それでも山に行く理由 vol.89 違いを楽しむために、旅をする。-さよならkatoomba-
16:02
アウトドアショップを後にして、
再びKatoombaの街を歩き始める。
今では、ほとんど誰も使わないであろう
ステンレス製の公衆電話。
レンガ造りの教会。
その前では、一人の女性が花壇のレンガに
腰掛け、アイスクリームを食べている。
少し歩けば、Live Music Bar。
アンティークショップ。
不動産屋の店先には、一棟貸しの
レンタルハウスの広告が貼られていた。
1週間、450〜780ドル。
家族で長期滞在するなら、意外と
割安なのかもしれない。
休暇を長く取る文化のある国では、
一つの場所に1週間以上滞在することも
珍しくないのだろう。
以前、ニュージーランドで
キャンピングカーを借りようとした時、
「最低10日間からです」
と言われて驚いたことを思い出す。
日本では、年次有給休暇を一定日数以上
与えられる労働者に対して、ようやく
年5日の取得が義務化された。
休暇に対する考え方そのものが、
ずいぶん違う。
そんなことを考えながら歩いていると、
ようやく駅前まで戻ってきた。
1925の文字を掲げた古い建物。
魅力的な商店街。
ここKatoombaを拠点にして、
Blue Mountainsの周遊バスを使う。
昼間はハイキング。
夜は街へ戻ってBARで一杯。
そんな過ごし方も、なかなか
贅沢でいいかもしれない。
いい街だった。
駅でクレジットカードをタッチする。
プラットフォームには、なぜか何羽かの
鳩が歩いている。
いや、よく見ると――
白いオウムまで混じっている。
観光客たちも次々にスマートフォンを
向けている。
列車が来る前に、トイレへ行っておこう。
入口を見る。
大きく、
GENTLEMEN
と書いてある。
つまり――
紳士。
ん?一瞬、入るのをためらう。
ところが壁を見ると、その横に
新しい小さな表示が貼られていた。
MALE
男性
よかった。
私は紳士ではないから、
入れないのかと思った。
きっと私と同じように気後れする
男性のために、新しく
貼ってくれたのだろう。
やがて、銀色の金属をむき出しにした
二階建て列車が、ホームへ滑り込んできた。
そういえば、この国では公衆電話も、
列車も、トイレの設備も、金属が
そのまま使われているものをよく見かける。
なぜ塗装したり、別の素材で
覆ったりしないのだろう。
それも、この国らしい
デザインなのかもしれない。
列車へ乗り込もうとすると、隣には
マウンテンバイクを押した
男性が並んでいた。
日本なら、自転車を列車に持ち込む時には
「輪行バッグ」と呼ばれる袋に
収納することになっている。
ところが彼は、そのまま
マウンテンバイクを押して
列車へ乗り込んでいく。
また一つ、日本との違いを感じた。
どちらがいいとは思わない。
それぞれの国の文化や歴史、
暮らし方から生まれた違いなのだろう。
そして、そんな違いを見つけて、
感じて、楽しむ。
そのために旅をしているのだから。
さて、
Sydneyへ戻るとしよう。
さよなら、そしてありがとうkatoomba
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北タイの手仕事から生まれた
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https://genienature.official.ec/
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