第3話|会話が続かない!そんなとき、私は「質問」をやめる
「お客様と会話が続きません」
接客の現場で、よく聞く悩みです。
分かる。
初対面の人を目の前にして、
「何か話さなきゃ!」
と思った瞬間、急に何も出てこなくなる(笑)。
「どこから来たんですか?」
「今日はお休みですか?」
「このあとどこか行くんですか?」
頑張って質問する。
相手が答える。
そしてまた質問する。
……あれ?
これ、会話じゃなくて事情聴取になってない?(笑)
会話が続かないときほど、質問を増やさない
私は、会話が苦手な人ほど
「質問をたくさんしなきゃ」
と思っていることが多い気がします。
でも私が大切にしているのは、
質問の「数」じゃなくて、
相手がくれた答えを、ちゃんと受け取ること。
例えば、
「どこから来たんですか?」
「大阪です」
ここで、
「へぇ〜!何泊ですか?」
とすぐ次の質問に行かない。
「大阪なんですね!私、大阪の人のノリ好きです(笑)」
とか、
「じゃあ今日は旅行ですか?」
とか。
相手がくれた「大阪」という一個の言葉を、
一回ちゃんと拾ってみる。
すると、そこから会話が広がることがあります。
私がやっているのは「見る→気づく→聞く→広げる」
私は会話をするとき、
見る
↓
気づく
↓
聞く
↓
広げる
をなんとなく意識しています。
例えば、
お子さんがキャラクターの服を着ている。
まず、見る。
「あ、このキャラクター好きなのかな?」
と、気づく。
「〇〇好きなの?」
と、聞く。
「好き!」
と返ってきたら、
「誰が一番好き?」
「今日会えたら最高じゃん!」
と、広げる。
特別な話術なんて、ほとんど使っていません。
目の前にあるものを、ちゃんと見ているだけ。
「何を話そう?」と思った瞬間、相手が見えなくなる
これ、結構あると思うんです。
「次、何話そう?」
「沈黙になったらどうしよう」
「面白いこと言わなきゃ」
って自分の頭の中で考え始めると、
いつの間にか、
目の前の人を見なくなる。
私もあります。
でも、
「何を話そう?」
じゃなくて、
「この人、どんな人なんだろう?」
に変えると、ちょっと楽になります。
持っているもの。
服。
表情。
一緒にいる人。
話してくれた言葉。
会話のヒントって、意外と目の前に落ちています。
そして、これは家庭でもめちゃくちゃ起きる
ここまで接客の話をしておいて、
また家庭の話です(笑)。
旦那さんが、
「今日仕事大変だった」
と言ったとする。
こちらも忙しい。
夕飯。
お風呂。
娘。
片づけ。
頭の中は大渋滞。
だから、
「そうなんだ、大変だったね」
で終了。
なんなら、
「私も今日大変だったんだけど」
って被せたくなる日もある(笑)。
でも、ちょっと余裕がある日は、
「何があったの?」
と聞いてみる。
そして話し始めたら、
解決策を出すより先に、
「それは大変だったね」
と一回受け取ってみる。
すると、
別に私が何か解決したわけでもないのに、
会話が終わるころにはちょっとスッキリしていたりする。
心配性の母も同じ
母から、
「大丈夫なの?」
と聞かれたとき。
こっちは、
「大丈夫だって!」
と言いたくなる。
でも、
母が本当に欲しいのは、
「大丈夫」という答えだけじゃなくて、安心なのかもしれない。
だったら、
「大丈夫だよ。もう確認してあるよ」
まで伝える。
相手が言った言葉の、
もう一個奥を見る。
これも会話なんだと思います。
娘の「見て!」には、たぶん意味がある
子どもなんて特にそう。
「ママ見て!」
「ママこれ!」
「ママ来て!」
一日に何回言うんだろう(笑)。
こっちは、
「見た見た!」
って言いたくなる。
でも、
「見て!」の本当の意味って、
もしかしたら、
「これを一緒に面白がって!」
なのかもしれない。
だから余裕があるときくらい、
「え!なにそれ!」
って一緒に乗ってみる。
すると、
めちゃくちゃ嬉しそうな顔をする。
そして私は思う。
あ、欲しかったのこれか。
会話って「正解を返すゲーム」じゃない
私たちはつい、
何か言われたら、
正しい答えを返そうとします。
悩みを言われたら解決策。
質問されたら答え。
愚痴を言われたらアドバイス。
でも、
相手がいつも正解を求めているとは限らない。
「分かる!」
「それ嬉しいね!」
「大変だったね」
「それでどうなったの?」
そんな一言のほうが欲しいこともある。
だから私は、
会話=正しい言葉を返すこと
ではなく、
相手が投げてくれたものを、一回ちゃんと受け取ること
だと思っています。
沈黙したって、別にいい
そして最後に。
会話が終わっても、
焦らなくていい。
これ、結構大事です。
接客でも、
ずーっと喋り続ける必要はありません。
話したくない人だっている。
静かに過ごしたい人もいる。
家族だって同じ。
だから、
会話が続かなかった=失敗
ではない。
「楽しんでくださいね!」
で気持ちよく終われたら、それでいい。
相手との心地いい距離は、人によって違うから。
今日の心送り
会話が続かないとき、
次の質問を必死に探すより、
相手が今くれた言葉を、もう一回見てみる。
「それってどういうこと?」
「それ嬉しいね!」
「大変だったね」
一回受け取ってから返す。
それだけで、
会話は意外と続きます。
そして、続かなくても大丈夫。
たくさん喋ることより、
「この人、ちゃんと私の話を聞いてくれたな」
と思ってもらえることのほうが、私は大切だと思っています。
今日も完璧じゃなくていい。
一回だけ、
相手の言葉をちゃんと受け取ってみる。
それも小さな、
心送り。
親しき仲にも、ホスピタリティ。
次回は、我が家で絶賛実践中の(笑)、
「旦那育て」実践編。
正論ではなかなか動かない人間を前に、接客で身につけたコミュニケーションを家庭で使ってみた話を書こうと思います。☕️
