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セッション定番曲その253:Tutu by Miles Davis, Marcus Miller

ファンクセッションの定番曲。重めのグルーヴのファンクです。晩年のマイルスはストレートジャズからは離れてファンクやHip-Hopに接近していました。これも「歌」があります。


ポイント1:Miles Davis

1986年録音。マイルスの晩年の作品。いかにもMarcus Millerらしいベースとアレンジ。懐かしい「オーケストラヒット」が炸裂しています。マイルスらしいミュート・トランペットの響きはポップな感じです。

もはやマイルスに「何か革新的なこと」を期待する人は少なく、元気で演奏し続けてくれればいいや、という雰囲気でしたが、ずっと所属していたコロムビアレコードを離れてワーナーレコードに移籍してまで、本人は自分なりに「最新の音楽シーン」を意識した作品を制作したかったようです。アルバムはグラミー賞を受賞しましたが、マーカスの功績でしょうね。

1960年代末から取り組んでいた「踊れないダンスミュージック」「踊れないファンク」が段々と整理されてきて、聴きやすい/演奏しやすいものに変化していました。ある時期までは付いてきていた古参ファンも「???」と離れていきましたが、むしろ昔に拘らない新しいファンを獲得しつつあったのでしょうか?

こちらは1990年モントルー・ジャズフェスティバルでのライブ録音。翌年9月に亡くなっているので、まさに最晩年の演奏です。電子的な音が飛び交う合間を縫ってマイルスのトランペットは「曲の核」を担っています。

ポイント2:Marcus Miller

2014年ライブ録音。マーカスはこの曲を大事なレパートリーにしています。ギターレス、2ホーン編成でのこの演奏はいかにも2010年代のメロウファンクという雰囲気で、曲調が自由自在に変化していきます。

ポイント3:Al Jarreau

例によって「何でも歌っちゃうオジサン」のAl Jarreauが歌っています。
George Benson, Herbie Hancockが参加した遊び心たっぷりの演奏。歌詞にはあまり意味は無さそうです。

こういう「歌手には縁が無さそうな曲」にどんどん食い込んでいって参加の可能性を作ってくれたAlには感謝ですね。スキャット怪人。


ポイント4:曲の構成とタイトルの意味

メインのリフ(キメを含む)がずっと繰り返されて、ソロパートはループコード。構造的には完全にファンクです。

リードシート例

「Tutu」とは「Desmond Mpilo Tutu(デズモンド・ムピロ・ツツ)」のことで、南アフリカ生まれ、反アパルトヘイトの人権活動家として知られた神学者でした。ノーベル平和賞を受賞しています。

マイルスとの関係は分かりませんが、あらためて注目を集めるキッカケになったのは明らか。密かに支持を示すあたりがいかにもマイルスですね。


ポイント5:様々なバリュエーション

Michel Petrucciani, Lenny White, Marcus Miller、1994年ライブ録音


Juna Serita、2022年ライブ録音


Giacomo Gates、2013年リリース
この人も「何でも歌っちゃうオジサン」でマイルスのインスト曲に歌詞を付けてよく歌っています。


Usagi Group
、2022年ライブ録音
歌入りです。


SOLID STATE DRIVIN’ ORCHESTRA、2025ライブ録音
ビッグバンド演奏


◼️歌詞


You know what makes me smile
It's kicking its groove for miles
It always make me grin
No matter what mood I'm in

A long, long time, We were waiting
A long, long time, Still awaiting
Afraid of, one fail dawn
'Long come tutu
'Long come tutu

Long, long time, Of awaiting
Before the light, We were praying
Afraid of, one fail dawn
'Long come tutu
'Long come tutu



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