DAY8|【再構築】昨日の自分は『天才』だと思った。今日の僕は『未熟』だと知った。
昨日、僕は「最初の商品が完成した」と豪語しました。
スマホが「ピコン」と鳴り、LINE経由でスプレッドシートの情報が届いたあの瞬間、自分を天才エンジニアか何かだと勘違いしていました。
でも、DAY8。
一晩明けて、自分の作った『商品』を冷めた目で見つめ直したとき、背筋が凍りました。
「……これじゃ、現場では1ミリも通用しない」
収益、当然の0円。
今日僕は「売る」ための足を止め、さらに深く、開発の沼へと潜る決断をしました。
1. 現場のリアルは、理想よりもずっと「泥臭い」
僕が昨日作ったツールは、あくまで「メッセージが送れて、返信が返ってくる」だけのものでした。
でも、僕がいた現場、そして親方たちが戦っている場所は、そんなに単純な世界じゃありません。
「この現場は、交通誘導2級の資格を持った人が1人必要だ」
「この2人は仲が悪いから、同じ現場にはできない」
「Aさんは車を持っていないから、駅から遠い現場には行けない」
僕の作ったツールには、そんな**「現場の血の通った事情」**を考慮する機能なんて、どこにもありませんでした。
ただのメッセージ送信機を現場に持っていっても、「結局、最後は俺が手書きで調整するのかよ」と、親方を余計にガッカリさせるだけです。
今の僕は、表面をなぞっただけの、薄っぺらい道具を作って満足していたんです。
2. 「売る」ことを、一度忘れる。
一刻も早く1円でも稼いで、親を黙らせたい。みさきに美味しいものを食べさせたい。
その焦りは、正直、狂いそうになるほどあります。
リビングで無言で過ごす父の背中を見るたびに、「早く結果を出せ」という幻聴が聞こえてきます。
でも、ここで焦って中途半端なものを世に出したら、僕は一生「二流」のままです。
現場でも、基礎がガタガタな建物は、どれだけ外壁を綺麗にしてもいつか崩れます。
今の僕に必要なのは、100円の小銭を稼ぐことじゃない。
**「現場の親方が腰を抜かすほど、業務が完璧に回る仕組み」**を、この手で完全に作り上げることだ。
僕は、昨日書いたコードの半分をゴミ箱に捨てました。
3. MacBookが熱を帯びるまで
そこから、今日1日の記憶はほとんどありません。
食事中も、風呂の中でも、ずっと「条件分岐」のことばかり考えていました。
「資格、相性、移動距離……これらをどうやってプログラムに判断させるか」
Google Apps Script(GAS)の限界に挑むように、複雑なロジックをいくつも組み合わせていきます。
エラー、エラー、エラー。
昨日までなら発狂していたような真っ赤な警告画面も、今は「ここを越えれば、もっと強くなれる」という道標にしか見えません。
MacBookの底が熱を帯びてくる。それは、僕の脳がフル回転している熱そのもののように感じました。
4. 孤独な闘いと、一筋の光
夕方、みさきから『無理してない?』とLINEが届きました。
昨日の「完成報告」を聞いて喜んでくれていた彼女に、今日になって「やっぱりまだ完成じゃないんだ」と言うのは、少し怖かった。
『ごめん、昨日のはまだおもちゃだった。もっとすごいの作るから、もう少しだけ待ってて』
そう返すと、『りょう君の、そういう妥協しないところ、好きだよ』と返信が来ました。
救われた気がしました。
親も、世間も、今の僕を「ただ遊んでいるニート」としか見ていないかもしれません。
でも、たった一人でも、僕のこの「狂気」を信じてくれる人がいる。それだけで十分でした。
5. DAY8、再起動
今日の収益、0円。
進捗、プロトタイプの全解体と、根本からの再設計。
一歩進んで、二歩下がったような1日かもしれません。
でも、今の僕の目には、昨日よりもずっと鮮明に「本物のゴール」が見えています。
「月100万」を稼ぐのは、僕が「化け物」になってからです。今はまだ、そのための爪を研いでいる最中。
成功して英雄になるか、挫折して笑われるか。
DAY8、終了。
監視者の皆さん、僕の「こだわり」がどこへ向かうのか、もう少しだけ見ていてください。
