「それでも、私は…」:二つの空の下で、ゆれる心と向き合う。
一歩一歩、踏みしめる地面の感触を確かめるように、今の想いを歌詞にしました。
一人でいる時の静寂と、誰かといる時の戸惑い。 かつていた場所の記憶と、今、目の前にある景色。 その二つの間で、私の心はまだ振り子のようにゆれています。
「帰ってきた」という事実に、心がようやく追いつき始めた。そんな今、この瞬間の記録です。
それでも、私は...
[Verse 1]
カラッとした乾いた音
小さなつぶて
空はどこか いつもより白くて
腕に当たる その痛みさえ
感じないくらい
集中した眼差しで 歩く
一人なら そのまま行き過ぎるけど
二人なら 歩幅を合わせてしまう
一人なら 落ち着けているのに
二人なら 解決を急ぐ
[Verse 2]
見えている世界
感じている鼓動
気持ちの持ち方
気持ちの行方
誰がそうで
誰がどうかなんて
一人じゃないなら
考えられている
[Pre-Chorus 1]
目の前を行き交う 人たちの群れ
風を切って 速足で歩く
たくさんの言葉と
たくさんの視線に触れぬよう
目の前を通り過ぎる
いろんな国の人たち
笑っている そして 疲れていそう
たくさんの経験と
たくさんの喜びに触れて
それでも、私は…
[Chorus 1]
どこか緊張感のない 毎日を過ごして
どこか不器用で 落ち着かない日々
ちょっと前 帰ってきた
これから始まる毎日を
早まる鼓動
止まらない時間
その先に
今の日々が 繰り返される
[Verse 3]
カランッとした乾いた音
小さな石ころが
転がっていく いつもより足早に
よどんだ心 澄んだ心
どっちも今は持っていて
どっちに振れるか 分からない振り子
一人なら 何も迷わないけど
二人なら いつも迷ってしまう
一人なら 澄んで見える世界も
二人なら 気持ちの 共鳴探す
[Pre-Chorus 2]
目をつぶれば いつでも空を超えていける
覚えている 少し前の空を
カラっと晴れて 風は荒び
遠くで聞こえる ノイズたち
赤土 大地からの砂煙
違う肌の色 違う常識
楽しそう でも 怒っていて
たくさんの経験と
たくさんの喜びを 教えてくれた
それでも、私は…ゆれている
[Chorus 2]
どこまでも続く緊張感
すり減っていく気持ち
どこか器用に ふるまう毎日
ちょっと前 帰ってきた
向き合わなきゃいけない毎日
早まる鼓動
止まらない時間
その先に
今の日々が 繰り返される
[Final Chorus]
分かってほしくて 話しかける
一人だけじゃ ここだけの物語
聞いてくれる人が そこにいたら
一人の世界が 広がっていく
気持ちと 気持ちが触れ合う時
ようやく見てきた世界も
一つの結末を
初めてむかえる
そして
これからが 始まる
[Outro]
風はまだ冷たい
空はすっかり晴れていて
少し暖かく
心が澄んでいく
それでも、私は...ここにいる
この歌詞を書く中で、自分でもハッとした言葉があります。
聞いてくれる人が そこにいたら 一人の世界が 広がっていく
かつて過ごした場所で、私は自分を守るために一人で完結する世界にいました。けれど今、こうして日本に戻り、誰かと歩幅を合わせたり、美味しいものを共有したりする中で、閉じ込めていた「自分の物語」がようやく外へと広がり始めているのを感じます。
かつての乾燥した風や、砂煙、違う肌の色。 それらが教えてくれた喜びを抱えたまま、私は今、少し冷たくも暖かい日本の風の中に立っています。
分かってほしくて 話しかける
独り言で終わっていた物語が、誰かに届くことで初めて一つの結末を迎え、そして「これから」が始まっていく。 迷いやゆらぎもすべて抱えて、私はここにいる。 その実感を、大切にしていきたいですね。
追記:今回、全体的に対比が少しズレていたり、音の雑音をあえて残したりしたのは、いまの自分がまだ揺れているから。その“揺れ”ごと作品に残したいと思いました。
