第2章④増やすことより、「壊れない使い方」を考え始めた
③まで書いてきたのは、
お金そのものの話というより、
お金と自分の距離の話でした。
増えているのに安心できない。
立ち位置ばかり気にしてしまう。
そんな状態のまま、
さらに増やそうとしても、
たぶん何も変わらない。
うすうす、
そう感じていました。
足りなかったのは、「増やし方」ではなかった
本やSNSには、
増やす方法がいくらでもあります。
どの銘柄がいいか。
どのタイミングがいいか。
どれくらい積み立てればいいか。
知識としては、
十分すぎるほど持っていました。
でも、
安心だけは増えませんでした。
今になって思うのは、
足りなかったのは
増やし方ではなく、使い方でした。
使い方を考えたことがなかった
いくら貯めるかは考えても、
どう使うかは、
ほとんど考えたことがありませんでした。
将来のため。
もしものため。
なんとなく不安だから。
理由はいつも、
「先送り」ばかり。
使うことは、
どこかで
負けのような気がしていました。
でも、本当に怖かったのは別のことだった
あるとき、
ふと思いました。
もし、
十分に増えたとしても。
そのお金を、
安心して使えないまま年を取ったら
どうなるんだろう。
増やすことだけ続けて、
使う感覚を持たないまま、
時間だけが過ぎていく。
それが、
一番怖い気がしました。
「壊れない使い方」という発想
それから少しずつ、
考え方が変わり始めました。
増やすか、使うか。
その二択ではなく、
使っても壊れない形はないか。
生活が崩れない。
将来の選択肢も減らない。
それでも、今の時間をちゃんと使える。
そんな
バランスの取り方を、
初めて考え始めました。
大きな決断ではなく、小さな感覚から
何かを一気に変えたわけではありません。
収入も、支出も、
すぐには変わらない。
でも、
お金を見るときの感覚だけが、
少しずつ変わっていきました。
増えたかどうかより、
どう生きているかを
前より考えるようになりました。
この回で残しておきたいこと
④で書きたかったのは、
節約の話でも、
投資の話でもありません。
お金を「守る」だけの状態から、
「使い方を選ぶ」状態へ変わる瞬間の話です。
この感覚を持てたことで、
ようやく私は、
お金に振り回される場所から、
少しだけ外に出られた気がしました。
次の回では、
私が実際にやめた
いくつかのお金の使い方について書きます。
大きな話ではなく、
とても小さなことです。
でも、
そこからしか
変わらなかったと思っています。
