よく溶けるプロテインは、何が溶けているんでしょうか
粉ものを選ぶとき、「溶けやすい」はけっこう強い決め手になります。毎日使うものなら、なおさらです。
ただ、溶けやすさは品質の高さを表す指標ではありません。今日はその話をします。
溶けているのは、何なのか
たんぱく質そのものは、実はあまり水に溶けやすい性質を持っていません。それでも「さっと溶ける」と感じる粉があるのは、溶けやすい別の材料が入っていることがあるからです。
代表的なのが、この2つです。
粉末油脂 …… 脂肪分。口あたりがなめらかになる
デキストリン …… でんぷん由来の糖質。粉のダマつきを抑える
どちらも危険なものではありませんし、これが入っているから悪い、という話でもありません。ただ、溶けやすさに貢献しているのはたんぱく質ではないというだけの話です。
気になったら、原材料表示を見てみてください。原材料は使用量の多い順に書かれているので、たんぱく質原料より前にこれらが並んでいれば、割合としてはそれなりに入っていることになります。
溶けにくい粉には、溶けにくい理由がある
逆の話もしておきます。
たとえば野菜のパウダーは、水分を吸って固まりやすい性質があります。素材をそのまま粉にしているので当然なのですが、素材を多く使うほど、溶けにくくなる傾向はあります。
つまり、溶けやすさは「加工の度合い」を映していることがあるんですね。よく溶ける=丁寧に作られている、とは限らない。どちらが良いという話ではなく、溶けやすさは味や栄養価とは別の軸だと思っておくくらいが、ちょうどいいと思います。
ついでに、「無添加」という言葉について
もうひとつ、粉ものの表示でよく誤解される話があります。
ビタミンやミネラルの多くは、食品表示のうえでは添加物に分類されます。
栄養強化の目的で加えるビタミンCも、ミネラルの類も、多くは添加物です。ですから「ビタミン・ミネラル配合」と「完全無添加」を同時に成立させるのは、実際にはかなり難しい。「無添加」を掲げると、栄養を足す選択肢のほうが減る、という関係になっています。
添加物そのものについては、国が使用基準を定めているものなので、常識的な量であれば過度に恐れるものではないと考えています。ただ、食品の栄養学はまだ新しい学問で、分かっていないことも多い。分からないものは、必要がなければ増やさない。そのくらいの距離感が現実的かなと思っています。
「無添加」も「よく溶ける」も、キャッチコピーとしては強い言葉です。ただどちらも、中身を説明する言葉ではないんですね。裏面を見るほうが、たぶん早いです。
