セッション定番曲その173:(Our) Love Is Here to Stay
ジャズセッションの定番曲。また「アルファベットのどの項目にあるか迷う」曲名シリーズです。絶対に「Our」が付いていた方が分かりやすいのになぁ。
(歌詞は最下段に掲載)
和訳したものはあちこちのWebサイトに掲載されているので、ここではポイントだけ説明します。
ポイント1:「パリのアメリカ人」
Gene Kelly、1951年の映画のセーヌ川岸(書き割り)のシーンから。
1937年にGeorge Gershwinによって書かれた曲ですが、このシーンは印象的でした。優雅な歌声とダンス。米国のポップカルチャーの粋を集めたようなものでした。
ポイント2:「When Harry Met Sally」
Harry Connick Jr.、1989年の大ヒット映画「When Harry Met Sally」のサントラから。主人公の男女2人がとにかく喋りまくりながら、すれ違い、また出逢い、という洒落た作品でした。Harry Connick Jr.のちょっと気怠い歌がいいですね。
ポイント3:歌詞のポイント
作詞はIra Gershwin。ヴァースは例によってネタバレの蛇足な感じなので、割愛して、本歌から。
It's very clear, our love is here to stay
Not for a year. But, ever and a day
The radio and the telephone and the movies that we know
May just be passin' fancies, and in time may go
私たちの愛は強くてずっと続くよ、もちろんね
色々なメディアで描かれる愛の物語は
すぐに飽きられてしまう安っぽいものばかりだけど
私たちの愛はそんなものじゃなくて、永遠よりももっと長く続くもの
「ever and a day」は「for ever and a day」か「forever and a day」が略されたもので、要は「永遠に(永遠プラスもう一日、ぐらいに長く)」という意味。
「passin' fancies」は「一時的に流行して気にいるけど、やがて飽きてしまうもの」です。
「stay」と「day」、「know」と「go」で韻を踏んでいます。こういう箇所に気を付けると、歌う際にリズム感が出ます。
とにかく言葉を尽くして「私たちの愛は永遠に続くものだ」と歌っています。この後も同様です。
But, Ooooh my dear, our love is here to stay
Together we're - goin' a long, long way
In time The Rockies may crumble - Gibralter may tumble
They're only made of clay
But, our love is here to stay
地震のあまり無い地域で暮らす人達は実感が薄いのか、大自然の地形を長期間(ほぼ永遠に)変わらないものの例えに使いがちです。「(いつだか分からないけど)いつかはロッキー山脈が崩れるかもしれないし、ジブラルタル海峡の崖も壊れるかもしれないけれど」とか言っています。「それよりも私たちの愛は永遠に続く」と。日本に引っ越して3年くらい暮らすと、こんな歌詞は書かないかもしれませんね。富士山がいつ噴火するかと怯えながら暮らしているのが日本人だから。
ポイント4:Thank You by Led Zeppelin
同じような「天変地異と永遠の愛の対比」。冒頭の歌詞はこんな感じ。
If the sun refused to shine, I would still be loving you.
When mountains crumble to the sea, There will still be you and me.
初期の彼らの歌詞は古いブルースやジャズからの引用・改変も多かったので、この手の大袈裟な表現は昔からあるものなんだろうと思います。
ポイント5:曲の構成
ABAC各8小節の32小節というオーソドクスな構成。このパターンはソロを回している途中で「あれっBだっけCだっけ」という迷子になることも多いですね。Cパートの方が歌詞が詰まっているので、うまくノリましょう。また、出だしの3音をちゃんと掴むのがキモです。

ポイント6:様々な歌唱や演奏を聴いてみましょう
Tony Bennett, Diana Krall、2018年録音
晩年になっても精力的に活動したTony Bennett、様々な歌手とのデュエット作品を発表しています。彼の微妙なヘタウマ歌声とDiana Krallのクールな歌声は相性が良かったですね。
Ella Fitzgerald, Louis Armstrong、1957年録音
サッチモの歌を聴いていると、歌のテクニック云々を議論するのがバカらしくなりますね。個性=説得力。細かく音程を刻むような歌い方をするエラも。
Emilie-Claire Barlow、2005年録音
現代的な明快な歌い方のお手本。
Billie Holiday、1957年録音
良くも悪くも晩年のBillie Holiday印の歌唱。クセが強過ぎるので、最初から真似しない方がいいと思います。
Steve Lawrence, Eydie Gorme
まるでミュージカルのような雰囲気。
Bill Evans Trio、1965年録音
Oscar Peterson、1959年録音
Dexter Gordon、1963年録音
◼️歌詞
(Verse)
The more I read the papers, the less I comprehend
The world and all its capers and how it soon will end
Nothing seems to be lasting, but that isn’t our affair
We’ve got something permanent, I mean in the way we care
(Chorus)
It's very clear, our love is here to stay
Not for a year. But, ever and a day
The radio and the telephone and the movies that we know
May just be passin' fancies, and in time may go
But, Ooooh my dear, our love is here to stay
Together we're - goin' a long, long way
In time The Rockies may crumble - Gibralter may tumble
They're only made of clay
But, our love is here to stay
