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50代の経験は、AIへの最強の指示書になる|現場で培った段取り力をAIに渡す方法

ある企業のAI研修で、こんな話を聞いたことがある。

20代の若手は、操作をすぐ覚える。新しいツールに触れるのも早い。ところが、いざ「何に使うか」となると、手が止まる。やり方はわかっても、やりたいことが出てこない。

一方、50代の管理職は逆だった。操作には手こずる。でも「これで市場分析できないか」「アンケートの集計はできるか」と、すぐに仕事へ結びつけた。何をさせたいかが、最初から明確だったのだ。

これは、私自身の感覚とぴったり重なる。

AIの前で「何を聞けばいいかわからない」と固まってしまう50代は多い。私もそうだった。でも、それは能力が足りないからではない。やりたいことがないからでもない。

ただ、自分の中にある経験を、AIへの言葉に変える方法を知らないだけだ。

50代には、若い人が持っていないものがある。長い年月をかけて積み上げた、現場の経験だ。これは、AIを使ううえで、とてつもない武器になる。本人が気づいていないだけで。

なぜ「何を聞けばいいかわからない」が起きるのか

では、なぜ経験があるのに、手が止まるのか。

理由は、経験が「言葉になっていない」からだ。

長く現場にいると、多くの判断が体に染み込む。考えるより先に、手が動く。「なんとなくこうした方がいい」という勘が働く。その勘は、たいてい正しい。何百回、何千回と繰り返してきた判断だからだ。

でも、その判断を「なぜそうするのか」と聞かれると、うまく説明できない。言葉にしてこなかったからだ。体は覚えているのに、口では言えない。これを、暗黙知という。

AIは、言葉で指示しないと動かない。こちらの頭の中を読んではくれない。だから、暗黙知のままでは、AIに渡せない。「何を聞けばいいかわからない」の正体は、これだ。経験がないのではない。経験が、言葉になっていないだけ。

私も最初、AIの入力欄を前にして固まった。何十年も現場で判断してきたのに、いざ言葉にしようとすると、何も出てこない。情けない気もした。

でも、あるとき気づいた。言葉にできないのは、これまで言葉にする必要がなかったからだ。体で覚えればよかったから。それなら、今から言葉にすればいい。

経験は「指示書」に翻訳できる

暗黙知は、翻訳できる。

体で覚えた判断を、ひとつずつ言葉に置き換えていく。すると、それがそのまま、AIへの指示になる。しかも、ただの指示ではない。何十年もの経験に裏打ちされた、質の高い指示になる。

たとえば、私は家電量販店で長く売り場を作ってきた。商品を並べるとき、いつも考えていたことがある。お客さんが一番知りたいことを、一番目立つ場所に置く。値段なのか、機能なのか、誰向けの商品なのか。お客さんの立場で、何を最初に伝えるべきかを考えていた。

これは、文章を書くときの「結論を先に書く」と、まったく同じ判断だ。

当時はそんなこと、意識もしていなかった。体が勝手にそう動いていた。でも、その判断を言葉にすれば、AIへの指示に変わる。「読む人が最初に知りたいことを、冒頭に書いて」と。

経験が、プロンプトになる。

これは、私が半年かけてたどり着いた、いちばん大きな気づきだった。50代の経験は、AIにとって最高の指示書になる。問題は、その翻訳のやり方を知っているかどうか、それだけだ。

では、具体的にどう翻訳するのか。私が実際にやっている手順を、ここから書いていく。

ここから先は、有料です(500円)。

私が実際に使っている「経験を指示書に変える3つの手順」、ひとつの作業を3つのAIにどう振り分けているかの具体的な流れ、そして、あなた自身の経験を書き出すための「棚卸しシート」を収めています。

特別なスキルや知識はいりません。必要なのは、あなたがこれまでの人生で積み上げてきた経験だけです。それを、これからの道具に変える方法を、ここから具体的に書いていきます。

同じ場所にいる50代の方の、最初の一歩になればと思います。

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