ソイプロテインは、大豆から油と繊維を抜いた残りです
「ソイプロテインって、何でできてるんですか?」
聞かれることが多いのですが、答えは拍子抜けするくらい簡単です。大豆です。 それ以上でも以下でもありません。
ただ、「どうやって大豆からあの粉になるのか」を知っていると、味のクセの理由まで一緒に説明がつくので、今日はそこを書きます。
作り方は、引き算です
工程は細かく分けると10段階くらいありますが、やっていることを乱暴にまとめると4つです。
皮をむいて砕く — 大豆を洗い、外皮を取って細かくします
油を抜く — 圧搾や抽出で油分を取り除きます。ここでできるのが「脱脂大豆」です
たんぱく質だけ溶かし出す — 脱脂大豆をアルカリ性の水溶液で処理して、たんぱく質を溶かします。溶けずに残る繊維(おからにあたる部分)は遠心分離で捨てます
沈めて、洗って、乾かす — 液体の pH を調整するとたんぱく質が沈むので、それを洗って中和し、乾燥させて粉にします
つまり、足しているのではなく、大豆から他のものを引いているんですね。大豆にはたんぱく質のほかに脂質も炭水化物も入っていますが、それを順番に外していくと、たんぱく質の割合が高い粉が残る。それがソイプロテインです。
「プロテイン」という言葉から、何か合成されたもののような印象を持つ方がいますが、実際は搾りかすの精製に近い作業です。
苦味の正体は、サポニンです
ここからが本題かもしれません。
ソイプロテインに「ちょっと苦い」と感じる方がいます。あれには、はっきりした原因があります。
ひとつはサポニン。大豆に含まれるポリフェノールの一種で、苦味を持っています。泡立つ性質があるので、豆を茹でたときに出るあのアクと泡、あそこに多く含まれています。大豆を煮たことのある方なら、あの独特の香りを思い出せると思います。
もうひとつはBCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)です。トレーニングをする方が好んで摂る成分ですが、これ自体がかなり強い苦味を持っています。ソイプロテインにも含まれているので、苦味の一部はここから来ています。
面白いのは、どちらも取り除くのが望ましいとは言えない成分だという点です。苦味だけを狙って消すことは、できなくはないけれど、あまり得がない。だから多くのソイプロテインには、うっすら苦味が残っています。
感じ方には、かなり個人差があります
同じものを飲んでも、まったく気にならない方と、はっきり苦いと感じる方がいます。
子どもは苦味に敏感です。 苦味の経験値が少ないぶん、大人より強く感じます
ホルモンバランスでも味覚は動きます。 妊娠中や更年期に、急に特定の味が受けつけなくなる、というのはよくある話です
「前は平気だったのに」という場合、粉が変わったのではなく、こちら側が変わっていることもあるんですね。
苦味が気になるときの3つの手
対処としては、こんなところです。
温度を下げる — 大豆は温めると苦味が立ちやすくなります。温かいスープで気になるなら、冷たくして試してみてください
塩をひとつまみ — 塩は苦味を抑える方向に働きます。甘い系より塩気のあるもののほうが、大豆の苦味を扱いやすいのはこのためです
待つ — 身も蓋もないのですが、ビールやコーヒーと同じで、苦味は慣れます
お子さんが苦手そうなら、無理に早く始めなくてもいいと思います。味覚は変わっていくものなので、成長してからでも遅くありません。
苦味を「品質が悪い」と受け取ってしまうと、選択肢が狭まります。大豆から来ている成分の味だと分かっていれば、温度と塩でだいぶ扱える、くらいに思っていただくのがちょうどいいのかなと思います。
