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【連載小説】堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~

あらすじ・目次 


第三部 六章

リベルタドーレス ~解放者たち~

1122.チャイルディッシュ


『くはははっ! 常温のブレスか、なるほどなぁ~! その魔力濃度と運動量のコントロールはいつの日かお前を氷炎の使い手へと導く事だろうよ! ギレスラ、お前もこのアスタロト、氷炎の支配者の後継者として相応しい! 我感動っ! 誇らしいぞ、我が子等よっ!』

『グガァー♪』

『うわぁ、おめでとうギレスラお兄ちゃん! これでアタシと揃ってアスタさんの謎が解けたわね♪ 後は、あ、えっと……』

 ペトラが言葉を詰まらせる中、左手に持った魔石に向かって一心不乱、一所懸命に息を吹きかけては覗き込み、直接口をあてがって吸ったり吐いたりしている可哀想なニンゲンが一人……

 そもそもブレスが吹けないんだから、考えれば判りそうな物だろうに。
 何度か繰り返した後に小声で『鑑定』のキーワードを繰り返したりもしているようだ、もうやめさせて欲しい……

 スリーマンセルの仲間も悪魔たちも、哀れな男には声を掛ける事が出来ずに見ていると、しばらくしてようやく無駄を悟ったらしいレイブの目尻には光る物が見えた。

 そのまま憎々しげに左手の魔石を睨みつけた後、右手の拳を振り下ろしながら叫ぶ。

「ちっ、何だよこんな物っ、こうしてくれるっ! えいっ、ぎゃっ!」

『ぷ、『微回復プチヒール』!』

 魔石には『反射』の効果が付与されている、アスタロトは言っていた筈だ。
 そんな物を力任せに殴りつけては自分の手が傷ついてしまう…… 無論、心もだ。
 両手に出来た裂傷はペトラが発動させた回復スキルで既に完治しているが、心は違ったらしい。

 レイブは怒ったようにそっぽを向いて一行から顔を背けたままだ、魔石は既に足元に落としている、いや、本人的には捨てたのかもしれない。

『焦るなよレイブ…… 弟や妹が先に出来てしまった事は、まあ面白くは無いだろうがな…… 兄ならば喜んで褒めてやるのが先ではないか? 二人とも自分が出来る事を工夫して答えに辿り着いたんだぞ? 対してお前は二人の真似ばかりしていたんだからな、先を越されても仕方ないだろう? ほら、お前はお前の方法でもう一度頑張ってみよ! どうだ?』

「………………」

 アスタロトの言葉は責めると言うより慰める意図が多分に含まれた物であったが、レイブは無言のまま後ろを向いたままであった。 
 只、こちら側に覗いて見える首元は恥じているのか真っ赤に染まっていた。

『好きにするが良い、途中で止めてしまっても誰も責めはせん…… 先に行っているからな! 一つだけ言っておくがお前の中身、我だったら簡単にあきらめたりはしないぞ? それだけだ』

『上手く行かなくて物に当たる辺りも我が君に良く似ていると思いますけどね♪ ぎゃっ! アチチ』

 テューポーンが余計な事を言って顔面に火球を喰らっていたが、それ以上は誰も口を利く事も無くそっぽを向いたレイブを残したまま、間近に迫った岩山の岩窟へ足を進めたのである。



お読みいただきありがとうございます。
感謝! 感激! 感動! です('v')
まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、
皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。
これからもよろしくお願い致します。
拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。

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