成長加速化補助金 3次公募は9月29日から。上限5億円の入口は2つ
補助金の話で「上限5億円」と聞くと、どこか他人事に感じてしまうかもしれません。ただ、この制度に関しては金額の大きさより先に確かめるべきことがあります。それは、自社がそもそも土俵に乗っているかどうかです。中小企業成長加速化補助金の3次公募が、9月29日から始まります。この記事では、申請条件と、外れたときの乗り換え先までを整理します。
まずは3次公募のスケジュールから
中小企業庁は2026年8月20日に、中小企業成長加速化補助金の3次公募の公募要領を公開しました。スケジュールは次のとおりです。
公募開始:2026年8月20日(木)
申請受付開始:2026年9月29日(火)
申請締切:2026年10月29日(木)15:00
採択発表:2027年3月下旬以降
ここで一つ、見落としやすい点があります。締切時刻が15時であることです。
他の補助金は17時や18時の締切が多いため、感覚で「夕方までなら大丈夫だろう」と考えていると間に合いません。申請システムは締切直前に混み合いますので、前日までに提出を終えておくつもりで動いてください。
また、採択発表は2027年3月下旬以降です。申請から結果が出るまで、5ヶ月ほどかかります。資金計画を立てるときは、この待ち時間も織り込んでおく必要があります。
この補助金が狙っているもの
中小企業庁の説明によれば、この制度の目的は、将来の売上高100億円を目指して大胆な投資を進めようとする中小企業者の取組を支援することにあります。
背景として挙げられているのは、賃上げ率と国内投資がともに30年ぶりの高水準にあるという状況です。そのうえで、地域にインパクトのある成長企業を創出していくことが重要だ、という考え方が示されています。
売上高が100億円に及ぶ企業は、一般的に賃金水準が高く、輸出による外需の獲得やサプライチェーンへの波及効果も大きいとされています。地域経済への影響が大きい企業を、投資の面から後押しする制度だと理解すると分かりやすいはずです。
制度の骨格は次のようになっています。
補助上限額:5億円
補助率:1/2
補助事業実施期間:交付決定日から24ヶ月以内
補助率が1/2ですので、上限いっぱいの5億円を受け取るには、10億円規模の投資が前提になります。金額の大きさは、そのまま自己負担の大きさでもあります。
自社が土俵に乗るかを、先に判定してください
ここがこの記事の本題です。公募要領を読み込む前に、次の3点を確認してください。
投資額が1億円以上あるか:専門家経費と外注費を除いた補助対象経費で、1億円以上の投資が求められます。
100億宣言を行っているか:売上高100億円を目指す宣言を済ませていることが要件になっています。
賃上げ要件を満たせるか:このほかにも賃上げに関する要件が設定されています。
とくに1番と2番は、後から慌てて用意できるものではありません。逆に言えば、この2つが揃っているなら、申請を検討する価値は十分にあります。
補助対象となる経費は、次のとおりです。
建物費
機械装置等費
ソフトウェア費
外注費
専門家経費
注目したいのは、建物費が対象に入っていることです。補助金の多くは設備やシステムが中心で、建物そのものは対象外というケースが少なくありません。工場や物流拠点の新設・増築を考えている会社にとって、この点は大きな意味を持ちます。
なお、対象者の要件や賃上げ要件の細かい条件は、公募回ごとに見直されることがあります。最終的な判断は、必ず公募要領そのものでご確認ください。
100億宣言は、申請の前提になります
意外と知られていませんが、100億宣言は補助金の申請書とは別の手続きです。売上高100億円を目指すことを対外的に宣言する取組で、専用のポータルサイトから登録します。
つまり、この補助金は「宣言をしてから申請する」という二段構えになっています。宣言をしていない状態で公募要領を読み込んでも、入口の前で止まってしまうということです。
まだ宣言をしていない場合、9月29日の申請開始までにこの手続きを終えられるかどうかが最初の関門になります。時間が読めない部分ですので、真っ先に着手してください。
外れていた場合の、乗り換え先
投資額1億円という条件で外れる会社は、少なくないはずです。その場合は、時間を無駄にせず、別の制度に切り替えたほうが早く進みます。
2026年9月末から11月上旬にかけての、主な締切は次のとおりです。
デジタル化・AI導入補助金 第5次締切:9月29日(火)17:00
小規模事業者持続化補助金〈共同・協業型〉第3回締切:9月30日(水)17:00
新事業進出・ものづくり補助金 第1回:9月30日(水)申請開始、10月30日(金)締切
中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回:9月中旬申請開始、10月中旬締切(いずれも予定)
事業承継・M&A補助金 十六次:10月2日(金)申請開始、11月6日(金)17:00締切
選び方の軸は、投資規模で考えるのが分かりやすいと思います。数億円規模の設備投資や拠点新設なら成長加速化補助金、数百万円から数千万円の設備・システム導入なら新事業進出・ものづくり補助金や省力化投資補助金、ソフトウェア中心ならデジタル化・AI導入補助金、という整理です。
複数に同時に出そうとすると、事業計画がどれも薄くなります。1つに絞ってください。
なお、どの制度に出す場合でも、電子申請に必要なGビズIDプライムのアカウントは共通で必要になります。発行までに日数がかかることがありますので、制度選びと並行して、取得状況だけは先に確認しておいてください。申請書を書く作業そのものより、こうした事前手続きのほうが時間を読みにくいものです。ここで止まると、せっかく絞り込んだ制度にも間に合わなくなります。
まとめ
中小企業成長加速化補助金 3次公募は、9月29日申請開始・10月29日15時締切です。補助上限は5億円、補助率は1/2。ただし投資額1億円以上と100億宣言という入口があります。
今日やることを1つだけ決めるなら、自社が100億宣言をしているかどうかの確認です。していないなら、申請を検討する前にそこから始まります。していれば、残り時間は事業計画に使えます。
参考にした一次情報は、下記のとおりです。https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260820001.html
https://seisansei.smrj.go.jp/subsidy_info/schedule.html
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo.html
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