それでも山に行く理由 vol.75コーラから宇宙まで、Virginという不思議
15:21
搭乗時間まで、まだしばらくある。
せっかくなので、小さな
Launceston Airportを一回りしてみる。
世界中からやって来たのであろう
観光客が、小さな待合スペースに
あふれている。
セルフィーを撮っていると、
勝手に後ろから映り込んでくる
陽気な人たち。
服装を見れば、どう考えても
トレッキングに来たのだろう。
日に焼けた顔。
無造作に伸びた髭。
大きなバックパック。
……もっとも、向こうから見れば、
私もまったく同じように
見えているのかもしれない。
そして、ここにもやっぱりあった。
タスマニアンデビルへの寄付箱。
日本なら、
もう少し可愛らしいキャラクターに
してしまいそうなものだけれど、
こちらは妙にリアルだ。
少し怖い。
まあ、本物のタスマニアンデビルも、
名前からしてあまり可愛く
売り出す気はなさそうだけど。
窓の外を見る。
どんよりとした空の下、滑走路にはQantasLinkのプロペラ機が停まっている。
そして、今日私が乗るのは、
Virgin Australia
VH-YFF
Virgin
この名前は、昔から知っていた。
創業者のRichard Bransonも有名だ。
でも、考えてみると不思議な会社だ。
Virginの始まりは、飛行機でも
コーラでもない。
1970年、Richard Bransonたちが
始めたレコードの通信販売だった。
そこからレコードショップを開き、
やがてVirgin Recordsへ。
Mike Oldfield、Sex Pistols、The Rolling Stones、Spice Girlsなど、世界的な
アーティストたちに関わる
巨大な音楽ビジネスへ成長していった。
普通なら、そこで十分成功した
会社だと思う。
だけど、Virginはそこで終わらなかった。
1984年には航空業界へ参入して
Virgin Atlanticを設立。
その後は鉄道、携帯電話、金融、ホテル、
クルーズ船。
1994年にはVirgin Colaまで発売した。
そして、ついには宇宙へ行く
Virgin Galacticまで作ってしまった。
考えてみれば、Virginも最初から大きな
会社だったわけではない。
一枚のレコードを売ることから始まり、
それが音楽会社になり、飛行機を飛ばし、コーラを作り、ついには宇宙へまで
飛び出した。
最初から、そこまでの未来が
見えていたわけではないだろう。
きっと、
目の前にある「面白そうなこと」を
一つずつ始めていった結果なのだ。
そう考えると、何かを始める時に、
大きな資金も、立派な会社も、
完璧な計画も必要ないのかもしれない。
小さくてもいい。
今できることから始めればいい。
そして、始めるのに遅すぎると
決める必要もない。
レコードからコーラへ。
コーラから飛行機へ。
飛行機から宇宙へ。
人生だって、最初に決めた一本の道だけを
歩き続ける必要はない。
何からでも始められる。
いつからでも、次の何かを始められる。
Virginの飛行機を目の前にして、
そんなことを考えた。
そして今の私も
まだ、この先に何が始まるのかは
わからない。
だからこそ、少し面白い。
Virgin ColaもRichard Bransonも知っていた。
だけどまさか、タスマニアの旅の最後に、
私自身がVirginの飛行機に
乗ることになるとは。
15:52
どうやら搭乗時間が来たようだ。
ターミナルを出て、滑走路を歩く。
折り返しながら続く長いスロープを上がり、Boeing 737-800の機内へ乗り込む。
いよいよ、タスマニアともお別れだ。
短い滞在だった。
だけど、本当に素晴らしい島だった。
「タスマニアの何がそんなに良かったの?」
そう聞かれたら、少し
失礼かもしれないけれど、
私はこう答えると思う。
何もないところ。
高いビルもない。
巨大な繁華街もない。
どこまでも続く草原と森。
海と湖。
野生動物。
そして山。
何もないからこそ、そこにあるものが
よく見えた。
Virginの赤いロゴの機体に乗り込み、
窓の外を見る。
次の目的地は、
Sydney
旅は、まだ終わらない。
この山の自然の空気を、
服として纏える場所があります。
北タイの手仕事から生まれた
ナチュラル・ハンドメイド
快適ウェア
この感覚を形にした服がGENIEです。
→ プロフィールから
https://genienature.official.ec/
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