激務系女子だった私が、双子育児で初めて無力感を知った
出産前、仕事ではそれなりにできる方だった。
若い頃から仕事が好きで、忙しい環境にもあまり抵抗がなかった。むしろ、やることが多いほど燃えるタイプだったと思う。
締め切りが重なっても、なんとかする。
難しい案件でも、調べて考えて動けば前に進む。
仕事というのは、基本的に「頑張れば結果が出るもの」だと思っていた。
少なくとも私は、そういう感覚で働いてきた。
そして、これまでその感覚は多くの仕事でも通用するものだったと思う。
そんな私が、人生で初めて「無力感」を強く感じたのが、双子育児だった。
双子が生まれて、世界が変わった
双子が生まれたばかりの頃の記憶は、正直あまりはっきりしていない。
とにかく毎日が必死だった。
一人が泣けば、もう一人も泣く。
ミルクをあげたと思ったら、もう次の授乳の時間が近い。
寝かしつけたと思ったら、また起きる。
仕事のときのように、「段取りを組んで効率よく回す」ということが、ほとんど通用しなかった。
どれだけ準備しても、予定通りにはいかない。
どれだけ頑張っても、思い通りには進まない。
それが、こんなにも続くものなのかと驚いた。
今思うと、あの頃は「なんとかしよう」と必死だった。
でも、育児にはそもそも「なんとかできること」と「できないこと」があるのだと、あとから気づいた。
「どうにかする力」が通用しない
仕事の世界では、ある程度コントロールができる。
努力すれば、状況は少しずつでも改善していく。
周りと協力して、前に進めることも多い。
でも、育児は違った。
子どもは小さな一人の人間で、当然ながらこちらの都合では動かない。
眠るかどうかも、泣くかどうかも、食べるかどうかも、全部が予測不能だった。
私はそれまで、「どうにかする力」が自分にはあると思っていた。
でも双子育児の前では、どうにもならないことが本当にたくさんあった。
それを受け入れるまでに、少し時間がかかった。
仕事の自信と、育児のギャップ
仕事では自信があったのに、育児では思うようにいかない。そのギャップは、想像以上に大きかった。
例えば、仕事では徹夜することもあったから、多少は寝なくても大丈夫だと思っていた。
でも、自分の意思で「寝ない」のと、子どもの都合で「寝られない」のでは全く心身の削られ方が違った。
一生懸命調べて栄養バランスを考えて作った食事も、食べない、残す、ひっくり返す、ということもざらだった。
「頑張ればできる」という感覚が通用しない世界で、私はずっと空回りしている気がしていた。
うまくできていない気がする。
もっとできるはずなのに、できていない。
そんなふうに思ってしまう日もあった。
きっと、同じように感じたことのある親は少なくないのではないかと思う。今振り返ると、あの頃はかなり肩に力が入っていた。
少しずつ分かってきたこと
それでも、少しずつ分かってきたことがある。
育児の成果はすぐにはでない。
そもそも、成果なんてものを求めてはいけないのかもしれない。
ただ、日々を積み重ねていくものなんだと思う。
双子が少しずつ大きくなって、できることが増えていくのを見ると、あの必死だった日々も確かに意味があったのだと感じる。
今、思うこと
今でも、仕事と育児の両立は簡単ではない。
それでも、双子育児を経験してから、少しだけ考え方が変わった。
思い通りにいかないことがあっても、「そういう日もある」と思えるようになった。昔より、少しだけ力が抜けた気がする。
その感覚は、仕事にも少しずつ滲み出てきた。
特に、出産後に管理職になってからは、育児から学んだマインドが生きているように思う。
プレーヤーだった頃は自分が頑張ればよかったが、管理職の役割は「チームで成果をだすこと」だ。自分の働きかけが思うように響かないこともあれば、知らない間に部下が大きく成長していることもある。
読めないこともある中でも、それさえ楽しみながら前に進んでいくのだというマインドは、子育てを通して双子から教えてもらったことだ。
双子はもうすぐ5歳になる。
あの頃の自分にもし言葉をかけられるなら、きっとこう言うと思う。
「大丈夫。ちゃんと大きくなるよ。」
そしてもう一つ、こうも伝えたい。
あの必死だった毎日は、きっとあとから振り返ると、思っているよりずっと大切な時間になっている。
今はまだ、その途中だけれど。
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