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天然石を切削研磨して自作トラックボールにしよう!

はじめに

やろう!と思ったら後先考えずにやってしまうこんぺきです。
最近人生初の自作キーボードを購入しまして、組み立てたりファームウェアを書いたり色々遊んでおります。
購入したキーボード「小人キー【夜】」はこちら

さてさて、組み立ても終わってしまったし、ファームウェアも結構満足するくらい機能実装できてしまいました。じゃあ続いてすることは……?

理想の見た目へ…

小人キーは見た目も「ガジェット!!!」という感じでカッコよく、正直不満は全然ありません。が、少しだけ気になっていたことがありました。それは、

「白いトラックボール、少し浮いてないか?」

というところです。もちろん、PTFEのトラックボールはとても滑りもよく形も真球近いようで、良い触り心地で使い勝手はとてもよいです。一方で、その質量的な軽さでちょっと微調節が難しい点、色味が輝くように白くて見た目が少し浮いている点が気になるところではありました。
一般的(?)なのは鉄球に交換することなようなのですが、せっかくならオリジナリティー出したいな〜、とか、好きな色にできないかな〜、とか色々考えて一旦たどり着いたのが、「天然石使ったら面白くないか!」でした。

見つからない19mmサイズ

あとは直径19mm、もしくはおそらく3/4インチでもOK、の天然石を見つけてトラックボールにするだけなのですが……
そんなものは存在しません
少なくとも、私は見つけられませんでした。強いて言えば、やっと見つけて19mmだー!と買ったものは18mmでした。何故。
もう諦めるしかないのか……と思った私に、心の中のマリーアントワネットが言いました。

「玉がないなら自分で削ればいいじゃない。」

たしかに。
ということで、ここで私は19mmの玉を削る方法を調べる方針にシフトしました。

自分で19mmの玉を削ろう!必要なものリスト

さて、色々調べて、どんな物が必要か調べあげました。基本的には

  • お気に入りの天然石

  • 丸玉研磨用ダイヤモンドカップ研磨機

  • リューター、もしくはドリル

  • 仕上げ用のヤスリたち

  • サイズ計測用のノギス

があれば、一旦なんとかなりそうです。もちろん、もっと色々ちゃんと揃えようと思えばいくらでも揃えられますが、一旦これらで何とかなります。ただし、注意点もあるので説明しておこうと思います。

お気に入りの天然石

もちろん、削るための天然石を用意します。このとき重要なのは、

  • 目的の形に対して大きすぎない(概ねでも)球形を選ぶこと

  • 天然石の硬度は7以下程度を選ぶこと

  • 機種・天然石の種類によっては反応しないことを覚悟すること

の3点です。
まず一点目ですが、当然大きいものほど削るのが大変になります。私は20mmの玉は入手できたので、それを約1ミリ削って19mmにしていますが、この程度なら特に難しい作業なく削っていけます。
一方で、大きすぎるものやそもそも球形でないものについては、事前に粗削りを行って目的のサイズの球形に近づける工程が必要となり、大変です。なるべく、目的のサイズより少しだけ大きい球形を選びましょう。

二点目は硬度です。当然硬度が高いほど削るのが難しくなります。一般的に、7未満程度までは手磨きで研磨できると言われているようです。今回はドリルと研磨器を使うため、もう少し硬度が高くても大丈夫そうではありますが、少なくとも最初は硬度低めのものから試した方がよさそうです。

三点目が、これは結構悲しい話になりますが、石の種類によっては反応しない可能性を考えた方がよいと思います。特に危ういのは、

  • 透明なもの(光が透過してしまう可能性)

  • 黒いもの(光を吸収してしまう可能性)

  • 均一で光沢のあるもの(光が反射しすぎる可能性)

の3つと言われています。とはいえこれはセンサーにもよるので、必ずしも何が反応して何が反応しないかはわかりません。確率が高そうなものを選び、あとは祈りましょう。

ちなみに私は下記サイトでソーダライトを購入しました。ソーダライト、カッコいいし硬度も丁度いいし丁度いい大きさもあって神。自分が持っている小人キー夜によく似合います。
おそらく卸売の通販で、他のサイトよりも圧倒的に安いのも嬉しいです。天然石は当然ものによって模様が異なるので、いくつか余分に買っておいて、気に入る模様を選ぶのがおすすめです。

玉研磨用ダイヤモンドカップ研磨機

これが2番目に重要です。最悪これさえあればなんとか手動で磨けます。ただしめちゃくちゃに時間がかかります。
これはこういう商品です。私は19mmの玉を掘る必要があったので、まさにこの商品ページの商品を購入しました。

ちなみにショップに質問をしているのも私です。普通に19mmの玉を作りたいなら直径19mmでOKでした!!!
このショップ以外にも同系統の研磨具を売っているショップはあるので、根気よく探してみてください。34mmの製品もあるようですが、自分で使用したわけではないのでなんとも言えません。
ちなみに私は#240のものを買って利用していますが、おそらく#80も買って最初はそれで削ったほうが早いのでしょうね。でもおそらくかなり荒削りになると思うので、いずれにせよ#240も別途用意したほうがいいんじゃないかなと思います。

リューター、もしくはドリル

これはドリルがあれば十分です。が、注意点としては上記のカップが装着できるものを選んでください。物によっては、六角のものしか装着できないタイプもあります。
ご自宅にそのようなタイプのドリルや電動ドライバーをお持ちの方は、チャックを買うのが安上がりです。参考までに貼りますが、これ以外にも多くの製品があります。

お持ちでない方は、研磨用のリューターと呼ばれるものを購入するか、普通に電動ドリルを購入しましょう。正直大は小を兼ねると思っているのでドリルでいいんじゃないかと思っていますが、これを機にアクセサリー制作を行いたいなど、細かな工作をしたい方はリューターのほうがよいかもしれません。
私は下記のものを購入しました、ちゃんとチャックがついていて、上記のカップも装着できますよ。

仕上げ用のヤスリたち

これは正直なんでもいいですし、どこまで細かいものを使うかもご自由に、という感じです。私はいまのところダイソーで売っている紙やすりセットで満足しています。なんか細かく書かれてなくてなんとも言えないけどこれかな……?#240から#2000まである優れものです。
バーコードの番号は45491313424925です、参考までに。

ツルッツルにしたいならもっと細かい番目が必要になると思いますが、同時にトラックボールの反応性を犠牲にする可能性もあります。#2000で磨けば概ね全くひっかかりもないかな、という印象です。
もちろん、紙やすりではなくこちらもドリル等に取り付ける道具を購入するのもいいと思います。玉を手研磨でうまく磨くの、普通に難しいです。

一応こんなものもありますが、サイズが合っていないのと、さすがにオーバーキル感が否めません。大きい玉を研磨する人にはいいのかもしれない。

サイズ計測用のノギス

ノギスなら何でもOKです。直径19mm、みたいなのを定規などで測るのは困難な上、0.1mm単位で大きさを見たいので、ノギスがあると便利です。最悪百均のでもいいのかな、とか思います。

一旦必要なものはこんなものですかね、細々したところだとキムワイプみたいな不織布もあると便利かなと思ったけど、家に余ったマスクとかがあれば代用できます。あとは風呂桶くらいあると便利ですね。最悪洗面台に水を貯めればOKです。

19mm玉の作り方

さて、いよいよ作っていきましょう。とはいえ、上記の条件を守って天然石を選んだなら、やることはひたすら研磨です。
まずはお気に入りの模様のものを選んで、と言いたいところですが、初めての場合はお試しでそこそこいいかな、くらいのもので試してもいいかも。これはご自由に。

天然石と紙やすり
ドリルとダイヤモンドカップと選んだ石

粗削り

ではさっそく始めます。適当な桶に水をためて、研磨具と石を適宜濡らしながら削っていきます。感電防止のため、ドリルを濡らしすぎないように注意です。なるべく研磨機だけ濡らします。

こんな感じで押し付けて削っていく

ポイントは、なるべく大きく動かして削っていくことです。動かさなかったり小さく動かしすぎると、歪に削れてしまって、その後削りにくくなったり最終的に歪な形になってしまう可能性があります。
玉があまり大きくないので難しいですが、頑張ってつまんでぐりぐりとしていきましょう。たまに大きめに向きを変えて、歪になるのを防いだりもします。

根気よくぐりぐりしていく

研磨機にはなるべく触れないように気をつけます、擦れて怪我をする可能性があるので。一応、回転工具を使うときには手袋の着用は禁忌とされているのでおすすめはできませんが、指サックくらいつけておくと指紋消えるみたいなことは防げるのかな……。
重ねてですが、別にそこまで擦れるわけでもないしおすすめはしません。

削るのに疲れたらノギスで大きさを測って進捗を見てモチベを上げましょう。研磨機との接触面積や表面積の関係で、最初のほうがいちばん進みが遅いと思います。根気よく、根気よく。。。

19.65mmくらい。半分弱くらい削れた。

削り始めは特に、結構引っかかりがあって難しいと思います。それなりに削ると全体的に引っかかりはなくなってくるので、ちょっと引っかかりのある部分を重点的に削ってなめらかにしていきます。

なめらかになってくると、こんな感じで押し付けながらゴロゴロして少し楽できます。が、あんまり効率は良くなさそうな感じがする上ちゃんと回っているか早すぎて見えません。ふつうに握って削るほうがよさそうではある。

ぐるぐるぐりぐりしていく

さて、ずっと削っていくと、ひっかかりがかなり少なくなってなめらかになり、粉も出なくなってきます。削り終わりの合図です。研磨具には夜と思いますが、ノギスで大きさを測って、概ね19.1~19.2mmくらいの大きさまで削れるんじゃないかな、と思います。
今回は大体30分程度で削れました。ドリルってすごい。

19.2mmくらいまで削れた

仕上げ

おそらくこの時点でケースには入る大きさではあるのですが、カチッとはめ込むタイプのトラボケースだとおそらく入りません。表面が粗くて摩擦が大きすぎるためです。無理やりはめ込んでも動きが悪いし、触り心地もよくないので、ここから表面を仕上げていきます。
仕上げには仕上げ用の紙やすりを使っていますが、仕上げ用の道具を用意するのもいいでしょう。

使う紙やすりたち。下から#400、#800、#1200、#2000

ここでは、あまりツルツルにはならないくらいまで磨いていきます。トラボの反応性への影響を懸念して、ある程度なめらかで引っかかりなく動けば問題ないかな、という考えからですが、ギリギリを攻めてみるのもまた一興でしょう。私は若干マットな今の感じも気に入っています。

磨き方ですが、番目が荒い順にひっかかりがなくなるまで全体的に頑張って磨いていきます。が、面と球で点で接するのでけっこう大変です。やっぱり治具があったほうがいいのかも。ヤスリを回転台に貼って回転させるだけでもだいぶ使いやすくなるかもしれません。
これも、ひとつの向きで削りすぎないようにこまめに向きを変えて削っていきます。歪になると修正が効かないので注意。ただ、よっぽど極端に削らなければ大丈夫だと思います。

ひたすら磨いていく。くるくる回すように磨く。

大体5~10分ずつくらい磨けばいいかな、と思っています。合計30分くらい。感覚的には、#1200くらいまで磨けばトラボケースに入るかな、という感じです。

最終確認

さて、磨けたらいよいよ最終確認です!お使いのトラボケースにはめてみましょう!私は自分の小人キーにはめてみます。

はめてみて、反応性と引っ掛かりの有無を確認する。カッコいい。

ここで動けば問題ありません。多少引っかかりがある場合は、さらに#2000のやすりで磨いてみるか、もっと番目の高いヤスリを用意するのもいいかもしれません。
私は最後にシリコンスプレーを吹きかけた布で拭いています。だいぶスルスル動くようになる。

反応しない場合は、先にも述べたように原因はいくつか考えられてしまうため、一旦祈りを込めてやすりの番目を下げてみるくらいしかありません……。

おわりに

まさか自作キーボードを買って、その過程で石を削るとは思っていませんでしたが、自作トラボもいいものです。トラックボールを触るたびに、「俺が削った石ちゃん……」となります。変態みたいだけど。
別に自分で削らずともシンプルに、模様が入っている天然石を使うと文字通り世界に一つだけのキーボードが完成するのもポイント高いです。色々な石を用意すれば、その日の気分で変えたりもできるな~~。

普通に石を削るのもやってみると楽しくて、もっと道具揃えてアクセサリーとか作ってみようかな~と思ったりもしています。

せっかく道具も集めたしいくつか作ってコツも掴んできたし、意外と手間がかかるのも事実なので、頑張って量産してBOOTHとかで販売してもいいな~と思ったけれど、19mmって需要ないよな、というのも事実で迷っています。
ひとつひとつ模様が安定しなかったりで、品質の担保も難しいしな……。自分で動作確認できないサイズを作って売るのも……。
ソーダライトみたいな好みが分かれそうな石はなんとも言えないけれど、概ね単色の石ならいいかもな、と思ったりもしますね。

皆様もよき自作キーボードライフを!

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