対話して初めて、仲間になれた気がする
先日、インターンシップの運営変更について、若手から不満の声が上がった話を書いた。
▼前回の記事はこちら
あの記事を書いた時点で、私は不満の理由をある程度理解していた。
若手メンバーの多くは、自分たちが学生時代に経験したインターンシップに価値を感じている。
社員が伴走してくれたこと。 手厚く支援してもらえたこと。 その体験が入社の決め手になったこと。
だから、社員が常時付き添う形式から、時間を区切って支援する形式へ変更した今回の方針に違和感を持った。
それは理解できた。
むしろ、その気持ちはよく分かると思っていた。
でも今振り返ると、私は「理解しているつもり」だったのかもしれない。
分かっていることと、話していることは違う
その後、若手メンバーと個別に面談をした。
正直に言うと、少し緊張していた。
理由はシンプルだ。
私は彼らの考えを理解しているつもりだったけれど、実際には本人たちの言葉で聞いていなかったからだ。
頭では理解していても、「本当にそうなのだろうか」という不安がどこかに残っていた。だから会う前は、どんな空気になるのか少し身構えていた。
対話で見えたもの
実際に話してみると、彼らは率直に考えを話してくれた。
そして、私が気づいていなかったことがあった。
彼らは学生体験を大切にしていた。
それは前から分かっていた。
でも同時に、現場負荷の問題も理解していた。
「学生体験は大事だと思う。」
「でも現場の負荷が大きいことも分かる。」
そんな言葉が返ってきた。
そこで少し驚いた。
私はいつの間にか、「学生体験を重視する人」と「現場負荷を重視する人」を別々の存在として捉えていたのかもしれない。
でも現実はそんなに単純ではなかった。
彼らもまた、その両方を見ていた。
ただ、どこに重心を置くかが違っただけだった。
理解と信頼の間
面談が終わったあと、不思議と肩の力が抜けていた。何か新しい情報を得たからではない。
むしろ、事実関係だけで言えば、面談前から知っていたことも多かった。
では何が変わったのか。
信頼だったのだと思う。
私は若手が何を大切にしているか理解していた。
でも、本当に一緒に進める仲間だと信じられていたかというと、そうではなかった。
どこかで、「反対している人」として見ていた部分があった。対話によって変わったのは、彼らへの信頼感だった。
一緒に考えよう
面談の最後、私はこう伝えた。
「学生体験の価値は私も大切だと思ってる。だから、現場負荷とのバランスをどう取るか、一緒に考えてほしい。」
すると相手も前向きに応じてくれた。
その瞬間、議論のテーマが変わった気がした。
「賛成か反対か」ではなく、「どうすれば両立できるか」になったのだ。
リーダーの仕事は理解で終わらない
リーダーになると、「相手を理解することが大切だ」とよく言われる。
私もそう思う。
でも今回の経験で、それだけでは足りないことを学んだ。
理解はスタートラインだった。本当に大事なのは、その先だった。
価値観が違う相手と対話し、信頼し、一緒に前へ進むこと。
組織には、複数の正しさが存在する。
だからこそ必要なのは、全員を同じ考えにすることではない。違う考えを持ったままでも、一緒に進める関係をつくることなのだと思う。
前回の記事を書いたとき、私は反発の奥にある想いを理解したいと思っていた。
今回の対話で、その先にもう一つ学びがあった。
理解していることと、信頼していることは違う。
そして組織を前に進めるのは、理解だけではなく信頼なのだと思う。
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