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インドネシア・トバ湖で過ごすリトリート

ジャカルタに住んでいると、時折、あの独特の熱気と喧騒から遠く離れた、静かな場所が恋しくなりました。
日本から行くのはすこしハードルが高いけれど、インドネシアに住んでいたらぜひ行くべき場所。それが、北スマトラ州にあるトバ湖(Lake Toba)です。あまりに良すぎて、私は5か月の間に2回も足を運んでしまいました。今回は、その魅力あふれる滞在記をお届けします。

カラッとした涼しい気候はまるで軽井沢のよう

トバ湖は、東南アジア最大級のカルデラ湖です。その中央にはサモシール島が浮かんでいます。ジャカルタとは打って変わり、空気は乾燥していてとても爽やかです。乾季も雨季も訪れましたが、どちらも高原のような涼しさで、山々に牛やヤギが放牧されている光景は、軽井沢の牧草地を連想させます。

スマトラ独特の建物があちこちに(織物文化村 Lumban Suhisuhiにて)

伝統と欧州が融合する宿「タボ・コテージ」

2回とも宿泊したのは、サモシール島のトゥットゥッ(Tuk Tuk)にあるタボ・コテージ(Tabo Cottages)。地元のバタック人オーナーとドイツ人の奥様が営むこの宿は、ヨーロッパ人が思い描くエキゾチックな東南アジアのリゾートそのものです。

ムード満点の夕暮れどき

客室はスマトラの伝統的な高床式建築で、現代建築にはない趣があります。部屋のバルコニーにはゆったりとしたくつろぎスペースがあり、ハンモックに揺られながら湖を眺めて読書をしたり、仕事をしたりしていると、1日があっという間に過ぎていきます。庭やプールサイドには点々と東屋があり、そこでお酒やカクテルをオーダーすることもできます。

陶器のお皿(ピリン)を乗せて踊るバタックダンス

また、土曜日の17-18時になると庭で伝統の「バタックダンス」が披露されます。複雑な動きではなく、すぐに覚えられそうなフォークダンスのような温かみのある踊りで、最後は宿泊客みんなで一緒に踊って写真を撮るのが何よりの楽しみ。

多国籍な滞在客とLet's dance!

食事もこの宿をリピートした理由の一つ。「タボ」はバタック語で「おいしい」を意味しますが、その名の通り、奥様が焼く本格的なドイツパンやパウンドケーキは絶品です。インドネシアではなかなか出会えない穀物たっぷりのハードパンは、頼めばお土産として買って帰ることもできます。

インドネシア風八宝菜チャプチャイとドイツのジャーマンポテト。独尼両方楽しめるのも嬉しい

スマトラの中でもバタック地方はカトリックが多いため、朝にお祈りを知らせるアザーンで起きることも無く、静かでゆったりとした時間が流れています。また、ジャカルタではなかなか食べられない豚肉やお酒も自由に楽しめます。炭火で焼いたカリカリの豚肉(BPK)を、山椒のような「アンダリマン(andaliman)」のタレでいただくのは最高です。

温かみのある木造のカトリック教会

滝のように流れる「Rico温泉」で癒される

アクティビティとしてぜひ体験してほしいのが、地元の温泉です。ガイドを雇って足を伸ばせば、野趣あふれる秘湯に出会えます。

旅の相棒、頼れるエリックさん
温泉や周辺の村を巡るには車のチャーターが欠かせませんが、タボ・コテージの向かいに住むエリックさんに依頼するのがおすすめです。空港送迎から滞在中の案内まで親身にサポートしてくれ、ホテルのスタッフに伝えれば手配してもらえます。

今回訪れたサモシール島西部のパングルーラン(Pangururan)にあるRico温泉は、ひなびた掛け流しの温泉です。インドネシア在住のウダマコトさんのnoteを読んで、行ってみました。滝のように上からお湯が流れ落ちてくる造りで、飲み物を買えば入浴料は無料というシステム。お腹が空いたら、サンバルと麺を和えただけの素朴な「ミーゴマック(つかみ麺)」を注文してみてください。ただただ辛い、けれどその素朴さが染みます。

アンバリタ村に眠る、バタック族の厳格な記憶

温泉からさらに足を伸ばすと、歴史的に非常に興味深い「アンバリタ(Ambarita)」という村に辿り着きます。ここにはかつてこの地を治めたシアラガン王時代の遺構があり、約200〜300年前まで行われていたという、アダット(慣習法)に基づく「石の裁判所」が残っています。

「こまち王」の裁きが下る!罪人(ガイドさん)に一突き、そして…生肉を食う。かつての厳格な慣習法を実演

ここで王や長老、シャーマンたちが集まり、不倫や殺人、スパイ行為などの重罪人の運命を決めていたのです。処刑後にその肉を食べたというカニバリズムの伝承は恐ろしく、この旅一番のインパクトでした!!

温泉もフルーツも楽しめるブラスタギ

トバ湖から足を伸ばしてでも訪れたいのが、標高1,300mに位置する避暑地・ブラスタギ(Berastagi)。フルーツ市場には、日本では見かけないような珍しい果物が山積みにされています。特にこの地の代名詞であるパッションフルーツ(markisa)とあまいメダンミカン(jeruk medan)がたくさん。

新鮮なパッションフルーツは絶品

ブラスタギ歴史博物館では、色鮮やかなお祭りの伝統衣装や、装飾品が展示され、この地に息づくバタックの人々の土着の生活を感じさせてくれます。ブラスタギへの寄り道は、トバ湖のリトリートをより重層的で豊かなものにしてくれました。

ブラスタギ歴史博物館にて。地元のお祭り衣装

ブラスタギの側のRaja Berneh村の温泉もおすすめ。源泉かけ流しの乳白色のお湯は効用もいろいろとありそうです。お湯の温度も十分に温かく、最高でした。

インドネシアで温泉に入る時は水着を忘れずに!

まとめ

トバ湖は、軽井沢のような涼しさとバタック文化の奥深さに触れられる、インドネシア在住中にこそおすすめしたい場所です。伝統的な宿での食事や野趣あふれる温泉、そしてアンバリタ村やブラスタギでの歴史探訪は、旅をより豊かで思い出深いものにしてくれました。高地の清々しい空気に包まれて過ごす時間は、心身ともにリフレッシュさせてくれるはず🌱

シピソピソ(Sipisopiso)の滝をがぶ飲み⛲️

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