運動していない人にプロテインは必要か。結論から書くと、運動していない人のほうが足りません
「プロテインって、運動している人が飲むものですよね?」
いちばんよく聞かれる質問です。そして、これは半分正解で、半分間違っています。
正確に言うと、運動していない人のほうが、たんぱく質は足りなくなりやすいんですね。今日はその理由と、どれくらい必要なのか、そして「運動後30分以内」の話がどこまで本当なのかを、順番に書きます。
まず、プロテインは薬ではありません
出発点として、ここだけ確認させてください。
プロテイン(Protein)は、日本語にするとたんぱく質です。糖質・脂質と並ぶ三大栄養素のひとつで、薬でもサプリメント的な何かでもありません。
そして体の約20%はたんぱく質でできています。内訳を見ると、もう少し実感が湧くと思います。
爪や髪 …… 約80%
心臓・皮膚・腸 …… 約60%
脳 …… 約45%
骨 …… 約30%(コラーゲンとして)
カルシウムの塊だと思われがちな骨にも、3割はたんぱく質が入っています。筋肉はこのうちのひとつでしかない、というのが実際のところなんですね。
運動していない人ほど足りない、3つの理由
1. 食事量そのものが少ない
体を動かさない生活だと、お腹が空きにくくなります。消費が少ないので、食べる量も自然に減る。それ自体は理にかなっています。
問題は、食事量が減ると、たんぱく質が真っ先に削れることです。糖質や脂質は少量でもそれなりに入ってきますが、たんぱく質は「ある程度の量を食べないと届かない」栄養素なんですね。
2. 筋肉は、運動しなくても作り替えられている
運動していなくても、筋肉は毎日分解され、毎日作り直されています。このサイクルは止まりません。
運動している人が意識しているのは「増やす」ためのたんぱく質。運動していない人に必要なのは「維持する」ためのたんぱく質です。材料が足りなければ、合成より分解が上回る。じわじわ減っていく、というのはそういう意味です。
3. 「摂れているつもり」になりやすい
朝はトーストとコーヒー、昼はおにぎりとサラダ、夜は焼き魚と野菜。ごく普通の一日に見えますが、これで1日30〜40g 前後です。
後で出しますが、これは目安の半分から7割くらいです。1食だけ見ると足りているように見えるのに、合計すると届いていない。これがいちばん起きやすい形です。
1日にどれくらい必要か
厚生労働省の推奨量は、こうなっています。
成人女性(18〜64歳) …… 1日 50g(1食あたり約17g)
成人男性(18〜64歳) …… 1日 65g(1食あたり約22g)
ただしこれは最低ラインです。健康維持のための最小値、という位置づけの数字なんですね。近年は「特に女性や高齢の方は、推奨量より多めのほうが筋肉量を保ちやすい」という報告も増えていて、体重1kg あたり1.0〜1.2g(体重50kg なら50〜60g)を目安にする見方もあります。
では1食20g とは、どれくらいの量なのか。
鮭の切り身1切れ(約18g)+ 卵1個(約6g)+ 豆腐半丁(約10g)で、ようやく34g。1食20g を超えるには、このうち2つは要ります。
これを毎日3回、365日。数字にすると、意外と骨が折れることが分かると思います。
「運動後30分以内」は、ほとんどの人に関係ないかもしれません
プロテイン=運動する人のもの、という印象を作った最大の犯人が、このゴールデンタイムという言葉だと思っています。
たしかに、運動後1〜2時間はたんぱく質の合成速度が高まります。ただ、元になっているグラフを冷静に眺めると、24時間後も48時間後も、けっこう高い値のままなんですね。ピークは1〜2時間でも、そこを外したら無意味になる、という形にはなっていません。
もうひとつ大事なのは、あのデータはレジスタンス運動(筋肉に負荷をかける運動)が前提だという点です。それも、筋肉痛が来るくらいの負荷。毎日続けて体が慣れ、筋肉痛にならなくなったトレーニングは、負荷としては軽くなっています。
つまり、ゴールデンタイムを本気で気にする必要があるのは、筋肉痛になるレベルの運動をしている方です。それ以外の方にとっては、タイミングより1日の合計量のほうがずっと大事だと思っています。
なぜ「3食に分けて」なのか
タイミングの話でひとつだけ、押さえておく価値があるものがあります。
血液中のアミノ酸の濃度は、4〜6時間で下がりはじめると言われています。合成に使われたり、エネルギーになったり、排出されたりするからです。
だから「1日60g を1回で」ではなく、「1食20g を3回」が推奨されるんですね。実際、同じ総量でも分けて摂ったほうがたんぱく質の合成効率が良かった、という研究もあります。
摂りすぎる人も、一定数います
逆方向の注意も書いておきます。多いのは、筋トレを始めたばかりの方です。ジムでトレーニングして、帰りにプロテインを飲んで、夕食で鶏肉をしっかり食べる。これは過剰になっている可能性があります。
余ったたんぱく質は排泄されます。その処理をするのが腎臓なので、当然そのぶん負担がかかる。「プロテインは腎臓に悪い」と言われる話の実体は、だいたいこれです。
ただ、日本人全体で見れば、心配すべきは不足のほうです。特に朝食では、8割以上の方がたんぱく質不足という調査もあります。
よくある質問
Q. 運動していないのにプロテインを飲むと、太りませんか? たんぱく質そのものでは太りにくい栄養素です。三大栄養素のなかで消化に使うエネルギーがいちばん大きく、約30%が熱として消費されると言われています。ただし「いつもの食事に足す」形にすれば、当然カロリーは増えます。足し算ではなく、置き換えか補完で考えるのがおすすめです。
Q. 1日分をまとめて摂ってはいけませんか? 体が一度に使えるたんぱく質の量には限りがあり、余った分は排泄されます。1食20〜30g 程度を3回に分けるほうが効率的、というのが一般的な見方です。
Q. ソイだと吸収が遅いから意味がない、と聞きました。 吸収の速さが問題になるのは、ハードな運動の直後にピークを狙う場合です。ソイとホエイでたんぱく質の合成結果は変わらなかったという研究もあります。日常の食事として摂るぶんには、速さより毎日入っているかどうかのほうが効いてきます。
Q. 食事だけで足りているか、どう確かめればいいですか? 1日だけ、食べたものを書き出して足してみてください。「食材名 たんぱく質」で検索すればすぐ数字は出ます。1回やれば、自分の弱い食事がどこかが分かります。だいたいの方は朝です。
Q. 結局、食事で足りていればプロテインは不要ですか? そのとおりです。足りているなら要りません。足りない食事があると分かったときに、そこに1品足すための道具です。
向いている方/向いていない方
向いていると思う方
デスクワーク中心で、食事量がもともと少ない方
朝食が軽く、午前中のたんぱく質がほぼゼロの方
甘いプロテインドリンクが続かなかった方
向いていない方
毎食しっかりたんぱく質が摂れている方(追加は不要です)
筋肉痛が来るレベルの運動をしていて、運動直後に素早く補給したい方(水で溶くホエイのほうが目的に合います)
たんぱく質のg数あたりの単価を最優先したい方
補う方法は、3つくらいあります
プロテインパウダー — 1杯で15〜25g。コスパはいちばんいいです
プロテインバー・クッキー — 手軽さは一番。糖質・脂質も多めで、1本10〜15g 程度
プロテインスープ — 食事の汁物の位置に置ける形。ただし、量を増やすことだけが目的なら、一般的なプロテインのほうが安く多く摂れます
うちのスープの中身
最後に、自分のところの数字も書いておきます。
KOREDE のプロテインスープは、1食(粉末20g)にたんぱく質10g と、19種のビタミン・ミネラル(30代女性の1食分基準)。砂糖と人工甘味料を使わず、大豆(ソイ)ベースです。1食あたり約174円(400g・20食分・3,480円送料込み)。
これ1杯で1食を済ませる設計にはしていません。ビタミン・ミネラルは糖質・脂質と一緒に摂ったほうが受け取りやすいので、ごはんやおかずと一緒に「食事の中の1品」として使ってください。
そして繰り返しになりますが、食事でバランスよく摂れている方に、KOREDE は必要ありません。まず食事を見て、どうしても届かないところに1品足す。順番としては、そちらが先です。
公式サイト → https://korede.life
「運動していないから要らない」ではなく、「運動していないからこそ、食事のたんぱく質を少しだけ意識する」。そのくらいの温度で十分だと思いますよ。
