Photo by
watakirin
詩 月曜日のスケッチ。
まだ開店前のオリジン弁当の前で屈み、メニュー表を見る男。
自分ではない政治家の名前を叫ぶ男。
「よろしくお願いします」
張り上げる声。壁に反響。
エスカレーターを慌ただしく駆け上る男。
ワイシャツの襟には黄色いシミ。
3番線。エスカレーターを上り切った先、閉まる扉。どこからともなく漏れるため息。
真っ黒なベンチ。ところどころ剥げた塗装。
イヤホンを貫通するアナウンス。音量を上げたら耳鳴りがした。
合図は喝采。
皆一様に足を踏み入れる車内。
誰かの首元を照らす太陽。茶色い床面に揺れる影。
電車が揺れるたびに動く。扉も、人も、椅子から垂れた何かの紐も。
アナウンスと共に、扉の前に群がる。
キンコーン、キンコーン、キンコーンという音と共にゆっくりと足を出す。
到着駅。改札の前、立体交差点。
行く者、帰る者。そのどちらも分からない。
分からないまま進んでいく。
誰かの息遣い。上下する肩。背後。薄い気配。
乗り換える。
トロッコは徐々にスピードを上げていく。
駅のホームはたったの10秒で千切れた。
こんなにいい天気なのに、誰も空の青さを見ていない。
