🍀No.166 【難病】同じ病気でつながる未来
息子には、
尿素サイクル異常症という難病と、
重度の知的障害があります。
尿素サイクル異常症は、
タンパク質の摂り過ぎやカロリー不足が原因で、
体内のアンモニアが増えて命に関わる病気です。
毎日の食事管理と服薬で命を守っています。
タンパク質制限は、
例えばとんかつなら、
一切れ程度しか食べられません。
ご飯とキャベツと味噌汁と、
とんかつ。
家族はそれだけで良くても、
息子はとんかつが一切れになるので、
足りないエネルギーを、
フライドポテトなどで補う必要があります。
食が進まない時は、
鼻から胃にチューブを入れて、
栄養を補給することもあります。
そんな息子の
将来の暮らしを考えて、
入所施設を探し始めました。
県内の大きな施設をはじめ、
県外の施設にも相談したのに、
全てで受け入れが難しいと言われました。
理由は、どこも同じでした。
・希少疾患で、経験がない
・食事管理が難しい
・経鼻チューブに対応できない
・高アンモニア血症に対応できない
命に関わる病気だからこそ、
対応できないと言わざるを得ないのだと思います。
国は今、
障害のある人が地域で暮らせる社会を
目指しています。
私も、
それを望んでいます。
でも、
暮らす場所が
みつかりませんでした。
そんなとき、
私は一つの考えにたどり着きました。
「同じ病気の人が集まって暮らす
グループホーム」です。
障害の種類や程度が違っても、
病気が同じなら、
食事や薬、急変時の対応という
「生活の土台」は共通しています。
そういう人たちが集まることで、
「地域で暮らすこと」と、
「健康を守ること」。
両方をあきらめなくていい、
安心できる暮らしの場が
実現できるかもしれないと考えました。
患者会で集まったときに、
「同じ薬を飲んでいる人がいて嬉しい。」という
声を聞きました。
家族にとっては、
「この病気を知っている人たちが支えてくれる。」と
思えることが、
親亡き後の大きな安心になります。
きっと、
食事管理や薬の知識が受け継がれ、
医療との連携もしやすくなり、
職員も専門性を身につけられます。
そして、
新しく生まれてくる
同じ病気の子どもや家族への、
情報提供の場になるかもしれません。
毎日の生活そのものが治療になっている病気は、
ほかにもあると思います。
「障害」で分けるのではなく、
「同じ病気」で支え合うという選択肢。
そんな地域生活の選択肢が増えれば、
「誰一人取り残さない社会」に近づく
一歩になると信じて、
今、
患者会の仲間と動き出そうとしています。


