【Project Nyaan】背負わせる必要のない責任まで、後輩に背負わせるな【No.06】
やりたいことがありすぎて新作MV制作がなかなか進まない、左官歴10年の女職人こはるです😿
Project Nyaan、ついにおかわり6杯目に突入しました。
もうね、ここまで来たら企画じゃなくて、ただの趣味です。笑
面白くなってきちゃいました🤣
まだ元ネタ小説を読んでいない方は、こちらからどうぞ。
今回取り上げたいのは、
失敗したサクラに向けられた、先輩・新垣さんの言葉です。
> 弁償できるのか。
私自身が頭の片隅に置いていることでもあります。
仕事の重さを理解するためには、必要な視点でもあると思う。
でも私は、この言葉が出てくるタイミングを見て、ハッとしました。
責任の重さは、失敗する前に教えるものだ。
失敗した後に投げつけるものではない。
新人でも、求められる結果は変わらない
サクラは入社して、まだ二か月。
経験も少ない。
お客さまとの細かなやり取りや、
商品の特徴を見抜く力、
現場で起きる違和感への気付き。
お客さまの満足度に繋がる「過程」において、
ベテランと同じような細やかな気遣いができるとは思わない。
ただし、
便器を選び、取り付けられる状態にして、お客さまへ引き渡す。
担当者として求められる「結果」だけ見れば、 新人でもベテランでも求められることは変わらないはずだ。
新人だからできなくても仕方がない。
という話にはならない。
まだ一人で判断できないなら、
経験者の知識を借りる。
自信が持てない部分があるなら、
決定する前に確認する。
分からないことを聞くところまで含めて、
遠回りしてでも結果に結びつけるのが、担当者の仕事。
サクラにも、
立ち止まって確認を求める責任はあったのだと思う。

経験者には、引っ掛かりが見える
一方で、先輩には先輩の役割があるはずだ。
新人が見ても通り過ぎてしまう場所に、
経験者なら引っ掛かることがある。
この便器は、現場の排水に合うのか。
確認した情報は、本当に十分なのか。
新人だけで決めさせてよい部分なのか。
もちろん先輩は、ほかの仕事も請け負っている。
最初から最後まで、後輩の横に立って見張ることはできないだろう。
それでも、
失敗しやすいポイントを押さえたり、
最後に確認すべき場所を示したりすることはできる。
新人には、
分からないなりにゴールを目指す役目がある。
先輩には、
新人には見えにくい穴を補う役目がある。
失敗した時、
どちらか一方だけを切り離して考えることはできない。
失敗する前なら、重さは緊張感に変えられる
もし仕事を任せる前に、
「これを間違えると、お客さまはトイレを使えなくなる。」
「商品代だけでなく、交換や再施工にも費用がかかる。」
「自分がその立場に立ったつもりで、考えてごらん。」
そう伝えていたら、
サクラの動きは変わっていたかもしれません。
ただ言われた商品を注文すればいい。
そう考えるのではなく、
お客さまにとっては、どれほどの仕事を任されているのか。
失敗したら、周りにどれほど大きな負担をかけるのか。
そこまで想像できれば、確認の仕方も慎重になる。
責任の重さは、失敗する前であれば、
確認する理由に変えることができます。
もちろん、怖がらせすぎればかえって動けなくなるけれど。
けれど、何も伝えず、
「とりあえずやってみて」
だけで任せるのとは、行動が変わるかもしれない。
仕事の重みを、なるべく想像しやすい形で渡す。
それが、任せる側に必要な説明なのではないか。
失敗した後に乗せる重さは、人を潰す
では、失敗が起きた後に、
「これだけの費用を弁償できるのか」
と伝えたら、どう受け止められるか。
目の前には、付けられない便器。
余計な仕事を増やした、職人さんの手間。
慎重に確認をするための時間も、とっくに過ぎた。
失った信頼も、取り戻せない。
お客さまを困らせた。
職人さんに怒られた。
どうしよう。
それだけで、十分に焦っているはずだ。
そこへ、
今まで考えたこともなかった重みを、上乗せされる。
自分では支払えない金額や、会社に与えた損害。
それは、足がすくんでしまうような金額かもしれない。
そうなれば、先輩からの注意は、
ただ追い打ちをかけるだけの言葉になってしまう。
失敗前に伝えた重さは、
注意深さに変えられる。
失敗後に投げつけた重さは、
恐怖や罪悪感として押し潰す。
同じ内容でも、 伝える順番が違えば意味は大きく変わってしまう。
先輩の伝えたかったことは、理解はできる。
でも、失敗した後に、
会社全体で背負うべき荷重を、
たったひとりの新人の背中へ乗せる。
そう考えたら、
それがどれだけ無理な負担をかけるかわかるだろう。

反発できる人ばかりではない
サクラは、
自分だけの責任ではない。
先輩にも、確認する役割があったはずだ。
その仕組みを、何となく分かっていたのだと思う。
だから、新垣さんから責任を押し付けられた時、
反発することができた。
でも、誰もがそう思えるわけじゃない。
経験が少なく、
どこまでが自分の役目なのか分からない人なら、
全部、自分が悪い。
会社に大きな損害を与えた。
自分には払えない。
もう、仕事を続けられない。
そこまで考えてしまうかもしれない。
そうなると強い恐怖が、心を支配する。
一歩も動けなくなることだって、あるかもしれない。
怒られる前に隠そう。
できれば報告したくない。
自分で判断するのはやめよう。
もう、辞めてしまおう。
そんな逃げ道を選ぶ可能性だってある。
怖がらせれば責任感が育つわけではない。
むしろ、
「問題に迅速な対応ができない人」にしてしまうかもしれない。

それ以上は、先輩たちの見るべき責任。
起きた後に必要なのは、事実の整理
失敗した後に必要なのは、
責任の重さを追加することではない。
まず、
何が起きたのか。
どこで確認が抜けたのか。
本人は、何を根拠に判断したのか。
先輩や会社は、どこまで把握していたのか。
それらの事実を切り分けること。
そして、
今後の目処や、お客さまへの説明は誰が引き受けるのか。
そういった、今できる対処へ進む。
新人に仕事を任せた以上、
お客さまへの最終対応や損害の回復は、
上司や会社が引き受けるべき仕事だ。
だからといって、
新人に何の責任もないわけではない。
事実を隠さず報告する。
対処に協力する。
自分の判断を振り返る。
次に同じことが起きないよう、確認方法を自分に叩き込む。
そこまでが、新人が向き合うべき責任ではないだろうか。
「誰にでもある」で終わらせない
ミスをした人へのリカバリーも大切だ。
「そんなミス、誰にでもあるよ」
と声をかける人がいる。
もちろん、
落ち込みすぎている人を立て直すために必要な場合もあるし、
問題の大きさによってはそれでいい。
全部背負いすぎたら、次に行けないから。
でも、それだけで終われば、
失敗しても、大したことではない。
軽く流してもらえる。
そう受け取られる可能性もある点については、少し注意すべきだ。
失敗には、
きちんと向き合ってもらわなければならない。
今回、確認が足りなかったこと。
お客さまを困らせたこと。
会社にも負担が出たこと。
そこを、曖昧にするべきではない。
そのうえで、
ここから先の補償や対応は、会社と上司が引き受ける。
今回の失敗から学び、次に繰り返さないことが、
あなたの責任だ。
そう境界を示すのが良いと思う。
失敗を軽く扱って、
自覚すべき責任を奪わない。
でも、
本人が持つ必要のない重さまで背負わせない。
その両方ができれば、理想的だ。

怖くても、死ぬわけではない
今度は、新人だった頃の私として考える。
なんだかんだ言っても、仕事で大きなミスをしたら、
怖くなるのは当然のこと。
あの取り返しがつかない焦りは、
できればそう何度も経験したくはない。
だから、私自身はこう考えている。
「…まぁ、死ぬわけじゃないし」と。
いざとなったら、逃げてもいい。
押しつぶされるほどの負担を乗せられ続けたら、
本当に潰れてしまうから。
そうして、心のどこかで自分を常に許しておくことで、
悲観的に捉えすぎないでいられる。
ここまでは、自分で向き合う部分。
ここから先は、上司と会社が引き受ける部分。
自分でも線引きをして、踏み込まないし、踏み込ませない。
だから、
自分の責任の範囲内では精一杯の謝罪をするし、
いくらでも頭を下げる。
だって、頭を下げても首はもげない。
物理的には。
そして、理不尽な押しつけには反発する。
これは社会的に首をもがれるかもしれないけど。
でも、怖いことは、怖いままでいい。
ただ、
怖くても、死ぬわけではない。
逃げずに向き合えば、次へ持っていける。
そこまで自覚できれば、
ようやく失敗は自分の糧にできるのだと思う。
まとめ
新人だから失敗しても仕方がない、とは思わない。
でも、新人なら失敗することも仕事のうち、とも思う。
仕事なんだから、どこかに責任が発生するのは当たり前のことだ。
そこから逃げてはいけないし、
誰かのせいにしては学ぶ機会が失われる。
でも、背負うべきでない負担を嗅ぎ分けるアンテナは必要だ。
上の立場の人も、それは同じこと。
新人に任せる、ということは、失敗してもリカバリーをする前提でなければならない。
新人の給料をなんで安く設定しているのか、考えればわかる。
ベテランと同じ働きができないからだろう。
それなのに、責任の重さは先輩以上、なんておかしいじゃないか。
背負う必要のないものまで、後輩へ投げつけないでほしい。
責任の重さは、事故の前に並べてみせるものだ。
事故の後に投げつけるものじゃない。
箸休め
潰れそうになった時に、自分を守る境界を引く物語。
責任の押しつけ合いが見苦しい理由――置き去りにされた解決【No.04】
役立たずという言葉から、給料と求められる働きを考える。
責任持ってラクしたい!

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