創作大賞の感想いろいろ
先週から、創作大賞に応募している作品をいくつか読んでいる。
少し前に、Xで「RTしてくれた人の小説を読みに行く」をやったので、
そこで紹介してもらった作品の中で創作大賞に関係するもの。
ほかには、「創作大賞応募作読ませてください」みたいな募集で、
私の作品を読んでくださった方の応募作とかも読んでいる。
創作大賞は読者応援期間もあるので、
今回は、とりあえず6作品、感想をつけて紹介してみる。
梓りんさんの作品。ミステリー小説部門。
今回読んだ中で、唯一のミステリーになる。
女子高生による、都議会議員刺殺事件。
犯人は黙秘を貫いており、動機は不明。
藤波は、新人記者の安藤帆奈と共に事件の真相に迫る。
見た目は普通のミステリーなんだけど、
メッセージはかなり強烈で、人を選ぶかな。
私は、むしろ吐き気がする方で苦手な話だった。
こんなの、死刑でいいよ。市中引き回しの上打ち首で。
でも、藤波と安藤(通称あんぱん)の凸凹コンビ、
バディが、めちゃくちゃいいのね。これはすごく好み。
天真爛漫な安藤と、陰のある藤波。キャラが魅力的。
王道だと思うけど、その王道が心地よい。
頭の中に映像が浮かんでくるような感じだった。
2時間ドラマとかで、いけるんじゃない?って。
ミステリなので、あまり深く感想書けないけれども、
事件やテーマの重さとキャラのギャップは、とても参考になった。
オガワヒカリさんの作品。お仕事小説部門。
主人公の紺野あおいは、モデルとアパレルスタッフ(裏方)の二刀流。
華やかな店頭の方ではなく、倉庫(バックヤード)をメインとしたお仕事小説だ。もちろん、モデルとしてのお仕事もあるんだけど。
私はお仕事小説が大好きだ。
自分の知らないお仕事の裏側を知るのがたまらない。
好奇心が満たされる。
バックヤードは、タイトル通りアパレルの在庫管理の話である。
「え、そんなところが小説になるの?」という驚きから読んだけど、
ちゃんと小説になるからすごい。
華やかなアパレルの世界の裏側は、そうなってるんだ、と。
そりゃ、スタッフはほぼ女性だから、バックヤードもそうだよなぁ。
背が高いのはモデルとして有利なのはもちろんだけど、
「高い所に手が届く」から裏方としても優秀、って設定は笑った。
もう一つ、このお話がお気に入りだった理由があって、
話のモデルとなっている駅ビル、私がよく行くところなのね。
なんなら、先週末も行った。(天〇寺駅)
なので、店の様子がものすごくイメージしやすかった。
ああ、この店は華やかな表側の裏で、バックヤードではあおいみたいな子が
働いているのかなぁ、と想像できて。w
ラストの展開は、「さすが」といった感じの王道。
モデルとの二刀流だもんなぁ、と。
ただ、前作があるので、そちらからの流れを踏まえていた方が
わかりやすいとは思う。でも、王道だよね。面白かった。
こちらは、オールカテゴリー部門。
AIによる掌編小説なんだけど、ちょっとした謎解き。
作者の綾里がNotoに 「1つのテーマ(1単語)」 を渡します。
そのテーマは物語の中で直接明示されることはなく、
比喩・構造・語感・モチーフ としてそっと埋め込まれます。
読者の方には、「この物語の奥に潜むテーマ(1単語)は何か?」
を探しながら読んでいただく、そして当てていただく──
そんな“考える読書体験”を目指しています。
一つのテーマをAIに渡して、そのテーマに関する物語を書いてもらう。
でも、テーマは明示してはいけない、というルール。
読者は、その掌編を読んで「もとになった単語は何か?」を
推理、予想するというお遊びだ。
掌編としても成立しているし、さらにクイズも楽しめる、
という、一粒で二度おいしい構成になっている。
AIを使った遊びは、私もいろいろとやっているけれども、
AIを使ったミステリー?としてこういうのもあるんだな、と。
謎の難易度がちょうどよくて面白い、と思った。
ただ、たぶん、めちゃくちゃ調整してると思うよ。w
私がやるなら、10篇くらいさくさくと作ってもらって、
その中でもっとも出来がよいのものを1つ選んで。
さらにその1篇をブラッシュアップする、かな。
たぶん、その過程すら面白いと思う。
あまりにも簡単すぎるのを出して来たら、
「なめとんのかこらぁ!」って突っ込みたい。
その逆もあると思う。
「人間にそんなの理解できる訳ないだろ!」みたいな。w
こちらは、アドラーさんの作品で薬剤師のお仕事小説。
これは見つけた瞬間、え、うそ?って思った。
私と同じこと考えてる人がいた!って。
私も、薬剤師のお仕事小説を創作大賞に出してるんだよね。
ここまでネタかぶることあるのか?ってww
アドラーさんは、noteを見る限りAIの活用法を主戦場にしている薬剤師さんだ。
でも、いやいや、この小説もすごいよ。めちゃくちゃ重厚な小説なんだよね。もちろん、本職の薬剤師さんだからお仕事部分の描写は完璧だし。
でも、同じような作品を書いても、作者によって全然違うなぁ、という印象。私じゃこういう作品は書けないと思う。
そこまで重厚な話を書くメンタルがない。(苦笑)
ただ、同じ薬剤師で、同じく薬剤師お仕事小説を作った人間としては、
「私が一番、この話を楽しめた!」のは間違いないと思う。
うーわ、こんなの書けるんだ、すごいなぁ、とか。
あ、こんな展開にするんだ、なるほどーとか。
作者の手の内まで予想しながら読めるのは、
同じ「薬剤師お仕事小説書き」しかいないだろう。w
一番すごいな、と思うのは、
この人、おそらくこれが初めての小説なんだよね……。
最初の一作目で、ここまでの長編を書けるものなのか?
裏でたくさん練習していたのか、それともAIがすごすぎるのか。
たぶん、その両方かなぁ、と。
同じ「薬剤師による薬剤師のお仕事小説」でも、
ここまで違うものができあがるのは、作家の個性だよね、と思った。
Nagaさんによるお仕事小説で、
こちらはなんと、財務官僚というガッチガチの硬派だ。
いや、そんなとこ書ける人なんているの!?
これは、読まねば……。
私は、経済にもそれなりに興味があるんだけれども、
この分野だけは、正直、勉強してもわからない。
人によって言ってることが全く違うんだもん。
日銀による国債の買い入れとかね。当時は、あんなの言語道断だ、大変なことになる、という声も大きかったように思う。
でも、結果的には反対派が問題にしたようなことは起きてない?
少なくとも、表面化するほどひどい問題にはなってないよね。
ということは、誰もやってなかったけど、実はうまい抜け道だった、
ということか。
これは一例だけど、経済の話って、本当にわからないのよ。
消費税にしても、昔は上げることが絶対に必要だと思っていた。
だって、どう考えても税収足りないんだもん。
でも、今はむしろ消費減税の方がメジャーだよね。
あの時の増税派はどこにいったのやら。w
で、この作品はそういう国家予算や経済の話を、
「できるだけわかりやすく小説で」書いてくれている。
まず、そのチャレンジだけで素晴らしいと思う。
経済の難しい本に書いてあるような内容を小説にするなんて!
さすがに誰にでもわかるレベルの話ではないと思うけど、
それでも、この作品、めちゃくちゃ読まれてるんだよね。
お仕事小説は、わかりやすいエンタメでなくても成立する、
ということを証明してくれているような作品だと思う。
みくまゆたん さんの書かれたエッセイストお仕事小説。
これぞ、note(TALES)にふさわしい作品じゃないだろうか。
ライターとしてのしんどさ、辛さ。
エッセイストとして読まれないこと。読者に届く文章とは。
とにかく「書かずにはいられない人たち」の話。
でも、売れるためには言葉を届けるべき読者が必要。
この辺の考え方は、物書きとして非常に共感できる。
私は、小説もそうでない文章もいろいろ書いているけど、
基本的に想定読者は「自分自身」なんだよね。
自分が後で読んで面白い文章を書くクセがついている。
だから、自分以外の人がそれをどう読むかまで
想像できないんだ。
でも、それじゃぁ人に読んでもらえないんだ。当たり前。
売れるためには、読んでもらうためにはもっと表現を磨かないと。
もっともっと、技術を上げないといけない。
お話としては、純愛作品でもあるんだけど、
この主人公二人の関係は、本当にすごいね。
お互いが、お互いにエッセイストとして共感、尊敬していて。
いやー、夢でしょ、そんな関係。
私は読書家だけど、読書家の友達探すだけでも大変。
それなのに、物書きの友達ってなおさら大変だよ。
でも、いたらすごく楽しいと思った。
さて、今回、とりあえず6作品紹介してみた。
まだまだ創作大賞応募作品で読みたいのもあるし、
読んでるのもあるから、もう一回くらい感想集を書く予定。
今回、紹介しきれなかった人の分もそちらで書くので、
お楽しみに。
