【2143話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~
第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~
2143.混沌の幕開け
三日目の深夜、ここまで嘘みたいに順調だったエバンガの走りが変わった、けたたましいブレーキ音を切欠にして、である。
キッキキキーッ! プッシューッ! ザザーァッ! ゴチン
『痛っいわねーっ! 急に止まったら危険じゃないのっ! おぉ~痛てて』
ペトラの怒りにエバンガは目を白黒、いや、パッシングを繰り返している。
ハイビームで写し出された前方には巨大な障害物らしき物が見える、どうやら『強靱治癒』によって手に入れた衝突回避システム的なヤツが機能して急停止した様だ、ならば仕方ない、ペトラは慣性の法則とかに文句を言うべきだったのだ、なにしろ安全は大切だからな。
理不尽な抗議にはクラクション一つ返さないエバンガ、代わりに声を発したのは目の前の障害物である。
『そ、その声…… ペトラ叔母さん、なんすか?』
『なっ?』
キャビンの上部分に登り、そこに生えた角を折らんばかりに揺すっていたペトラが驚きの声をあげる。
どこかで聞いた感じの声…… これは…… 誰だったか?
『どうしたのだっ! しっかりしろパダンパっ!』
『え? 倅、です? ウチの?』
あーそうだ、パダンパだったな。
即座に荷台を飛び降りて駆け寄るギレスラ、親父のレオニードは未だ寝惚けマナコのまま取り敢えず返しただけだ。
巨大で醜いタイゴン、パダンパは蹲ったまま動けないらしい……
駆け付けたギレスラとそれに続いたペトラ、何と無く来てしまったラマスとカタボラを加えた一同は代わる代わる言葉を発する。
『お前程の者がこんな荒野に独りきりで…… 一体何があったと言うのだっ?』
『ねぇコレって虎?』
『これはタイゴン、虎と獅子の混血なのよ』
『ぎ、ギレスラ、叔父さん…… ゴホッゴホッ……』
『へータイゴンかぁー』
「タイガーとライオンのミックスなのよね? それにしても…… この見た目…… もうちょっと何とかならなかったのかなぁ?」
『しっかりするのだっ! 『治癒』は掛けたのかぁ!』
『うん、醜いよねー』
『あらそう? 気が付かなかったけど、言われてみれば確かに美しくは無いわね』
『は、はいっす…… 今少しづつ回復している所なんすが…… グフォッ!』
『醜いでしょう? 恥ずかしながらウチの馬鹿息子なんですけどねぇ~』
『ンガっ?』
「あ、あら…… ご、ごめんなさい…… ラマスったら正直に言っちゃったりしてぇ……」
お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。
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