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卒業旅行23 リスボン28番トラムと魂に触れたFADO

「会社を卒業し 昨年(2025年)8月~、夫婦2人で42日間の欧州旅行に出かけました。29日目、リスボン満喫です」

28番トラム
リスボンは坂道が多い街だ。そしてかわいいトラムが縦横無尽に走っている。特に28番トラムが観光客に人気だ。

まるでアトラクション


ワクワクしながら乗り込むと
黄色くて、かわいい車体の中は
どこか懐かしい直角の椅子があった。
床は木造。
天井からのつり革も素朴で、
すごくノスタルジーを感じるつくりだ。
窓からの風が気持ちいい。

狭い石畳をギシギシと登りだした。
手を伸ばせば、家の壁に届きそうだ。
歩行者は車両のすぐ横を歩いている。
坂道カフェのテラスでは地元の女性が楽しそうに談笑している。その横で猫が眠っている。

「リーン」!
狭いカーブが続く。

トゥクトゥクとギリギリですれ違う。

前から乗用車が来た。トラムが止まる。
車の運転手も慣れたものだ。
建物すれすれに車を寄せる。
と、
トラムは独特の金属音をまた「リ――ン」と鳴らしながら
見事にすり抜けた。
スリル満点だ。

いくつもの危機を見事にかわして28番は走り続ける。

カーブを抜けると、突然視界が開く。
遠くまで赤茶色の屋根が波のように続き
反射する陽光がまぶしい。
車窓からは透き通った青空。
牧歌的!


私たちを乗せた28番はゆっくりと移動しながらリスボンの風景に溶け込んでいる。

移動手段というより、アトラクションだ。

しばらく外の風景に見とれていると、
ふっと不安がよぎった。
このトラムはいったいどこへ行くのだろう?

マップを見ると中心地から次第に遠ざかっている。

妻も同様に感じたのか「どこまで行くの?」と聞いてくる。

「しまった!」

このトラムがどこまで行くのか、私は知らない。

車窓の風景は
明らかに郊外の景色になっていた。

下車した方がいいのだろうか?
考えていると、トラムは左に大きくカーブした。

確認すると
中心地から離れる一方だった28番は
中心地から平行方向へと進路を変えた。

またしばらくすると
もう一度大きく左に曲がった。

今度は中心部に向かい出した。

ホッと胸をなでおろす。

少しずつ賑やかな景色が戻ってきた。

終点で降りると、見たことのある風景だ。
何度も歩いたロシオ広場近くだった。

中心地に戻ってきたのである。
28番の体験
とても楽しい時間だった。

魂のFADO
バカリュウのおいしい店を探して食べたり、
道端で出会ったナタを食べ比べたり、気ままな散歩をしていると

うまい‼️
ナタ(エッグタルト)


「FADO」の看板が目に入った。
装飾をしている店の女性に聞くと
20:00〜ライブが始まるとのこと。
早速予約した。

店はまるで洞窟の中に入ったような雰囲気で、
20人ほどで満席になる小さな会場だ。
ポートワインが上品に甘く、とてもおいしい。
席は満席となった。

50分のコンサートは、
ギター2名のきれいに響き渡る演奏から始まった。

男性ボーカルが入ってきた。
最初にFADOの説明や歴史を解説してくれる。
FADOはポルトガルの民族歌謡で魂の音楽(歌)と言われている。心の叫びのような音楽だ。

男性は、低い声で語りかけるように
歌ってくれた。
心に響いてくる。
人生の悲しみ、郷愁の歌だったのだろうか?

次に女性が華やかなドレスで登場してきた。
彼女が歌いだす。
会場の雰囲気は一変し、その力強く透き通る声の響きに、聴いている全員の心が揺さぶられた。

こちらは情熱的でテンポよく、
自然と体が動き出してくる乗りのいい歌だ。

パワフルな女性ボーカル



最後に男女掛け合いが少しコミカルな
テンポのいい歌を聞かせてくれた。

途中観客も一緒に歌える場面などもあり、
ワインを一杯しか飲んでいないのだが
とても楽しく盛り上がった。


音楽は世界共通である。


日本からすごく遠い地の魂と文化に触れ
改めて「旅行って素晴らしいな」
と感じたリスボンの夜だった。

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