成長の原点。「自主練文化」の作り方。
「自主練文化」をみなさんは考えたことがありますか?
僕が入学した高校では、全体練習が終わった後にバットを持って室内練習場へ向かう選手は、ほとんどいなかった。
大切な試合が近づいたときだけ、少し長くバットを振る。
普段は全体練習が終われば、そのまま一日が終わる。
そんなチームだった。
しかし、僕がこのチームを引退する頃には、全体練習の終わりが近づくと、チーム内でこんな会話が聞こえるようになっていた。
「今日の自主練、何する?」
誰かに言われたわけでもない。
監督やコーチから「残って練習しろ」と命令されることはない。
選手同士でその日の課題を話し、自分たちで練習内容を決める。そんな光景が少しずつ当たり前になっていった。
もちろん、全員が毎日自主練をしていたわけではない。
どのチームにも、練習に対する考え方や熱量の違いはある。全員に同じ行動を求めることは現実的ではないし、結果を出すならそれでもいい。
大切なのは、全員を無理やり残すことではない。
「もっと上手くなりたい」
「今日できなかったことを練習したい」
「次の試合では絶対に結果を出したい」
そう思った選手が、自分で考えて練習できる空気を作ることだ。
自主練は、命令によって生まれるものではない。
指導者が、
「もっと自主練をしろ」
「本気なら練習後も残るはずだ」
と言われても、それだけで自主練の文化が生まれるとは思わない。
やれと言われれば、やりたくなくなる。
強制されれば、逃げたくなる。
そんな経験があると思います。
自主練という名前なのに、指導者から練習内容を与えられ、終了時間まで決められている。それでは、全体練習が延長されただけだ。
自主練の本当の価値は、練習量を増やすことだけではない。
自分の課題を考える。
必要な練習を選ぶ。
実際に試してみる。
うまくいかなければ、もう一度考える。
この繰り返しによって、選手は自分で自分を上手くできるようになる。
では、どうすれば「自主練をしろ」と言わなくても、選手が自分から練習する文化を作れるのか。
僕が高校時代に実際に経験した変化と、学生コーチとして行ったことから、三つの考え方に整理してみたい。
さらに後半では、この三つを今の僕がチームで実践するならどう進めるかを、書き出してみた。
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①自主練は楽しいものだと知ってもらう
僕は、自主練は本来、楽しい時間だと思っている。
自分で練習内容を決められる。
時間に縛られず、好きな野球を思う存分できる。
全体練習ではできなかったことを、自分が納得するまで繰り返せる。
指導者に決められた練習をこなすのではなく、自分が上手くなるための方法を自分で探せる。
それが自主練の時間だ。
本当は、みんな野球が好きだったはずだ。
もっと打ちたい。
もっと速く投げたい。
上手くなりたい。
試合に出たい。
勝ちたい。
その気持ちが原点にある。
しかし、長時間の全体練習や、目的の分からない反復、失敗を許されない空気が続けば、野球をすること自体が苦しくなっていく。
その状態で「練習後も残れ」と言っても、選手の気持ちは動かない。
まず必要なのは、努力を強制することではない。
野球は面白い。
自分で考えて試すことは楽しい。
昨日できなかったことが、今日は少しできる。
その感覚を思い出してもらうことだ。
自主練の文化を作る第一歩は、選手を残らせることではない。
選手が「もう少しやりたい」と思える瞬間を作ることだ。
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