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【2219話】 堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

第三部 六章 リベルタドーレス ~解放者たち~

2219.卓越した倫理観

 実の所、固辞し続けた理由は私、観察者の所有スキル、アンカーを打って時間を戻しやり直せる、この破格過ぎる技を持つ者ゆえの葛藤、っつーか卓越した倫理観による所が大きい。
 考えても見て欲しい、こんな使い所と使用者を選ぶスキルが他に存在するだろうか? 無いっ! 私、観察者は敢えて断言しちゃう!

 こんな代物を幸福寺の檀家、例えば隣家の音成オトナリさん、ペスの飼い主の婆さんに移したとしよう。
 あの婆さんだったらさぞや有意義に使ってくれただろう、割と毎回失敗したーとか言っていたヒジキ煮をやり直したりまだ漬かり切る前に出しちゃった糠漬けとかを美味しさ満点に作り上げてくれた事だろうさ、お裾分けの楽しみも数倍に増えただろう。

 だが、思い出して欲しい! 私のスキルは大鍋や糠床の中だけに作用する、そんな脆弱な物ではない、この地球ほし全体、太陽系、何だったら銀河全体に影響しているかも知れない、考え方によっては結構恐ろしい凶悪なスキルだったりしちゃうのだ。

 音成の婆さんがふざけ半分で試したペスの散髪をやり直そうとした場合、どっかの星では悪政に立ち向かった庶民が奇跡的に収めた勝利が無い物にされる可能性だって大いに有り得る訳だ……

「あら夕立? やっだっペスのタオルっ! しまい忘れちゃってたわっ、大変っ!」

なんて感じの巻き戻しで、

「大丈夫か! デウルサスっ?」

「あ、ああ、矢はギリギリ避けられた…… ふぅ、この小石につまづかなければ危なかったぜ」

「良しっ! では行こうっ! 自由を我が手にっ!」

「「「「「「うおぉっ! 自由を我が手にぃっ!」」」」」」

が、

「あっ、デウルサス? そこ、小石があるよ? 気をつけてね」

「おっ、サンキュ♪ ぐっ、グガアァーッ!」

「デウルサスっ! クッソなんて事だ! 流れ矢如きで革命の闘士が倒れる、とは……」

「帰るかの?」

「んだんだ帰るべ」

「そろそろ種蒔きの季節だったべな」

「「「「んだんだ」」」」

 に変わってしまうかも知れないのだ…… 責任重大なのである。
 お裾分けは常になにかしらの失敗込みで良い、それが私、観察者にとっての卓越した倫理観なのだ。
 強者のみが持つリスクへの危惧、そう言った感じだったのである、ムフン。

 レベルが低くて、はしにも棒にもかからない可哀想で脆弱なスキル、所謂いわゆるゴミ同然の弱々スキル保持者の貧弱悪魔共には私、観察者の様な超越者の心配りなんかどこ吹く風、気楽で気さくにスキルを移す憑依をしてやっていたっけぇ…… 良いなぁ、濫造した所で他所に影響無い低級スキル持ちは…… そんな風に思ったりもしたっけ、到達者ゆえの憂鬱? だろうか? ごめんね、優れてて♪ ※何気にペジオを真似ています



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です。
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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