「北枕に寝てみたら」案外よく寝れた話〜55歳主婦日記📔
少しずつ身の回りを整理して、身軽に歩き始めたつもりでいた。
けれど、ふとした瞬間に気づく。私の脳内は依然として情報の波に揉まれ、重たく、ごちゃごちゃとしている。
先日、ある記事が目に留まった。「寝る時は頭の近くにスマホを置いてはいけない。
さらに、頭の周りに物がある環境は、睡眠中も脳に情報過多を引き起こし、翌朝に疲れを残す原因になる」という内容だった。
はっとして、自分の枕元を見渡す。そこには小さな本箱が二つ並んでいた。
寝る直前までスマホをチェックし、眠気が来るまで読書をするのが私の日課だ。
本箱には、何度も読み返すお気に入りの一冊や、読みかけの小説、そして「お守り」のように大切にしている推しの雑誌やファンクラブの会報がぎっしりと詰まっている。
大好きなものに囲まれている安心感はあったが、もし眠っている間も脳がこれらの情報を処理し続けているのだとしたら……。「まずい」と直感した。
すぐに模様替えを考えたが、現実は厳しい。限られたスペースのなか、電気コードの配線などを考慮すると、本箱や充電ブースを移動させるのは至難の業だった。
そこで名案が浮かんだ。「頭を反対側にして寝ればいいじゃないか」と。
しかし、一つだけ懸念があった。反対側に頭を向けると「北枕」になるのだ。
子供の頃から「北枕は縁起が悪い」と教わって育ってきた。亡くなった方を安置する向きであり、不吉なタブーであるという刷り込みは、意外にも根深く私の中に残っていた。
迷った末、私はAIに相談してみることにした。すると、意外な答えが返ってきた。
北枕が忌み嫌われるのは、お釈迦様が入滅された際の姿に由来する日本独自の風習に過ぎないという。
むしろ現代では、科学的・風水的な観点からメリットが多いとされているのだ。
例えば、東洋医学で理想とされる「頭寒足熱」の状態を作りやすく、血行促進や疲労回復につながること。
地球の磁力線に沿って寝ることで自律神経が整いやすくなること。
さらに風水では、北は「信頼」や「蓄財」を司る吉方位とされていること。
かつての木造家屋のような隙間風の心配がない現代の住環境では、北枕を避ける現実的な理由はほとんどないのだそうだ。
「心理的な抵抗がなければ、無理に避ける必要はありません」
その言葉に背中を押され、私はさっそく昨夜、枕を北へと向けた。
スマホの充電も、お気に入りの本たちも、すべて足元へ。
頭の周りには何もない、がらんとした空間が広がった。
結果は驚くほどだった。朝まで一度も目を覚ますことなく、深く、ぐっすりと眠ることができたのだ。
昨日は外出していて程よく疲れていたせいもあるかもしれないが、目覚めの爽快感は格別だった。
もし、あなたが「なんだか疲れが取れない」と感じているのなら。
そして、部屋のレイアウトに頭を悩ませているのなら。
一度、これまでの常識をひっくり返して、北枕を試してみてはいかがでしょうか?
案外、新しい安らぎが見つかるかもしれませんよ。

