く、ピリピリとかズキズキじゃなくてマリマリ? するらしい。
 つまる所、場の魔力の増大、しかも災害レベルでの急上昇を感じ取ったのである、ピーンチっ!



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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