【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
あらすじ・目次
第三部 六章
リベルタドーレス ~解放者たち~
1308.いぶつ
どうしたレイブ、さっきまであんなに嬉しそうなおっぱい星人ぶりを発揮していたと言うのに……
今は俯き小声でぶつぶつ呟きながら、手にしたままのコインに視線を落としっぱなしなのである。
少しおかしいレイブは話に参加しそうも無かった為、仕方なくギレスラがガトに説明をする。
『今は無いがぁ、多分レイブの背嚢に入れていたと思うぞ! 里に置いて来たとか言っていたからな、戻れば見る事が出来るだろう』
「そうなの? じゃっ、早く戻りましょっ! ほらほらっ!」
『お、おいおい慌てるな、って、オーイっ! レイブーっ! 先に戻っているからなー!』
ガトに引っ張られて山を降り始めたギレスラの掛けた声にもレイブの反応は悪い。
「おう………… あれ? 帰ったのか? ふぅ、んじゃ俺も戻るか……」
『ジーッ! ジーッ! ジーッ!』
「ん?」
ぼーっとしながら来た山道を戻ろうとした時、神殿の奥からテューポーンがけたたましい声で呼び止める。
そちらに足を進めたレイブは僅かな時を置いて戻り、今度こそ山を降り始めたが、その手には先に見つけた二つの金属板とコイン、更に別個の金属板を持ち、頭の上にはバッタのテューポーンを乗せていた。
足を運びながらレイブはバッタに話し掛ける。
「全く、ガトもギレスラもどうしようもないよな? これって大事な物だって聞いてたのにさっ」
『ジジジー』
「だろ? 亜神だかなんだかの遺物だったんじゃないのかよ…… はっ! 遺物? いぶつ…… 遺物、異物、鋳物、うひょっ♪」
『ジ?』
…………珍しく静かだと思ったら同音異義語を探していたらしい。
残念だよレイブ、心底残念だ…… なにより最後の鋳物の読みは『いもの』だからな、残念至極。
どうせなら直前に口にした『大事』の方が、大事、題字、大字、大慈とかさ、まあ言っても仕方ないか。
例の如く、私の突っ込みは届く事が無いまま、ウキウキ気分のレイブはスキップで山を降りて行く。
恐らく、自慢げに思いついた言葉を披露して、一敗地に塗れるだろうな、哀れ也。
ちょうどその時、里から大きな物が地面に落とされたような地響きが轟いて来た。
それを聞いたレイブの足は更にスピードを増したのである。
風の様な速さで麓に肉薄した彼の目には、想像通り、里の中央に下ろされた巨大な豚猪の姿が映っていた。
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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