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【振り返り】Lucky Fes 2026 を終えて

まずはじめに、開催に尽力された堀さんをはじめとする運営の皆様、そしてご来場いただいたたくさんのフレンズの皆様、本当に素晴らしいフェスをありがとうございました!

3日目、晴天でスタート

台風の接近に伴い、残念ながら4日目は開催中止という苦渋の決断となりましたが、安全を最優先した運営側の判断は間違いなく正しかったと信じています。

今回は一人の出店者として、そして経営者としての視点から、今回の顛末と今後のフェス出店に向けた備忘録、そして現場で感じたリアルな想いを書き残しておこうと思います。

1. 海風とウルフルズ、そして「中止の確信」

私は10日(月)の早朝から現地に入り、各ステージを念入りに視察していました。午後からはフードエリアでも強い風を感じるように。

強風のため、上部の旗を閉じる指示が

14:05、WING STAGEで観たウルフルズのパフォーマンス。海を背にしたステージのため、アーティストが猛烈な風に煽られながら演奏している様子が手に取るように分かりました。特にドラムのハイハットが風で揺れ、リズムをキープするだけでも一苦労な状態。これを見た瞬間、私は「明日の天候悪化を考えると、4日目の中止は避けられないだろう」と直感しました。

ただ、問題は「情報通達のタイムラグ」にありました。

2. 出店者が直面した「情報空白の時間」

今回の開催・撤去に関する運営からの通達フローは以下の通りです。

10日 17:02|「4日目の開催に関して協議を行う」旨のアナウンス
10日 18:30|「4日目の開催中止」が正式決定
10日 23:36|「最終日(11日)朝の撤去作業可能」が決定

出店者へのLINEより抜粋

「協議を行う」というアナウンスから正式決定まで、ほぼ1時間。判断、決断は驚くほど早い!これ賞賛に値します。一方で、当日朝からここまでの情報共有がなかった点だけが、唯一悔やまれる部分でした。経営者であり出店者でもある立場からすると、ここでの早めの判断や方向性の共有があれば、防げた損失があったと感じています。

① 発注の判断リスク
翌日使うビール、米、氷などの発注タイミングは午後に集中します。正式情報がない中、隣の店舗同士で「発注どうします?」「何もアナウンスないしやるよね?」「いや、中止でしょ?」と答えの出ない議論が続き、憶測で動くリスクを背負うことに。

② 撤去スケジュールと疲労
最終的に「4日目の朝に撤去作業可能」としてくれた運営の判断は非常に賢明で、廃棄ロスはほぼゼロで乗り切れました。ただ、これも決定時点で早く知りたかったのが本音。

連日朝から立ち仕事をしてホテルに戻るのは夜22:00頃。ヘトヘトでシャワーも浴びずに寝落ちしてしまうほど疲労困憊な中、「明日が中止」と早く分かっていれば、少しでも体を休める時間に充てられた可能性があった。

③ 「配送費9万円」のロス
一番大きな実質的損害は食材の配送費。KINTANでは鮮度抜群の肉をフレンズに届けるため、東京から毎日翌日分を直送する手法をとっています。10日午前中に発送した翌日分の肉は、届いたもののそのまま東京へ送り返す形になり、往復の配送費用約9万円が今回の中止で被った実質的なロス。

3. 人件費と「16時間労働」という現場のリアル

人の手配やアルバイト人件費に頭を痛めた店舗も多かったはず。KINTANの場合は私を含めた社員チームで固め、実家に近い社員の協力もあったため人件費面の損失は回避できました。

3日目、スタッフの疲労もピークに

今回のフェスにおけるリアルな働き方をまとめてみました。

06:00|水戸のホテルを出発
06:30|スタッフ入場・売り場作り・資材(米・氷・ドリンク)搬入
07:40|朝礼
08:00|開場・開店
20:00|最終アーティスト終了
20:10|花火
20:30|閉店・締め作業・売上報告
21:00|作業完了後、撤収
22:00|水戸のホテル帰着

自社の勤怠管理より

ざっと計算して1日の拘束時間は16時間。休憩を引いても15時間稼働×3日間=45時間。改めて数字にすると凄まじいハードさ。

昨今の人手不足や人件費高騰、労務管理のシビアさを考えると、見直して欲しい点。せめて「フードエリアの営業時間を9:00〜19:30にする」といった改善があると、出店側の負担は一気に軽くなります。実際、ABC分析をすると早い時間と遅い時間の売上、客数は以下の通り。全然売れていないんだ。

【時間帯別販売実績】
8:00〜9:00:売上7813円/4組
20:00〜21:00:売上1767円/2組

自社POSの販売実績より
8月8日〜10日の3日間の販売平均

次回以降、ぜひ現場の実態に合わせた検討をしていただきたいポイントです。

4. それでも私たちが現場に立つ理由―フレンズとの最高の交流

これだけハードでも、私たちが心から楽しく働ける理由。それは「フレンズ(お客様)との交流」に他なりません。
期間中に何度もリピートして買いに来てくれる強者や、推しのアーティストの話で大盛り上がりした時間。

「今日が誕生日なんです!」というフレンズと出会い、その場でスタッフみんなでバースデーをお祝いした瞬間。

商売をやる本当の喜び、客商売の原点を肌で感じられるこの経験は、何物にも代えがたい宝物です。普段以上の過酷な現場を乗り越えることでスタッフのスキルも上がり、他では絶対に味わえない達成感と充実に満たされます。大変さを遥かに上回るプラスが、ここにはあります。

5. 「ラッキー・シャワー」に打たれて

台風による4日目の中止。それは運営にとっても、アーティストにとっても、フレンズにとっても唯一の「アンラッキー」。しかし、それ以外は笑顔と音楽と自然にあふれた、日本で唯一無二の最高のフェスでした。

3日目の大トリはFLOW
翌日が中止でも盛り上がるフレンズの熱狂

3日目の夜、私はスタッフとは別れ、一般の入退場口から歩いて帰路につきました。すると、退場路に立つボランティアや運営スタッフのひとりひとりが、ペンライトを振りながら笑顔で声をかけてくれたのです。

「今年はありがとうございました!ラッキー!」

本当に10メートル間隔で、全員が笑顔で「ラッキー!」と叫んでいる。

道に迷えば何人ものスタッフが集まって丁寧に教えてくれ、挙げ句の果てには、会場外の交差点で誘導していた派遣の警備員さんまでもが、「最後までお気をつけください。ラッキー!」

心からの笑顔で、最後の最後までフレンズを見送る姿。その光景に、私は深く感動しました。

「あぁ、これが堀さんのやりたかったことなんだな」と。

人生で一番たくさんの「ラッキー・シャワー」を浴びた私は、心底幸せで、満ち足りた気持ちでいっぱいになりました。

そして心に固く誓いました。「来年も絶対に、この場所に帰ってくる」

最高のフェスを、本当にありがとうございました。心からの感謝を込めて。

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