知らないことは、人の動きを止める。テスラが語った「無知」という摩擦
ニコラ・テスラが、私はかなり好きです。
テスラの言葉を読んでいると、電気や発明の話をしていたはずなのに、いつの間にか人類全体の話になっていることがあります。
今回紹介したいのも、そんな言葉です。
摩擦抵抗のなかでもとりわけ、人間の活動を遅らせるのは、ブッダが「世界の三大悪」と呼んだ無知である。無知から生じる摩擦は、知識を広め、人類の異質な要素を統一することでしか減らせない。やってみて損のない取り組みだろう。
なかなか壮大です。
人間の活動を遅らせるものは何かと考えて、テスラが挙げたのが「無知」でした。
しかも、人類規模の問題と解決策を語ったあと、最後は、
「やってみて損のない取り組みだろう」で締めています。
テスラ様、言い方が控えめすぎませんか(笑)
「知らない」ことより、知ろうとしないこと
無知という言葉だけを見ると、かなり厳しく聞こえます。
でも、知らないこと自体は誰にでもあります。
世の中のすべてを知っている人なんていません。私にも、知らないことは山ほどあります。
問題になるのは、知らないまま決めつけることです。
よく知らない相手を、一部分だけ見て「こういう人だ」と決めつける。
触ったことのないものを、「難しそう」「自分には無理」と遠ざける。
違う考え方に出会ったとき、理解する前に「それは間違っている」と跳ね返す。
こうした決めつけが増えるほど、人と人のあいだに摩擦が生まれます。
話せばわかることも、話す前にぶつかる。
試せばできることも、試す前に止まる。
テスラが語った「人間の活動を遅らせる」という表現は、今の日常にもそのまま当てはまります。
知ると、正体のわからない怖さが減っていく
私自身、AIを学んでいると、知らない言葉や機能が次々に出てきます。
名前だけを見ると難しそうで、「これは私には無理かも」と感じることもあります。
でも、一度触ってみる。
わからない言葉を一つ調べる。
誰かに聞いてみる。
そうすると、正体のわからなかったものが、少しずつ具体的になっていきます。
全部わからなくても、「ここまではわかる」に変わる。
怖さが完全になくならなくても、次に何をすればいいかは見えてきます。
知識は、誰かに勝つためだけのものではありません。
わからないものへの恐れや、思い込みから生まれる余計な摩擦を減らすためにも使えます。
違いを消すのではなく、理解できるところを増やす
テスラは、知識を広めることとともに「人類の異質な要素を統一すること」を挙げています。
私はこれを、全員を同じ考え方にすることではなく、違う人同士が理解できる部分を増やすこととして読みました。
意見が違ってもいい。
育ってきた環境や、大事にしているものが違ってもいい。
ただ、知らないまま相手を決めつけるのではなく、まず知ろうとする。
それだけでも、ぶつからずに済むことは増えます。
無知を完全になくすことはできません。
でも、「私はまだ知らない」と気づくことはできます。
結論を出す前に、一つ調べる。
誰かを決めつける前に、一度話を聞く。
できないと諦める前に、少しだけ触ってみる。
一つひとつは小さな行動です。
それでも、知らないことから生まれる摩擦は、少しずつ減らせます。
知ろうとする人が増えれば、人の活動を止めている抵抗も小さくなる。
たしかに、やってみて損のない取り組みです。
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