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誰かの話し声。

不眠が始まってもうすぐ2ヶ月経つ。はやい。

不眠なりたての頃はとにかく辛くて、なんで眠れないんだろうと悩んで苦しくて、のたうちまわりながら朝を迎えていた。
目が冴えて仕方がない。
体はだるくてたまらないのに、目と脳は覚醒している状態。
家族がだんだん寝静まっていく中、自分1人だけ取り残されている。
目を閉じてもちっとも寝つけなくて、ベッドでじっとしていることさえ苦痛だった。

薬を少しずつ足したり変えたりしてもらいつつ、最近はまあまあ眠れている。
寝つけない時は2時や3時になってしまう日もある。
でも、調子が良いと30分〜1時間で寝つく。
はっと気づいたら朝になっている時、心の底から安心する。ああ眠れた、よかった、と。

寝つくまでの間、YouTubeで様々な音声を流して聴いている。

不眠なりたての頃は「眠れる音楽」で検索して、なんだか癒されそうな音楽とか、焚き火の音とか、滝の音とか、そういうのをひたすら聴いていた。
「3分で寝落ち!」「朝までぐっすり」などの謳い文句が掃いて捨てるほど転がっていたけれど、すこんと寝落ちできるものはなかった。まあ、そりゃあそうか。音楽聴くだけで不眠が治ったら医者はいらないよね。

音楽より、人の話し声の方がいいかもしれない。
と気づいて、物語の読み聞かせだとか、睡眠導入の語りかけなどを聴くように変わった。
睡眠導入の語りかけはなかなか良くて、しばらくお世話になっていたのだけれど、そのうち内容を覚えてしまって「ああ…この辺まできたらそろそろこの動画終わりだなあ…今日も聴き終わるまでに眠れなかったか…」といちいち落ち込むようになってしまった。

同じ声で、毎日違う内容がいい。
今は東海オンエア虫眼鏡さんのラジオに落ち着いている。
時々、東海オンエアの動画まとめを作っている方の「東海オンエア動画まとめ・音声だけで楽しめる」という動画を開く。
聴くだけで楽しめるシーンを繋いでくれているので、目を閉じていても楽しめる。ありがたいことだ。無数の動画のシーンの中からうまいこと切り抜いて作ってくれる。いくらかお支払いしたいくらいだ。

人の話し声って、こんなに安心するのか、と思った。
目を閉じた暗闇の中、聴き慣れた声が静かに響く。
いつ寝てもいいように、音量はごくごく小さくしている。
この世の大勢のために語りかけられている声。その大勢の中のひとりが、私だ。
じっくり聴いてもいい。聴き流してもいい。ぼんやりと聴くのでもいい。自由だ。
眠れても、眠れなくても、私はひとりじゃないんだな。そう思えてくる。

今日も語りかけられる、馴染みのある声。
スマホの向こう側、きっと声の持ち主たちも、電波の向こう側にいる大勢の存在を気にかけてくれているんだろう。
この声たちに支えられて、眠れなくても怖がらなくていいんだと思えるようになった。
いつか不眠が治る日が来たら、声の持ち主たちみんなにお礼の手紙が書きたい。
あの日々を支えてくれてありがとうございました、って。

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