面接前日。最後に確認してほしい「職員にとっての常識」
ここまで面接対策をしてきた人なら、もう十分に準備は整っていることと思います。
志望動機を作った。
自治体研究もした。
総合計画も読んだ。
自分が取り組みたい仕事についても調べた。
何度も模擬面接をして、想定していなかった質問にも答えられるようになった。
では、面接前日。
最後に何をすればいいでしょうか。
私は、ここまで仕上がった人に新しいことをたくさん覚えてほしいとは思いません。
むしろ、最後にほんの少しだけ確認してほしいことがあります。
それは、
「その自治体で働いている人にとっての常識」
です。
一般常識ではない。でも、職員にとっては当たり前
例えば、
市の花
市の木
市の鳥
その地域を流れている主要な河川
地域を通っている主要な国道
首長のフルネーム
人口はおおよそ何万人なのか
隣にはどんな自治体があるのか
こういったことです。
もちろん、すべての面接で聞かれるわけではありません。
むしろ、聞かれないことの方が多いでしょう。
でも、実際にこうした質問をされることはあります。
そして少し厄介なのは、
そこで暮らしている人や、そこで働いている職員にとっては、あまり難しい質問ではない
ということです。
外から受験する人には、意外と見えない
地元の人なら、普段から目にしている川の名前を知っています。
毎日通っている道路が国道何号線なのかも知っているでしょう。
地域の主要な農産物も、当たり前のように知っているはずです。
ところが、市外や県外から受験する人には、これが意外と分かりません。
これは自治体研究をしていないからではありません。
むしろ、一生懸命に自治体研究をしている人ほど陥りがちな盲点なのです。
総合計画を読む。
重点施策を調べる。
予算を見る。
個別のアクションプランまで読み込む。
その結果、自治体情報にはかなり詳しくなっている。
でも、
「市役所のホームページで調べるような情報」と「そこで暮らしていれば自然に知っている情報」は、違います。
こうした小さなギャップが生まれることがあるのです。
面接の空気を、こんなところで冷ましたくない
例えば面接で、あなたが深い自治体研究を披露したとします。
「○○市では現在、この課題に対して○○という取り組みを進めています。私は特に……」
面接官も、
「よく調べていますね」
と聞いてくれている。
いい雰囲気です。
ところが、会話の流れでふと、
「ちなみに、この地域を流れている○○川は知っていますよね?」
と聞かれる。
「……すみません。分かりません」
もちろん、それだけで不合格になるとは思いません。
重大な減点になるとも限りません。
でも、ほんの一瞬、
「あ、この人はやっぱり外から来た人なんだな」
という小さな距離が生まれてしまう可能性はあります。
それまで自治体についてかなり深く話していただけに、余計にそのギャップが目立ってしまうこともあります。
これは、少しもったいない。
だからこそ、面接直前に余裕があるなら、最後にさらっと確認しておきませんか?
私なら、このくらいを確認します
ただし、ここで新しい「暗記大会」を始めないでください。
本番直前に自治体情報を100個覚える必要はありません。
私なら、まず次のようなものを確認します。
首長のフルネーム。
意外と名字だけしか知らない人がいます。フルネームで確認しておきます。
おおよその人口規模。
一人単位まで覚える必要はありません。
「約10万人」「20万人弱」くらいの感覚で十分です。
隣接している自治体。
地図を一度見て、自分が受験する自治体が周囲とどのようにつながっているのかを確認します。
市や県の花・木・鳥など。
指定されているものがあれば一度確認しておきます。
主要な河川や国道。
特に地域を代表するものがあれば、その名前くらいは知っておきたいところです。
この程度なら、それほど大きな負担にはならないでしょう。
特徴のある自治体なら、もう少しだけ
地域によっては、もう少し確認しておいた方がいいものもあります。
例えば農業が非常に盛んな自治体なら、
「主要な農産物は何か」
くらいは知っておきたい。
製造業が地域経済を支えている自治体なら、その特徴も知っておきたい。
また、市制施行50周年、100周年など、大きな節目を迎えている自治体であれば、それも地域にとって重要な話題でしょう。
反対に、特に特徴的でないものまで無理に覚える必要はありません。
市議会議員の定数。
市制施行の細かな年月日。
すべての姉妹都市。
市役所の全部署名。
そこまで広げ始めると、きりがありません。
姉妹都市なども、余力があれば確認する程度でいいと思います。
大切なのは、「何でも知っている受験生」になることではありません。
希望する仕事の部署名は確認しておく
ただし、自分がやりたい仕事については、少し別です。
例えば、
「子育て支援に携わりたい」
「防災の仕事がしたい」
「観光振興に取り組みたい」
と面接で話すのであれば、その仕事を実際にどの部署が担当しているのかは確認しておいた方がいい。
「○○課です」
自治体によって組織の作り方も、部署の名称も違いますから。
「知識を増やす」のではなく、「足元を確認する」
ここまで読んで、
「まだ覚えることがこんなにあるのか」
と思った人がいたら、それは誤解です。
今回挙げたことを、全部暗記する必要はありません。
そして、ここから新しい自治体研究を始める必要もありません。
あくまで、
最後に足元を確認する。
それだけです。
総合計画を読み込んだ。
重点施策も調べた。
志望動機も作った。
模擬面接も何度もやった。
そこまで準備した人が、
市長の名前を知らなかった。
地域を代表する川を知らなかった。
人口が5万人なのか50万人なのか分からなかった。
そんな小さなところで、せっかく積み上げてきたものに余計な「?」を付けられるのは、もったいないと思いませんか?
面接直前になると、不安になります。
「あれも聞かれるかもしれない」
「これも調べた方がいいかもしれない」
そう思って、どんどん新しい情報を増やしたくなる。
「自分ではかなり仕上げたつもりだけれど、自分では見つけられない穴がまだ残っているかもしれない」
と不安に感じる人もいるかもしれません。
そんな人のために、第三者の視点から本番前の面接を最終点検する方法についても、別の記事で紹介したいと思います。
でも、その前に。
ここまで準備してきた自分を信じて、最後に足元だけ確認してみてください。
