「今日は電車に乗ってみよう」で、お母さんのアンテナが立つ
2歳児、今日は電車でおでかけです
いつもは車で出かけることが多いという、2歳児さんのお話です。
お母さんが、あえて電車で出かける機会を作ってみました。
電車は、ただ目的地まで行くための乗り物でもあります。
でも、
「今日は電車に乗ってみよう」
と、乗ることそのものを一つの体験として意識してみる。
それだけで、大人のアンテナもちょっと変わる気がします。
この子は何を見ているのかな。
何がおもしろいのかな。
何に気づくのかな。
同じ電車に一緒に乗っていても、そんなふうに見ていると、子どもの小さな発見がずいぶん見えてきます。
さて、この日の2歳児さん。
「今日は電車でお出かけしようか?」
そう聞くと、目をキラキラさせて、
「うん!」
そして、玄関へまっしぐら。
もう、この時点から電車のおでかけは始まっています。
改札だって楽しい
駅に着くと、
「ぼくはこっちの改札。ママはとなり」
それぞれの改札を通ることにしたようです。
いいですねえ。
そして、踏切を発見。
「あっ!見て、あそこにふみきりあるよ!」
大興奮です。
電車に乗る前から、見るものがいっぱいです。
「前と後ろ、どっちに乗る?」
とお母さんが聞くと、
「一番前に乗る!」
ということで、一番前の車両へ。
お母さんは、
「運転席に興味があるかな?」
と思って見せてあげたそうですが……
そこには、それほど興味なし。
ふふふ。
大人の予想どおりにはいきません。
彼が楽しかったのは、窓の外を流れていく景色でした。
「4つ目の駅で降りるよ」
お母さんは、乗るときに、
「4つ目の駅で降りるよ」
と伝えました。
そして、駅に着くたびに一緒に数えます。
ひとつ。
ふたつ。
みっつ。
そして、4つ目。
「ここで降りる」
が、ちゃんと見えてきます。
まだ時計が読めなくても、
「4つ目の駅」
なら、子どもにもわかる見通しになります。
電車に乗るだけで、こんなにいっぱい
改札を通る。
踏切を見つける。
どの車両に乗るか決める。
窓の外を見る。
駅を数える。
降りる。
そして最後には、車掌さんが手を振ってくれました。
電車に乗った、という一つの体験の中に、こんなにたくさんの出来事があります。
「改札」
「踏切」
「一番前」
「駅」
「4つ目」
これまで知っていたことばも、実際に見たり、やってみたりすると、ぐっと中身のあることばになっていきます。
子どもの頭の中で、
ことばと、本物の体験がつながっていく。
それが、乗り物体験のいいところだと思います。
そして、もう一つ。
「今日は乗り物体験」
と大人がちょっと意識することで、
子どもが何を見て、何をおもしろがっているのかを、大人も一緒に見つけやすくなる。
特別に何かを教えなくてもいいんです。
「あ、そこ見てたんだ」
「それがおもしろいんだ」
そんな発見ができたら、それも十分すてきな乗り物体験です。
お母さんは、
「今度は地下鉄やバスにも乗りたいです」
とのこと。
次は何を見つけるのかな。
地下鉄?
バス?
また、大人の予想とは全然違うところに夢中になるかもしれません。
それも楽しみですね。
