ホカホカの肉まん
ユウタは、陰キャ大学生だった。将来について聞かれるたび、
心の中で陰な音が響く。誰もが熱く語る夢や目標が、
ユウタには日本からブラジルのように遠く、ぼんやりとしか見えなかった。
その日の深夜、アニメ鑑賞を終え、満足気分でコンビニに立ち寄った。
レジに立つと、アルバイトの店員がにこやかに言った。
「お疲れ様です!よかったら、この肉まん、食べてみませんか?」
店員が差し出したのは、
蒸し器のあまりの熱さに耐えきれなくなり、ホカホカになった、
あまり美味しくなさそうな肉まんだった。
「店長が配っとけって言ったので」
「面倒くさ」と、思いながらも、肉まんをなんとなく受け取った。
アパートに帰りながら、一舐めすると、皮の匂いが口の中に広がる。
その時、ユウタの脳裏に、一つの武勇伝が突然頭にうかんだ
それは、中学生の自分
その日は雨だった、外に出てパンツ一丁で
「シャワーだー」とか言ってた、恥ずかしい
深夜にユウタは、無意識のうちに、実家へと向かっていた。
埃をかぶった実家を見て、警察に向かう。
何でこうなったか、分からなかった。
その日の夜、警察に立ち寄ったが警察署は別の案件で居なかった。
またコンビニに行った
同じ店員から肉まんをもらった。
今度は、どんな夢が蘇るだろうか。
今度はちゃんと噛みつくと、また別の光景を思い出した
それは、小学生の頃の自分
教室で、便を漏らしていた自分だった。
必死に紛らわしていたが、バレていた、最悪な思い出だ
その日の午後、ユウタは、トイレの個室の中で
スマホの画面をじっと見ていた。
「面白いこと、してみるか…」
ユウタは、そう呟くと、ドアをノックされて慌ててトイレを出た。
ユウタは、その日から、夜中に肉まんをもらいに、
コンビニへ通うようになった。
肉まんを食べるたびに、思い出した
イケメンになりたかった幼少期。
陽キャになりたかった小学校時代。
チームを組んでオタクをやりたかった中学時代。
そして、ある日の夜。ユウタは、再び店員の前に立った。
「今日も肉まん、もらえますか?」
店員は、こう言った
「もうあげねぇよ」
ユウタは、自分の腕を一舐めした。
いつもよりしょっぱかった。
ユウタは、「嘘だろ」と、思って、もう一舐めしてみた。
ふと自分の目を触った、涙が出ていた
「どうしてだ…?」
ユウタは、焦ったが、自分の感情を抑えた
その時、アラームが鳴る、
「ハアあっああああ」
夢ではあったが
彼の横にはアニメキャラの抱き枕があった
終わり
いいなと思ったら応援しよう!
お願い1円でもいいからチップが来ると収益化できるから!
お願い!!!