【研究室】 社会の厳しさと支援の責任
このお話に出会ってくださり、
ありがとうございます。
私は、子どもたちと関わる仕事をしながら、
日々感じたことや出来事をもとに、
言葉を書いています。
最近、子どもたちと関わる、
私の人生の中で
とても悲しい出来事がありました。
その出来事を通して、
自分の役割や
大切にしていきたいことを
改めて考える時間となりました。
今日は、そのことを書いてみようと思います。
卒業生の男の子のお話です。
彼は
中学生でお母さんと、
支援機関の人に連れられて、
私の前に連れてこられました。
身体の大きな男の子は、
耳にはイヤホン。
ウルトラマンの動画を見ながら、
とても不機嫌そうな顔をしていました。
家では、お母さんとぶつかることが多く、
テレビを壊したり、
ガラスを割ったりするとのことで、
学校にも通っていないということでした。
なので、学校の変わりに、
毎日、放課後等デイサービスに
通うこととなりました。
知的障害があることもあり、
学習は小学生の子用の
キャラクターのドリルを
好んでやっていました。
態度はヤンキー、
でも、
ドリルはキャラクター。
ウルトラマンや、戦隊物の動画を好む。
最初はそのミスマッチに
驚いたのを覚えています。
とにかく態度と機嫌が悪くて、
ゴミ箱を蹴飛ばしたり、
お迎えに行っても寝ていたり…
そこから、彼と向き合う日々が始まりました。
学習に取り組んでも、
運動に取り組んでも、
常にだるそうにしていました。
私に対する態度については
叱りませんでしたが、
他の職員への乱暴な行為や、
言葉については、
叱っていたと思います。
そして、何度もぶつかりました。
わからないことがあると機嫌が悪くなる…
といったレベルではなくて、
ゴミ箱が飛んでいきました…
そのうちだんだん、
もしかしたら、
わからないことが恥ずかしくて、
素直に言えないことで、
こんな態度をとっているのかな??
だとすると、
どうしたら、
間違えるることや
わからないことは
恥ずかしいことではないと
思えるんだろう??
私はそんな風に
考えるようになりました。
そこで、
私がたくさん、
間違える姿、
失敗する姿を見せる
作戦に出ました。
大人の私が問題がわからない…
下手くそなダンスを踊る…
じゃんじゃん、ダサい姿を見せる…
それでもスタッフも含めて、
笑顔溢れる、楽しい時間。
そんな空気を作るようにしました。
そうすると、
だんだん笑顔が増え、
わからないことを
聞いてくれるようになりました。
学校にも、週1回、2回、3回と
通学できるようになり、
一般中学校から
支援学校高等部に進みましたが、
時々はお休みしてしまうものの、
ほぼ、毎日、
通学できるようになっていきました。
家での暴言や暴力も
落ち着いているとのことだったので、
この頃にからは比較的、
安定的に見つめていたように思います。
そして、
高校卒業を迎え、
彼は、B型事業所に進みました。
ある時、彼から電話がありました。
「先生、今日行ってもいい?」
しょっちゅう、
電話はあったのだけれど、
なんとなく、いつもと違うものを感じました。
営業時間を終える時間ではあったものの、
了承しました。
それから、
彼は私のもとへやってきました。
ニコニコして、
何気ない話をして、
彼はおばちゃんと帰っていきました。
それから、私は
相談員さんに電話をしました。
すると、
B型事業所をクビになったと言うのです…
なんで??
理由は、
送迎してくださる方への態度が悪く、
いつも困らせていたこと。
利用者の方とのトラブルで、
椅子を振り上げたということでした…
私は相談員さんに言いました。
確かに態度悪い所がある。
そして、人に迷惑をかけたのなら、
それは、あの子が悪い。
でも、支援が必要な方、
課題がある方が
通える場所ではないんですか??
その問いの答えは、
お金をいただくということは、
働くということは、
他人に迷惑をかけてはいけない。
というものでした。
そして、次の事業所を見つけることは、
なかなか難しい。
一度このような事態となったら、
なかなか受け入れ先が
見つからないとのことでした。
私は何をしていたんだろう…
あの子に必要な力をつけてあげられなかった…
そこから、またしばらくして、
私のもとに、
ショックな知らせが入りました。
彼は、
お母さん、おばちゃんに
暴力をふるい、
警察へ。
その後、
精神科へ移送され、
しばらくは自由のきかない状態で
過ごさなければいけないとのことでした。
暴力の原因は、
お母さんにお出かけのお願いをしたが、
用事があって、
願いを聞けない母さんがそれを断ったため…
私には信じられない内容でした…
本当に私の見ていた彼の話なのでしょうか…
彼はこの後、
自宅に戻ることはないとのことでした…
私は、涙が止まらなかった…
身体から力が抜ける…
何をどう感じて泣いているんだろう?
それでも、
また、
次の日はやってきて、
子どもたちや
保護者さんが、
私を待ってくれている。
社会って
思っている以上に厳しい。
私は今も、
この出来事をどう受け止めたらいいのか、
正直、まだわかりません。
悲しいのか、悔しいのか、
自分を責めているのか…。
いろんな気持ちが混ざっています。
それでも、
私が今思うのは、
行動の奥にある
心のメッセージを見ること。
そして、
気持ちを扱う力を
育てて行くこと。
大人でも
子どもでも、
みんな等しく、
ここが大切なんじゃないかな。
私はそんな風に考えています。
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