【掌編】Fxxk the Cat! Kill! Kill! Kill!
昔から押しに弱いっていうか、他人と境界線を引くのが苦手で、嫌われたくないからやたら相手のことを持ち上げたり、場の空気を悪くしないためにヘラヘラ笑ったり、彼氏のことを根掘り葉掘り聞かれたら全部答えちゃうとか、親にこれしなさいあれしなさい言われたらその通りにしちゃうとか、初対面の人にもやたら愛想良いから勘違いされたり、その結果大切にしたかったはずの関係性が危うくなったり、そういう自分の性質にね、本当に嫌になっててね、優しいんでしょって言ったら聞こえいいけどね、距離を取るのが下手くそで不器用な女でね、気の弱い美人は生きづらいってYouTubeかなんかで見たな、いや別に自分が美人だって言いたいわけじゃないけど、っていうのはちょっと嘘、東京には可愛い子いっぱいいるけど私の存在は顔面も才能も含めてそこらへんの子より全然格上、圧倒的勝者、ワールドイズマイン。話戻すけど実際大人しい女は不利なんだよ、だって不健康な男を見抜けなくて不道徳な男にやたらモテる、女からは嫉妬嫉妬嫉妬、嘲笑、軽蔑、こんな自分のなよなようじうじする性格を何回も治そうとして、行動や体裁だけでも変えようとしたけれど、根本的には変わってないから究極的な場面でひよった結果、口では何も言えず、代わりに脳内で悪口言うことばかり上手くなる。はーお前の被害者意識にはうんざりだよお前に言ってんだよお前お前お前、自分疲れました傷つきました大事な時間が奪われました、はいはいはいはい、結局自分のことしか考えてない奴の紋切り型の発想、自分自分言ってる奴は大抵しょうもない、薄ら寒いやりとりで脳みそ誤魔化してゲロ甘い言葉吐き出し気が済んだら猿みたいにキィキィ喚いてグズってペシャってシコって寝るだけ帰れよ動物園の檻の中。ところでトラとかヒョウとか群れない動物の何がいいって、喋らないことだよね、子育てが終わったら親は干渉してこなくて、自由自由自由、走って走って誰もいない草原でグースカピー、いいないいな、うらやましいなあ、私もそっちに連れてってよ、そのぶん死亡率は高くなるよって、いいですもう、それでいいんですよ私、人生諦めモード、でも実際あれよ、目の前に車が走って来たらしっかり避けちゃうんだから、解脱のフリして秒で繋縛、煩悩の大洪水。
「甘いもの食べたい」と同じイントネーションで血が出る話書きたい。赤って素敵。酸素を運び心臓を動かす血液。警告や危険を表す信号。涙を誘う夕焼け。誘惑の林檎。膝で腹を突き上げて神経細胞を破壊、口から飛び散る臓物と血の塊。もしくは背中に突き刺す鋭い刃。肺を貫通し溢れる血液。いやただの包丁は地味か。令和の若者はやっぱチェーンソーでしょ。チョークスターターグリップを引いてエンジンを始動、チェーンブレーキ解除、青空を引き裂くけたたましい雄叫び。ドゥルルッギュイーンバババババババババ。首を飛ばせば鮮血が吹き上がり、上半身に切れ込みを入れれば腕がつながったまま空に飛ぶ。下半身はぶるっと痙攣したのち膝から崩れ落ち、傾斜した断面図から見える肺と骨と脈打つ心臓。ドーパミンセロトニンテストステロン。あー気持ちいい、こんな女にしたの誰? 明日は海でも見てくるよ、本当は青色の方が好きだもん。おやすみーまだ寝ないけど。
