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月刊『公明』に寄稿しました ~そして渡辺創しかいなくなった中道改革連合を惜しむ~

 先般、ありがたいことに月刊『公明』に寄稿する機会をいただきました。

 題して「国民の歓心を政策で買う政治への反省」。


 ずいぶん好き勝手なことを書かせていただきましたが、それでも掲載してくださった公明党の皆さまには、改めて御礼を申し上げたいと思います。

 「読んだよ」って連絡を3ダースほど頂戴し、嬉しい反面「あれ? あの人、絶対読んでっこないよな?」と思って会議に行ったら堂々と私の記事がpdfで回覧されていたんです。困りましたな。

 ずいぶん好き勝手なことを書かせていただきましたが、それでも掲載してくださった公明党の皆さまには、改めて御礼を申し上げたいと思います。

 その原稿を書いた時点では、公明党が自民党との26年にわたる連立を離れ、中道改革連合という新しい器を通じて、これまでとは違った形で日本政治の中道を再構築しようとしている最中でした。本稿では、政治が国民に耳当たりのよい約束を積み重ねるだけではなく、守れる約束と守れない約束を区別し、後世にまで責任を負うことが必要だ、という趣旨を書きました。

 ところが、その後の展開は思った以上に速かったんですよね。
 想像以上に。困りましたな。

 そして、中道改革連合さん、立憲民主党さん、公明党さんの三党で進めてきた組織的な合流は実現しませんでした。あーあ。8月28日に立憲民主党さんが「中道への組織的合流を行わない」と決定し、8月31日の党首会談で三党合流は実現しないことが確認されました。公明党さんの説明によれば、安全保障政策を含めた基本政策でも一致に至らなかったとしています。

 公式には「合流断念」「新たな形態への移行」という表現になります。

 ただ、政治的な意味を考えれば、当初描いていた三党による中道勢力結集の構想は、ここでいったん破棄されたと見るほかありません。

 天の時が味方しなかったのか、人の和が十分ではなかったのか。それはそれぞれ関係者に思うところがあるのでしょう。

 9月9日、中道改革連合としては所属議員一人を残して党を離れ、公明党出身議員は公明党さんへ戻り、立憲民主党出身議員は新党へ移る「新たな形態」を決定しました。その一方、衆議院では統一会派「中道」を組み、政策立案や選挙活動を含めて協力するとしています。公明党さん自身も「単に以前の体制へ戻るわけではない」と説明しています。

 そして9月16日、立憲出身者側の新党は「民主改革の会」とする方針が正式に表明されました。公明出身の衆院議員28人は公明党さんへ戻られる方向です。一方、中道改革連合には衆議院議員・渡辺創さん(宮崎1区)だけが残り、清算を担当することになりました。

 ここから先が、今回書きたい「政治とカネ」の話です。
 本稿は、この月刊「公明」に寄せさせていただいた内容の補遺として、今般の中道改革連合さんのあれこれを昨年10月の自公連立解消の文脈から読み解いていきたいと思います。

公明党には、いま28議席がある

 まず、公明党さんにとって一番大きな問題は、目の前の11億円ではないと思うのです。

 衆議院には、公明党さんへ再結集する衆議院議員が28人もいらっしゃる。

 次の解散総選挙がいつになるかは分かりません。しかし、少なくともこの28議席があるうちに、昨年の連立離脱から中道改革連合への参加と関係解消を経て、改めて「公明党として何を目指すのか」を作り直さなければなりません。

 公明党さnは、自らを「大衆とともに」の党であり、「生命・生活・生存を最大に尊重する人間主義」を掲げる中道政党だと説明しています。私は、冗談や揶揄抜きに、公明党さんは国会議員、地方議員の別なく、また、党本部や支援団体である創価学会の皆さんも含めて、かなり本気で大衆のための党として活動を続けてこられたと思ってます。例外なく、です。

 そして、今回の公明党さんへの回帰・再結集についても、「中道政治の結集軸になる決意は変わらない」「より開かれた党へ改革する」としています。これも、おそらく本当にそう考えておられるんだと思います。

 であるならば、問われるのは看板ではありません。

 これから公明党さnが、誰を代表し、どの層のどんな困難を政治の議題にし、次の総選挙mまでに何を実現する党になるのかが、問われていくのでしょう。

 これは中道改革連合という乾坤一擲の博打がうまくいかなかったから元の鞘に戻りました、というだけでは済まない話です。

 むしろ、26年にも及ぶ自由民主党との長期連立を離れ、中道改革連合までつくった以上、その経験を何に変えるのかが問われます。

「受け子」だけが残った中道

 ところが、その再出発の横で、何とも説明の難しい問題が発生しています。

 中道改革連合は、政治的な実体としては大半の議員が離れます。

 公明系28人は公明党さんへ。立憲系は「民主改革の会」さんへ。

 にもかかわらず、中道改革連合そのものは消えません。

 渡辺創さん一人が残ります。

 言葉が悪くて申し訳ありませんが、見た目だけでいえば、政党交付金の「受け子」のような役回りを、一人で引き受けることになりました。これは、中道さんにおいてもっとも信頼のできる人物が渡辺創さんだから、に他なりません。ありがとう渡辺創。

 このような座組にならざるを得なかったのは理由があります。

 2026年に中道改革連合へ交付される政党交付金は約23億3,800万円。そのうち半額程度はすでに支払われていますが、約11億6,940万円が10月以降に未交付で残っています。

 一方、中道改革連合には2月の総選挙で発注したポスター、広告、各種システムその他の業務について、民間事業者への未払いが10億円余り残っていると説明されています。出入り業者の間でも、確かにそのぐらいの金額が党本部(中道さん)には残っているという話は聞きます。そこで、中道代表の小川淳也さんは、今年2月の総選挙の選挙費用関係で20億円余りを支払い、なお「半分も精算が終わっていない」と説明しています。

 ここは、まず冷静に整理しなければなりません。

 世間ではしばしば「中道が借金返済のために政党交付金を11億円もらう」と説明されていますが、少なくとも中道側が説明しているものは銀行などからの借入金ではなく、取引先に対する未払金、会計用語でいう買掛金です。

 伊佐進一さんが「借入金ではなく買掛金だ」と指摘・説明を繰り返しなさっているのは、この限りで正しいです。

 政党助成法14条は、政党交付金を充てる支出から「借入金の返済」を除外しています。したがって本当に借入金であれば別の法的問題になりますが、選挙で既に発注したポスターやシステムなどの代金を後払いしているのであれば性質が違います。

 そして、中道さんから選挙関連の業務等を受託した民間事業者からすれば、これは極めて現実的な問題です。ここで払われなければ石丸伸二ばりにポスター代金を踏み倒されることになりかねないからです。

 政治家側の事情で、選挙に負けた結果、合流しようとしていた政党同士が仲違いしたのでポスター屋さんへの支払いは踏み倒します、システム会社への代金も払いません、広告会社も泣いてください、というわけにはいきません。仕事は仕事ですから。

 小川さんが「10億円余り踏み倒していいのかと言われれば答えはノーだ」と説明するのも、その意味では筋があります。

 政治の世界にいなくても、会社を一度でも経営した人であれば分かる話ではないでしょうか。会社を畳むからといって、まだ払っていない仕入れ代金が消えるわけではないです。

 むしろ会社を畳むのであれば、先に取引先へきちんと払うのが筋です。

正しい話なのに、なぜ国民は納得しないのか

 問題はここからです。

 会計的な説明が正しいことと、国民が納得することは別です。

 一般の人にとって、「借入金と買掛金は違います」という説明は、それほど大きな意味を持たないでしょう。

 「まだ払っていない10億円がある」と聞けば、普通の感覚では「借金が10億円あるのね」と理解します。ま、ごく普通の感覚でやんすね。

 そして、結成から八カ月足らずで事実上分裂する政党に、一人だけ国会議員を残して、これから約11億7000万円の税金が交付されることになります。

 この絵面だけを見れば、「なんで?」という疑問が出るのは当然です。

 実際、中道側もこの批判があること自体は認めています。小川さんは「批判は極めて厳しく謙虚に受け止めたい」と語り、余剰が出れば国庫返納を含めて対応すると説明しています。余剰なんて出るかどうか知らんけど。

 だからこそ、ここで必要なのは「合法です」「買掛金です」で話を終えることではないでしょう。

 何にいくら使ったのか。

 どの支払いがまだ残っているのか。

 11億6940万円を受け取ったあと、どこへいくら払うのか。

 清算が終わればいくら残るのか。

 残った金はどうするのか。

 それを国民が理解できる言葉で説明し、公開することが重要になります。

本当に難しいのは2026年分ではなく、その次である

 そして、今回の問題を考えるうえで、2026年の11億7m000万円より重要なのが翌年以降です。

 政党助成法上、政党は必ずしも国会議員五人以上である必要はありません。国会議員が一人でも、直近の国政選挙で一定の得票率を満たしていれば、政党要件を満たすことができます。

 政党交付金自体も、所属議員数に応じる「議員数割」だけでなく、選挙で得た票に応じる「得票数割」で計算されます。

 中道改革連合は今年2月の衆院選で大量の票を得ています。

中道改革連合の比例代表での総得票数は1,043万8,801票で得票割合は18.23%、小選挙区での全国総得票数は1,241万7,205票で得票割合は21.6%です。

 したがって、渡辺創さん一人が中道改革連合に残って政党要件を満たし続ける場合、次回総選挙まで、議員数割は大幅に減る一方、得票数割は残ることになります。

 ここから逆算すると、現在、自由民主党内でも試算されていますが、概ね年間17億円程度になり得るという数字が出ています。浅尾慶一郎氏も同程度の試算を公表しています。

 ここで話の性質が変わります。

 2026年分については、

「中道改革連合という政党で選挙を戦った。その選挙で発生した正当な未払い費用がある。だからその政党に交付されるはずだった政党交付金で支払う」

 という説明が成り立ちます。

 しかし清算が済んだあとも、政治活動の実体は公明党と民主改革の会へ移っているのに、渡辺さん一人の中道改革連合に、過去の得票を根拠に十数億円の政党交付金が入り続けるとしたら、これは別の問いになります。

 そのお金は何のための政党交付金なのか。

 その政党はいったい何をする政党なのか。

 衆議院では公明党や民主改革の会と統一会派を組み、選挙でも協力し、政治的実体はそちらへ移っている。それでも中道改革連合だけは一人で存続し、得票数割を受け取り続けることになります。

 したがって、法律上の要件を満たすかどうかと、税金の使い方として国民が納得するかどうかは、ここでは分けて考える必要があります。

 なお、小川さんは16日、新党「民主改革の会」については政党交付金を受け取らず、「形式的に残る一人中道」で社会的・経済的責任を果たすとの方針を示しています。これは政党交付金を二重取りするとの疑念を避ける方向の説明です。理屈の上では小川淳也さんのこの表明は正しいと私も思います。

 それでもなお、一人中道そのものに翌年以降の多額の交付金が入ることになれば、別途説明が必要になるでしょう。

これは、昨年公明党が自民党に突き付けた問いでもある

 なぜこの問題を、公明党さんの記事であえて書くのか。

 昨年の自公連立離脱に話が戻ります。

 筆者が自民党側で交渉を見ていた認識では、10月7日の両党間協議の時点で、公明党側から事実上、連立継続は困難だという意思を突き付けられていました。まあみんな椅子から落ちたよね。慌てて先生方に電話をかけまくって、深夜まで調整に走り回ったのもいい思い出です。

 公開されている公明党さん側の説明でも、10月7日の政策協議で、「政治とカネ」への懸念が解消されなければ(両党間の強い信頼関係に基づいた)自公連立政権を維持することはできないと自民党側へ伝えたとしています。実際、それに近い話を私も直接公明党さんから伺っておりました。そして、その後10日の協議で、正式に26年間の連立に区切りをつけました。

 当時、公明党さんが問題にしたのは、政治資金収支報告書の不記載問題と、企業・団体献金の規制強化でした。

 自民党側にも言い分はありました。

 企業・団体献金それ自体は、法律上認められている。
 ま、違法じゃないんですよね。

 党や政治団体が法律に従って受け取る限り、それだけで違法になるわけではありません。これ、ほんと。

 しかし、公明党さんが自民党側に提起したのは、まさに「合法ならそれでいいのか」という問題でした。

 公明党さんは、献金の受け皿を政党本部と都道府県組織のみに限定することなどを求め、自民党だけでなく日本政治全体の清廉性を高め「政治とカネ」の問題が蔓延る風土そのものを改めなければならない、という主張をなさいしました。そして、それへの自民党の回答が不十分だったとして、最終的に連立から離れました。

 古くは当時総理・自民党総裁であった岸田文雄さんと公明党代表であった山口那津男酸の間での「直談判」で危機を乗り越えた経緯もありましたが、今回は、新総裁に選ばれた高市早苗さんと、公明党代表の斉藤鉄夫さんの間での信頼関係が無かったのでこの壁を突破できなかった、という説明にならざるを得ませんでした。

 当然のことながら、これは法律論ではありません。

 政治的正当性の議論です。平たく言えば「べき論」です。

 政党政治とカネの問題が、どうある「べき」かという。

合法性と正当性は違う

 この二つを混同すると、今回の問題は分からなくなります。

 企業・団体献金について、

「法律で認められているのだから何が悪い」

 というだけなら、自民党側の説明はガッツリ成立します。

 しかし、それでは政治に対する国民の信頼を回復できない、と公明党さんはお考えであった。それも、政治資金報告書未記載の問題が出る前から、政治資金改革は規正法改正の目玉のひとつとされてきたわけです。だから、抜け道を塞ぎましょう、そのための企業団体献金の廃止(の検討)である、という。

 その指摘には、少なくとも一つの筋があります。
 私が書くのも何ですが、まあ、仰る通りです。

 一方、一人だけ議員を残した中道改革連合への政党交付金についても、

「政党助成法の要件を満たしているのだから何が悪い」

 という説明は法律論として成立し得ます。

 しかし、政治的実体が別組織に移ったあとも十数億円単位の税金を受け取るのであれば、それは「合法なんで受け取るでやんす」という説明だけで国民が納得するとは限りません。

 ここは鏡写しです。

 企業・団体献金を巡って自民党に「法律の範囲内だからでは済まない」と迫った政治勢力が、自分たちの政党交付金について「法律上可能だから」で終わらせれば、当然ながら整合性を問われます。

 政党助成法自体も、政党交付金は国民から徴収された税金などで賄われていることに特に留意し、「国民の信頼にもとることのないよう」適切に使用するよう政党に求めています。

 まあ、法律の側がなんでこんなザルな条文を入れてるのかという批判も多いわけですけれども……
 ただ、今般の話において、これはかなり大事な条文だと思います。

 法律は単に「使っていい」と書いているのではありません。

 税金である以上、国民の信頼に反しないように使え、と書いているわけでうす。ここ、テストに出ます。

「合法だから」ではなく、「なぜ必要なのか」を説明する

 だから、2026年分の未交付金について、中道改革連合側が取るべき対応は比較的はっきりしています。

 総選挙で実際に発生した未払い費用があるのであれば、その全貌を可能な限り公開する。

 政党交付金を受け取り、取引先に払う。

 そして支払いが終わった時点で残額を明らかにし、不要な部分については返納を含めて処理する。

 これは、みんなの党も維新もひととおり通ってきた道で、通らなかったのは松田公太さんの日本を元気にする会ぐらいのものです。

 ここまでやれば、「一人残したのは、国民の税金を11億円を懐に入れるためだ」という批判に対しても、相当程度説明できるのではないでしょうか。

 むしろ問題は、その清算が終わったあとです。

 翌年以降も中道改革連合を存続させて十数億円規模の交付金を受けるのであれば、それは「清算のため」という説明では足りなくなります。

 何をする政党として存続するのか。

 民主改革の会と何が違うのか。

 なぜ中道改革連合を残す必要があるのか。

 誰が意思決定をするのか。

 そして何より、その十数億円を何に使うのか。

 そこまで説明できなければ、法的には可能でも、政治的な批判が生じるのは避けにくいでしょう。

 仮にそれが、買掛金そのものであり、もはや中道から完全に離別したはずの公明党さんやシン民主さんであったとしても。

そして、公明党はどこへ戻るのか

 ここで話はもう一度、公明党さんに戻ります。

 中道改革連合にいた公明系衆院議員は、公明党さんへ再結集します。
 政治的には筋を通していますし、これはいいと思っています。

 そして、公明党さん自身は、「ただ単に以前の体制へ戻るわけではない」「これまで以上に開かれた党へ脱皮する」と説明しています。

 まさに、そこが問われるのだと思います。

 なぜ中道改革連合を作ったのか。

 なぜ立憲民主党との合流を目指したのか。

 なぜそれを断念したのか。

 なぜ今度は公明党へ戻りながら、民主改革の会とは統一会派を組むのか。

 そして、党として別々なのに、なぜ「中道」という同じ会派で行動するのか。

 地方組織はどうするのか。

 選挙協力はどうするのか。

 これまで中道改革連合を信じ、選挙を手伝い、票を投じ、地方組織の統合に向けて動いた人たちへ、どう説明するのか。

 これは政局のテクニックの問題ではありません。

 政党とは何なのか、という話です。

 週刊誌でもニューズレターでもメルマガでも書きましたが、中道改革連合が結成された経緯について、実はちゃんと野田佳彦さんも、斉藤鉄夫さんも、西田実仁さんも、馬淵澄夫さんも、安住淳さんも、ご説明がなされていないのではないでしょうか。

 というか、斉藤鉄夫さんと西田実仁さんって、中ではともかく、対外的に責任を取っておられないようにも見受けられます。
 これでいいんでしょうか。

 何か別に「守りたいものがあるから、説明ができないし、責任の取りようもない」のではないか、とみんな疑うやつじゃないかと感じます。

28議席があるうちにやるべきこと

 公明党さんにとって、これから残された時間は決して長くありません。

 当然、次回の解散総選挙(または任期満了に伴う衆議院選挙)が来れば、この28議席がどうなるのかは誰にも分かりません。導火線に火がついている状態ですが、その導火線そのものは公明党さん側にコントロールできるものではありません。連立与党から、ご自身で、自由民主党に三下り半を突き付けて外れていかれたからです。

 だからこそ現在の議席を持つうちに、自民党との連立を離れ、中道改革連合を経験し、再び公明党へ戻った一連の経緯を、総括する必要があります。

 そして、「中道」とは何かを、もう一度具体的に定義する必要があります。この中道、一部公明党さんの間では「中↑道↓」、一般的には「中↓道↓」とニュアンスが違います。

 なんで? と思って公明党さんの幹部にお話を伺いましたら、これは仏教における「中道(ちゅうどう)」を党名にしたのも一部ではあって、哲学的には相対立している二つの極端な立場(どちらかに偏る見方)に執着することなく、きちんと物事を見て、これらの極端な立場に陥らず正しく自由な実践や見識を目指すことであるとされます。

 いや、なんかすっげーいい話じゃないかと思うんですよ、中↑道↓。それだけに、このような形で三党合意が事実上破棄されることは、実に残念だなと思ったりもします。

 ただ、中道改革連合からの離脱が決まって公明党さんに戻ることが決まったいま、26年間培ってきた、主張される政策と、最終的に立憲民主党さんの各議員が納得してくれなかった政策とを、急ぎ再編成し、何のための公明党さんなのかを再定義する必要に迫られます。

 それは、福祉や社会保障の充実なのか。

 平和なのか。

 生活者政治なのか。

 政治改革なのか。

 それとも、それらを貫く「大衆とともに」という、割と広い社会思想に基づいた政治姿勢そのものなのか。

 公明党さんは、中道改革連合の失敗をなかったことにするのではなく、そこから何を学んだのかを示す機会を迎えています。その出発点に「政治とカネ」があるのは、ある意味で皮肉です。

 昨年、公明党は自民党に対して、合法かどうかだけではなく、国民の信頼に耐え得る政治をやれ、と迫りました。

 今度は中道改革連合と公明党自身が、同じ問いを突き付けられています。

 法律上受け取れる。

 それは分かった。

 未払いの業者に支払わなければならない。

 それも分かった。

 では、その支払いが終わったあとも受け取るのか。

 受け取るのであれば、何のためなのか。

 この問いには、「法律上問題ありません」ではなく、政治の言葉で答えなければならないでしょう。あるいは、国民の理解できる、請託にどうこたえるのかという道順がきちんと示されねばなりません。

 そして、政治とカネの問題は、違法行為だけを取り締まれば終わる問題ではありません。

 何を受け取るべきなのか。

 何を受け取らないべきなのか。

 法律上できることであっても、政治的な信頼のために自制すべきことはあるのか。

 昨年、公明党さんが自由民主党に捨て身で投げ掛けた真剣な問いは、一年を経て、形を変えて、公明党さん自らの前に戻ってきました。

 そして、この問題への答え方こそが、再び公明党さんとして歩き始める28人が、これから「中道」を名乗る意味を決めるのではないかと思います。

さいごに

 この問いに答えられなかったときの、公明党さんの未来を示しておきましょう。

 まず、地方政治における公明党さんは、これはその成立から今日にかけて、立派に機能し、多くの地方議員が公明党所属としてご活躍されているなかのことですので、引き続き、日本の現場、社会、暮らしを、文字通り「貧女の一灯」、天台宗的に言えば「一隅を照らす」、池田大作さんの著書では『新・人間革命』だったかとは思うのですが(うろ覚え)「人にはどれほどの土地がいるか」というトルストイの短編が取り上げられててなるほどなとおもったことがあるんですけどまあそういうことを引き続きお願いしていくことになるでしょう。

 というか、公明党地方組織と創価学会は、衰えたとしてもなお日本政治の社会インフラ同然の機能を果たしていくことでしょう。

 また、選挙制度の違いから、中選挙区制になっている参議院は一定の議席数を引き続き確保していくことになります。これも、頑張れ公明党さんの世界観でいけます。

 ただ、ここでふたつの問題があります。創価学会が疲れた時どうするのかが未決です。そして、それよりも先に起きる問題として、解散総選挙や任期満了衆議院選挙がやってきます。いまのままで、小選挙区で伊佐進一さんや国重徹さんら英俊はどうなってしまうのでしょうか。

 ここで28議席の維持、なんてのはまあむつかしいという判断になる、どころか、大多数が落選するのならば、立て直す可能性が見いだせない限り公明党さんは「衆議院撤退」をまず判断することになるんじゃないでしょうか。

 そして、どうも「衆議院撤退」でいい、と考えている人たちも少なくありません。個人的に、そうなってしまうと旧立憲民主党さんと中道改革連合を立ち上げたことで惨敗し、結果的にリベラル勢力の衰亡に拍車がかかり、日本全体が「保守化」と称する民族主義&煽る政治になっていってしまうんじゃないのかなあという危機感があります。

 冒頭に話が戻るわけですが、私が周囲からDMをもらったのは、私は25年前は「元祖ネトウヨ」と思われていたのです。実態はただのバーク主義者(自然法派)なのですが、そこから社会全体がネット動画サイトも含めた大衆先導の具になった結果、津田大介さんが考えていたような動員の時代でリベラル・左派革新勢力の躍進よりも民族主義者が台頭するようになってしまったよというのはアメリカや欧州などとも変わらない構造です。だから、山本一郎が公明党さんやリベラルの肩を持つなんてと言われるわけですけど、私個人は昔からキリスト教徒・バーク主義者、民主主義者であります。

 なもんで、公明党さんにおかれましては、創価学会的な、池田大作先生的な世界観を護持したうえで、現在の社会状況や経済・安全保障環境にマッチをした政治思想を練り上げ、具体的な政策に連結し、いまを生きる日本人と、これから生まれてくる子どもたちのために私たちがどういう責任を負い、いかなる社会を引き継ぐことを目標とするかを、国民に理解ができる形で構築しなければならないと言えます。

 リベラル勢力なのに減税を主張したり、財政的な困難があるのにベーシックサービスを提唱したり、見ていて「どうして?」と思うような主張を繰り返すようになったなあというのが本音です。そして、更なる困難は「べき論」、政治とカネのところで自由民主党に言ってきたことが返ってきて「お前らだって合法だと言い張って税金懐に入れようとしているんじゃないのか」というあらぬ批判を繰り返し喰らうようになるのです。

 公明党さんはまだまだできることが残されているし、真摯に政治に向き合う議員さんも支持団体の皆さんもいらっしゃるのだから、可能性は残している。しかし、残された時間は少ない。その間に、いまの中央幹事会の仕組みで本当にそういう大衆のための政治の再構築ができるのか、が問われているのだと思います。

 明日から東京ゲームショウ本番が始まるので電話は出ませんがよろしくお願いします。



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山本一郎(やまもといちろう) 神から「お前もそろそろnoteぐらい駄文練習用に使え使え使え使え使え」と言われた気がしたので、のろのろと再始動する感じのアカウント