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難しい!だけど着てみたい⁉データからみる「着物離れ」対策のヒントとは?

先日浅草に行ったら、レンタル浴衣で町散策を楽しんでいる若者がたくさんいて驚きました。

この和服レンタルサービスはわたしが学生の頃から(約15年程前、、)徐々に人気が出てきたような印象がありますが、現代は店舗数や利用者がさらに増え、若者や海外からきた旅行者の方々が着物や浴衣を着て写真を撮ったりSNSにアップしたりして楽しんでいる様子をよく見かけるようになりました。

関東でいうと浅草や川越には当たり前のように”和服をレンタルする人”が出没していますし、数年前に行った軽井沢や石川、京都にも多くの”和服レンタル者”がいました。

一方で、普段も電車や街中で和服を着ている人(マダムたちではなく若い世代で)を見かける機会が増えた気がします。

個人的に服飾学校では着付けの選択授業を取っていたし、卒業制作でも着物を使った作品を作ったくらい和服好きな民ですので、和服の人がいるとつい見てしまうくらいには和服熱があります。笑

SNSで着物系のアカウントを見ることも多くなりました。

SNSでは、浴衣や着物の写真をあげると和服警察がどこからともなく現れて、着方がダメだとか、本来の型と違うだとか、結構叩いているのを見るのですが、若い人たちが着てくれなくなったら日本の美しい和服文化が消えてしまうので、ちょっと崩してでも楽しんで着てくれたら嬉しいななんて、私は思うのです。

ということで?笑 今回は和服についてあれこれ語っていきたいと思います!
どういうことで?と思った皆さんも、ぜひお付き合いいただけると嬉しいです!笑

≪Knowns 消費者リサーチについて簡単にご紹介≫


より身近になった和服

着物を普段着として着ていた時代はもはや昔話となり、現在はほとんどの人が洋服を普段着とし、特別なイベントがあれば和装をするようになっています。

では、それを着物離れというのでしょうか?
現代社会にも、和服に対する誇りや愛は日本人のなかに脈々と流れていると思っています。

CommonStyle株式会社が行った調査では、【こういう時は着物がいい!】というアンケートに「冠婚葬祭」や「季節のイベント(初詣、お祭りなど)」「子どもの入学式(入園式)・卒業式(卒園式)」という回答が出ており、【そのようなシチュエーションが訪れたら確実に着物を着ると思いますか】で着るかもしれないと答えた人の割合は約50%という結果でした。

つまり、和装への憧れや機会があれば着たいという思いを持っている人は多いようです。

和服業界はそういった潜在層にむけて働きかける工夫や施策をしていく必要がありそうです。

着物との接点を増やすレンタルサービス

Knowns 消費者リサーチ調べ:ジャンル・レンタルサービスにデータ格納しているブランド一覧

浅草に限定して調べてもかなりのレンタルショップがあるのが現代のレンタル着物市場の実情です。

そのなかでもKnowns 消費者リサーチのデータにあった上記3つのショップについて掘り下げてみます。

リサーチしてみると、
梨花和服は京都をメインに展開していて、振袖や浴衣の取扱いはなく基本観光客をターゲットに着物を貸出しています。

VASARAは観光以外にも、七五三や成人式、結婚式など晴れの日にレンタルできるようなものも多く揃えており、華やかな柄のものが沢山あります。

令和服は、観光目的の方がターゲットですが、梨花と比べると安価でより気軽に着物レンタルが楽しめるプランが豊富です。

Knowns 消費者リサーチ調べ:着物レンタル デモグラ分析 ウェイトバッグあり

デモグラフィック分析では、意外にも男性の利用者が多いという結果に。女性は自分の着物をもっているケースも多いことが影響しているのでしょうか?

結構予想外の数字が出ていたので驚きました。
年齢層では、どのブランドも多いのは20代。街観光や成人式での利用率が現れていると思います。

VASARAは他と比べるとパーセンテージがばらけている印象を受けますが、これは訪問着のレンタルにも力を入れているからかもしれません。結婚式に参列する際や子供や孫の七五三(子供の着物もやってる!取扱い幅広い!)などのタイミングで利用する人も多そうです。

Knowns 消費者リサーチ調べ:着物レンタル サイコグラ分析 ウェイトバッグあり 現在購入

サイコグラフィック分析を比較してみると、数値が高い項目は共通しているものが多く見られました。

上記に気になったものをピックアップしてみましたので、それぞれについてどういう価値観なのか?というのを考えてみました。

自己満完結:他人に共感を求めるよりも着飾ることで自己満足感を得られる
アウトドア派:出かけることが好きでアクティブ
完璧主義→:リサーチや予約をしっかりして当日プロにきれいに着付けしてもらえるよう手配
チャレンジャー:普段はあまり着ないけどせっかくだからとチャレンジしてみる
ジェンダーバイアス:「男らしさ」や「女らしさ」という概念がある(着物はそういう価値観が現れやすいコンテンツなのかも?)
ネタ消費:SNSに上げたい!
レビュー熟考消費:口コミなどを重視してレンタル先を決める

ブランドは違えど、「着物レンタル」という大きな枠組みでサイコグラに統一性が見られました。

Knowns 消費者リサーチ調べ:着物レンタル イメージ分析 ウェイトバッグあり 現在購入

サイコグラでは多くの項目が共通していましたが、イメージ分析では相違点も出てきました。

梨花和服
①期待・ワクワク ②誠実・優雅 ③映え系・いいね
VASARA
インパクト・衝撃的 ②カジュアル・プチリラックス ③知的・クール
令和服
爽快元気・エネルギッシュ ②インパクト・衝撃的 ③安心・安全

各ブランドのサイト掲載画像写真を見ると、イメージ分析にあがっている項目にも納得です。

梨花和服はナチュラル系、レトロ系。VASARAはいろいろなジャンル幅広く揃え、和モダンやダイナミックな柄も豊富。令和服は着物自体はレトロ系や可憐なものが多いですが、ヘアスタイルやコーディネートが今どき・トレンド感。といった感じがします。

そういった特徴をふまえると、
梨花和服→誠実・優雅
VASARA→インパクト・衝撃的
令和服→爽快元気・エネルギッシュ
というイメージにつながりやすいのかなと思います。

ちなみに昨今、楽天で浴衣のレンタルをすることも可能です。便利な世の中ですよねほんとに!(もちろん着物のレンタルも。

うちは下の子の七五三が今年あるのですが親の着物リサーチしていたら、人気のインフルエンサー等も楽天でママの着物を調達している人を結構見かけました!晴れ着需要も◎ですね)

和服が日常着じゃなくなり特別な時に着るようになってから、”写真に残す”という目的意識が生まれました。そして今の若い世代はそこに”映え”という価値観がプラスされています。

そこには記録や思い出を残すという意味の他にも、承認欲求や一種の創作活動というか作品をつくる達成感を求める概念があると思います。

自国の歴史的な服をZ世代が着るようになる現象というのは、ご近所中国でも見られているようです。

SNSを通して世界を近くに感じるようになったことで、逆に自分たちのルーツを知りたくなったり伝統的なものに魅力を感じる心理があるのかもしれません。

和服の魅力に気づいた若者にとって、レンタルは和服を着るハードルをかなり下げてくれています。

和服梨花が行った調査では、【着物の着用に対してどのようなイメージを抱いていますか?】という質問に対して「着付けが難しいと感じる」や「動きにくく利便性が悪いと感じる」、「常識・ルールが難しいと感じる」等の着用時の障壁になっていると思われる回答が多く見られました。

また、【今後着るとしたらどのような着物を着てみたいですか?】という質問には、「着付けが簡単なもの」、「動きやすいもの」、「苦しくないもの」、「現代風にアレンジされたもの」といった答えがありました。

レンタルでは、着付けやルールの難しさといったハードルをクリアすることができ、また現代風な着物の取扱いもあり、毎回違うものを着れるのも”映え”ます。

若い世代のニーズを満たしたサービスであることが、人気の理由の一つだと思います。

Knowns 消費者リサーチ調べ:着物レンタルVASARA 商品サービスへの意見
Knowns 消費者リサーチ調べ:着物レンタル梨花和服 商品サービスへの意見
Knowns 消費者リサーチ調べ:浅草着物レンタル令和服 商品サービスへの意見

今すぐ自社・競合の顧客構造を見てみたい方へ

ポリエステル素材でハードルを下げる

ハードルを下げるという意味では、ポリエステルの着物もその役割を担っています。

着た後にクリーニングに出さないと。とか、畳み方が分からない。とか、結構着る前から憂鬱になるような”超えなければいけない壁”があるんですよね。笑

ポリエステルは安いっぽい。とか風を通しにくいから暑い。とかマイナス意見もあるのは事実ですが、”映え”や”雰囲気”を重視するならばアリ。という人が割といるのも事実。

ワンピース・セパレート浴衣で着易さを

こちらもポリエステルの着物と同じように、”本物”を知っているような方々からは疑問の声があがったりもしていますが、(実際私も浴衣はピシッと着付けて着たい!と思っていた派ですが)最近のこの暑さではワンピース・セパレート浴衣ってかなり機能的なのでは?と思い始めました。(特に子供!)

浴衣らしき姿で写真を撮った後は上は脱いでワンピースになる。ということができると、「せっかくだからお祭りで着たいとおもっていたけれど暑くて着れない。」なんて断念しなくてもいいし。着付けに自信がなくても誰でも簡単に着られますもん♪
参考:楽天検索結果

時代によって新型バージョンが広まるのは、自然なことですし「進化」とも言えます。
紙の良さもあればデジタルの良さもある。現代社会ってそういうものなのではないかと思います!

和服を広める活動

KIMONO anne

KIMONOanneという雑誌を知っていますでしょうか?もとはKIMONO道KIMONO姫KIMONO anneと生まれ変わりながら続いてきました。

私自身KIMONO姫時代に大ハマりし全巻買いました笑
特に好きだったのがこの↓ページにある蒼井優さんのこの表紙!!

肩から上を見たら当時はやっていた”森ガール”のようで、でもドットとレースのポップな”ツモリチサトの浴衣”みたいで、そこに成人式のような帯。いろんな要素てんこ盛りなのにまとまっている。「なんだこの天才スタイリング!」と感動したものでした。

KIMONO姫のモットーは着物の入り口に立ち続ける

KIMONO姫ではずっと「着物の入り口に立ち続ける」をポリシーに、それまで着物に興味がなかった人が恋に落ちてくれたらという意図で作っていました。それは現在でも変わらずですが、改めて着物は特別なものではなく、人生の彩の一つであり、様々な楽しみ方ができ、単なる着るものというだけではなく、豊かに生きることができるツールなのだということを伝えていきたいと思っています。」

キモノビジン

KIMONO姫を見つけた時、まさに↑の製作者の意図通りわたしは一瞬で魅了され恋に落ちました。

そして現在のKIMONO anneのコンセプトがこちら。

「着物」のはじめては「KIMONOanne.」から。「着物」ってなんか怖いし難しそう、でもおしゃれは大好き!
…そんな着物初心者向けに楽しい着物への道案内をいたします。
ファッションに対して感度が高く、ちょっと個性を出したい皆様へお届けします! 

TAC出版書籍販売サイト

やはり着物の世界に手招きするような立ち位置です。
入りたてのバイトで優しく教えてくれるバイトリーダーのような。笑

紙媒体が売れなくなってきている中でもこうやって残してくれていて、昔のファンとしては大歓喜です。(どの立場だよ笑)

やはりこの世界観を作る上でかかせないのがスタイリストの力。
柄×柄のコーデや補色(色相環で反対に位置する色=赤×緑、オレンジ×青、黄×紫等)を合わせてみたり、洋服より自由度が高いとおもいきや、素材の格やTPOによってのルールが細かかったりと何かと難しい和服のコーディネート。

KIMONO姫時代から雑誌を支えるスタイリストさんを2名ほど紹介させてください。

相澤樹さん

相澤さんは、ご自身のファッションを見てもわかるように派手!柄!カラフル!インパクト大なスタイリングをします。

作品はキッチュな世界観のものが多いですが、ゴスロリなども得意!デカワンコという多部未華子さん主演のドラマのスタイリストも務めていました。

https://www.instagram.com/p/Cl3h0dRpKCv/

大森伃佑子さん

KIMONO姫を作るにあたって、自分の中でどうしても作りたいビジュアルがありまして。それを実現してくれるのは、スタイリストの大森伃佑子さんしかいないと思い込んでおりました。

YAMATO KIMONO LIBRARY

と、編集者(なんと担当はひとり。企画から校正、なにからなにまでひとりでやってあのクオリティで出していたとは衝撃的)熱烈ラブコールにより起用されていたスタイリストさん。

相澤さんとはまたタイプが違って、大森さんはガーリーだけど大人っぽい。アンティーク。レトロ。

そんなイメージのスタイリングを組む方です。

元々は着物にゆかりはなく、ファッション史に名を残す伝説のモード誌OLIVEのスタイリストとして活躍されたキャリアがあります。

が、KIMONO姫と出会って着物の勉強をしながらスタイリストをする中で大森さん自身も着物に魅了され、”沼って”いったようです。

やまと・DOUBLE MASON

そんな大森さんが立ち上げたブランドがDOUBLE MAISONです。

ドゥーブルメゾンでは、着物と洋服を「身につけるもの」という大きな視点をもって従来のルールに制約されない生きたコーディネートを提案していきます。年齢や時代、場所といった境を超え洋服と着物の垣根から自由になっておしゃれが大好きな永遠の女の子たちの夢を共有するクローゼットでありたいと思います。

DOUBLE MAISON HP

このブランドもまた、洋服と和服の境界をなくすという点で入口的存在または和服の普及を促す存在と言えると思います。

ただ!!残念なことに去年から休業に入ってしまっているのです、、、新作は出ていませんが購入することはできる状態です!(オンラインショップはこちら

Knowns 消費者リサーチ調べ:doublemaison デモグラ分析 ウェイトバッグあり 現在購入

購入経験者は女性の方が10%程度男性を上回っています。

年齢層では30代(30代前半がガクッと下がっていますが、ニッチなブランドで認知度が高いわけではないので回答数が少ないことが影響しています。)

から40代前半までがコアゾーン。可愛らしいデザインや少し個性的で若さを感じるようなものも多いですが、価格帯を見ると着物が5万円前後、総レースのものだと10万円近くするので、20代にはすこし手が出しにくいかもしれません。

Knowns 消費者リサーチ調べ:doublemaison サイコグラ分析 ウェイトバッグあり 現在購入

サイコグラフィック分析で気になった項目は下記の通りです。DOUBLE MASONとそれぞれの価値観を照らし合わせてみると、、

・個人価値観
安定志向:=保守的といった意味もあると思うのですが、他の項目にチャレンジャーやイノベーター消費といった対になるようなキーワードがあるので興味深い。
チャレンジャー:前例にとらわれず、固執せず、新しいことを楽しむ精神がある
モノ重視:このブランドを集めたくなる気持ちわかる!オンリーワンのセンスを感じる。
強心臓:周りにあまり流されず進んでいける強さがある
ジェンダーバイアス:着物レンタルの顧客価値観でも高かった項目。和装好きが持ち合わせている価値観と言えそう。

・消費価値観
ハラオチ型消費:このブランドのデザイン、価格、世界観、スタイリスト。様々なポイントに納得感をもって利用している
ステータス消費:知る人ぞ知るハイセンスなブランドだし、OLIVE時代に大活躍していたスタイリストのブランドを着ていることにステータスを感じる
自己満足消費:わからない人には分からなくていい。自分が好きだから着ている。というマインド
ノスタルジー消費:学生時代に憧れた世界観を感じている?(KIMONO姫とか装苑とか、、)
ブランド消費:品質やデザイン性などに一定の信頼を置いている
イノベーター消費:チャレンジャーと共通する部分がある。人の真似より自分が試したい。

Knowns 消費者リサーチ調べ:doublemaison イメージ分析 ウェイトバッグ 現在購入

イメージ分析では利便・合理性が一番高いパーセンテージを占めているのが意外でした。考えてみれば、高級で扱いにくい和装を洋服のように楽しめるものとして提案しているので、便利と捉えることもできそうです。

インパクト・衝撃的爽快元気・エネルギッシュなイメージに関しては、出しているアイテムはフェミニン・大人っぽいものが中心でありながら伝統的な和装とはちがった新しい形なので、ある意味和装業界に一石を投じるような存在なのかもしれません。

ものづくりやブランド運営にも一本強い芯があるような印象があります。その点は孤高・問題意識があるというイメージにつながるかもしれませんね。

このショップを運営しているやまとは、他にも”今どき”な着物ブランドをいくつか抱えています。

KIMONO by NADESHIKO 20代女性和装に慣れていない層へ向けて
Y. & SONS メンズ着物テーラー
THE YARD きもののあるライフスタイルを提案

Knowns 消費者リサーチ調べ:きものブランド デモグラ分析 ウェイトバッグあり 現在購入

年齢層はどのブランドも30‐40代が中心の様です。着物が何百万という次元の百貨店や呉服屋さんよりはかなり安価なものの、ファストファッションが身近な若者にとってはやはり購入まで至るハードルがある程度高いことが伺えます。

けれど、どのブランドからも和服の新しい提案がたくさん見られてとても面白いです!
ぜひのぞいてみてください!

KIMONO by NADESHIKO(@kimonobynadeshiko) • Instagram写真と動画
Y. & SONS ONLINE STORE
THE YARD(@theyard_jp) • Instagram写真と動画

これからの市場

着物市場 参考資料
着物市場は一度かなり落ち込み衰退期と言われる期間が続きました。けれど今、新たに和装に興味を持つ人が増えている=導入期だとこの資料では語っています。

確かに、前半で触れた和装のハードルを下げるような商品やサービスが広まったり、着物をたくさん持っていたおばあちゃんたちが亡くなって孫やその世代の手へ渡ったり(リサイクルショップ等)着物市場には新しい動きがあるとわたしもなんとなく感じているのも事実です。

これからの着物市場を考えると、大きく分けて3つのジャンル・ターゲットに分かれるのかなと考えました。

伝統を守っていく高級和装

ひとつめは、従来の和服のイメージ通り高級で伝統的な和装。反物で購入して自分のサイズに仕立てるような、所謂お金持ちマダムたちが購入層になるでしょう。

反物を仕立ててもらうとさらに上図のように(これは一例)追加で料金がかかりますし、時間もかかります。反物で買い物をするような方は時間にもお金にも余裕があり、保管や手入れもしっかりできる環境があるということです。(保管場所や自身の知識や経験orプロに頼むなど)

現代の日本人が、皆がそれに当てはまるとはなかなか言えませんのでターゲットは狭いですが顧客単価が高い。といった世界です。

セレブターゲットという枠では、スターブランドも高級・伝統ジャンルの仲間に入れられると思います。(伝統を重んじながら新しい和服を提案している)

私はファッション業界に身を置いていた頃は、東京ファッションウィーク(パリコレの東京版みたいなもの)でショーを取材したりしていたのですが、和服ブランドのショーを見に来るような熱烈な顧客の方々はみんなピシッとかっこよく着物をきて、話し方や仕草が上品で、結構本気で「違う世界の人たちだ」と感じたのを覚えています。笑

YOSHIKIMONO
スター和服ブランドといえばYOSHIKIさんが手がけるYOSHIKIMONO。(実はご実家が呉服屋さんだそうです!)現在はファッションウィークには出ていないようですが、私が見たショーではあの透明なグランドピアノで生YOSHIKIさんが演奏されていました!

ランウェイに出てきたルックも着物だけでなく着物の生地で作ったドレスなどもあり華やかでした。

インパクト激強です。「伝統と革新の融合」をコンセプトとしているだけあります。そして結構高いですよね。新しい和服と言っても若者世代にはやはり難しい。お金持ちやインバウンド向けと感じます。

若者と手軽さ

2つめが若者ターゲットの和装です。今既に和服から離れてしまった層を、どう取り込むかということが、着物市場が今後成長していくには必要です。そのためには安価で手軽なものを供給しなければ、なかなか若者には届かないのではないかと思います。

また、来週の花火大会で着よう!なんて急に決まることもあるのでネットですぐ買えて、数日で家につくことも意外と重要なのではないかなんて思ったりもします。
和服のファストファッション化ともいえるかもしれません。

また、もっと自由に楽しめるようになることも大切だと思います。
伝統や型をくずして楽しんだり、洋服×和服のスタイリングだってアリ。と世の中が寛大になると、若い子たちも”着物警察”を気にせず気軽に”ファッション”として取り入れやすいのではないでしょうか。

https://www.instagram.com/sankak_kimono/

日常に取り入れようと思えば取り入れやすいというのもまた、着物の特徴だとも思うのです。(みなさんはどう思いますか?)

そして、誇り。これも大事な要素です。若者が日本の伝統文化に誇りやリスペクトをもって着てくれたら、衰退市場と言われていた着物市場にとって大きな希望になると思います。

きれいに着るのはもちろん素敵だけど、日本の着物文化を死なせないためには着物警察の厳しい目を気にせず楽しんでくれる若い世代も重要な存在です。

インバウンド需要に向けて

3つめが、今の日本にとって無視できない、インバウンド向けの和服。
冒頭で浅草に行った話をしましたが、本当に外国人観光客が多いです。そしてその方々もレンタル浴衣を着て写真撮影している姿を結構見かけました。

4月の終わりに根津神社のつつじ祭りに行きましたが、アンティーク屋さん?的なお店がテントで出ていました。昔のレコードやおもちゃと並んで着物や帯もたくさん売っていました。お客さんを見るとほぼ外国人観光客でした。それだけ、”KIMONO”に興味があるんだなと少し嬉しかったです。

KIMONO展の記事 Yahoo
2022年にはパリで「KIMONO展」が開かれたり

https://www2.hm.com/fr_fr/productpage.0619403001.html?srsltid=AfmBOoo1eNICn4qNJUtsO7Ur-uX3mE03AlY8hMY15wHg-nZVgXk_jQPN

Kimonoガウンが人気だったり。

昔々(19世紀後半)、西洋に日本文化が伝わったころにはジャポニズムという西洋美術史でも大きなムーブメントがあり、着物が流行ったという歴史もあります。

きっと和服には時代を問わず、人を魅了する力があるんですね。(そう思うと普段全くそんなこと考えないのに、というかどちらかというと海外に憧ればかり抱いているタイプなのに、急に愛国心が湧いてきます。笑)

先ほどYOSHIKIMONOを高級和装のジャンルで紹介しましたが、YOSHIKIさんは海外の方にも着てほしいという思いで作っています。

守るべき伝統と取り入れるべき新しいものの両方を意識し、テーマに掲げるのは『伝統と革新の融合』。日本国内で低迷を続ける着物業界に革新的なデザインを持ち込み、業界全体の活性化に大きく貢献し評価されている。 YOSHIKIが表現する、“静”と“動”の相反する世界観には、今世界中から多くの注目が集まっている。

YOSHIKIMONO HP


JOTARO SAITO
デザイナーは京都出身。祖父は染織作家、父は着物作家。
2017年にGINZA SIXに直営店をオープンしています。

GINZA SIXの取り組みとその成果

銀座シックスにくるお客さんはインバウンドの割合が高いため、JOTARO SAITOにもインバウンドからの需要が期待されていると思います。(このページで、銀座シックスから出店オファーがあったと話していました!)

新たなチャレンジに対して、邪道だとか下品だとか心無い言葉を発する人もいますよね。
でも、決して歴史や伝統、文化を否定しているわけじゃないことは見ればわかると思います。

高級和装も、ファストファッション化された和装も、革新的な和装も、外国文化と融合した和装も、それぞれがそれぞれをリスペクトして、それれぞれに発展していけたら、もっと世界中でKIMONOやキモノや着物が見られるのではないかと思うのです!(個人的にそれって眼福♡です笑)

Knowns 消費者リサーチを使った資料を見てみたい方へ

まとめ

和服ブームについて結構いろいろな角度から見てきた今回の記事なんですが、それぞれの段落を簡単にまとめておきます。
より身近になった和服
・レンタル、ポリ素材、ワンピース・セパレート型など
・着物レンタルサービスとしてとりあげた3ブランドの分析(デモグラ、サイコグラには共通点が多くイメージ分析には違いが見られた)
 →デモグラ:男性の利用も多く、20代中心
 →サイコグラ:自己満完結アウトドア派完璧主義チャレンジャージェンダーバイアスネ    タ消費レビュー熟考消費等
 →イメージ:梨花和服=誠実・優雅、VASARA=インパクト・衝撃的、令和服=爽快元気・エネルギッ  シュ
和服を広める活動
・KIMONO anne、KIMONO姫→和装の入り口になる存在
・KIMONO姫のスタイリストが立ち上げたブランド:DOUBLE MAISON
 →デモグラ:女性顧客が多い。30代から40代前半までがボリュームゾーン
 →サイコグラ:好奇心旺盛こだわりのある人が多い。
 →イメージ:利便・合理性インパクト・衝撃的爽快元気・エネルギッシュ孤高・問題意識がある
・やまと所属のブランドたち:KIMONO by NADESHIKO、Y. & SONS、THE YARD
 →男性の方が女性より多く、30‐40代中心
これからの市場
・伝統を守っていく高級和装
・若者向けのハードルを下げた和装
・インバウンド需要にこたえる和装

以前にも増して、海外から沢山の観光客が来るようになった日本。前は、日本に来る外国人の友人に「日本に着たら着物の人がたくさんいると思ってる?そんなことないからー!」と言っていた私ですが、その頃に比べると本当に和装をしている人が増えたという肌感覚があります。

日本が誇る着物や浴衣を、老若男女の日本人が楽しんで、それを海外の方に素敵と思ってもらえたらとても嬉しくないですか?
そんなことを思って最近の着物ブームを見ている筆者なのでした。

和服熱にまかせて書いたらけっこうボリューミーになってしまいましたが、最後まで読んでくださりありがとうございます!

筆者のひとこと

がしかし夏が暑すぎましたよね。浴衣着たい気持ちはずーっと胸の中にあり、子供の浴衣を今年は用意してみたのですが、、、ちょっと着れたもんじゃない。

10月くらいまで浴衣を楽しめると思えばいいのか?笑

今年は下の子3歳なので七五三がありました。(長女は今年5歳だけど便乗して着物を着せました)

和モダンなすっごくかわいいスタジオを見つけて手配して、好みのスタイリングにわたし大歓喜でした!笑

アンティーク着物が好みすぎて!7歳の着物は大人っぽい黒のものをおさがりでいただいたので、この雰囲気で撮るなら今年しかタイミングない!と思わず予約してしまいました。

気温や天気の心配はあるけれど、着物を着てヘアメイクしてもらった娘たちを見るのがとっても楽しみです!


≪本記事は新しいバージョンのダッシュボードを利用しております≫

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