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【実録】 TOEICで満点を獲った勉強法

13年ぶりにTOEICに挑戦し、4月の公開テストで満点を獲ることができました。

対策期間2か月、かつ一発受験で 990 を達成することができましたので、どんな戦略で臨み、何をやったのか、使用教材、本番の解き方など、僕が考え、実践したことを余すことなく纏めます。

満点を目指して頑張っている方の参考になれば幸いです。



長くなるので、この先は である調 で書きます。

満点を目指そうと思った理由


暇だったから笑

昨年米国のミッドキャリア向けMBAを受験をしていたが、諸事情によりフルタイム留学を棚上げすることになった。しばらく解放感に浸ってゲームに没頭する日々を過ごしたものの(PS5でフルリメイクされたファイナルファンタジー7は最高だった!)、さすがに3か月もすると飽きてきた。

そんな矢先に、「最近TOEICがめちゃくちゃ難化している」「昔の990点はいまや満点ホルダーとは言えない」といった投稿をXで目にした。僕は、ロンドン駐在にいく前年の2012年に一度だけ990をとってTOEICから離れたので、勝ち逃げ状態だった。それもあって、別に自分に向けられたわけでもない言葉に妙に闘争心を煽られた。「それなら改めて満点とってやろうじゃないか!」という感じで、勝手に火がついてTOEIC参戦を決めた。

主宰しているグローバルコミュニティにTOEICを頑張ってる人が多かったのと、Xで毎月開催されるTOEIC祭りがイベント好きとして単純に羨ましかったという話もある。 10年以上前にTOEFLを必死に受けていたときもそうだが、差し迫った必要性もないのに勝手に火がつき、狂気じみた勢いで自分を追い込んでいくのは僕の特技なのかもしれない(妻には「またいつもの病気が始まった」と呆れられる)

とはいえ、継続力が皆無なのでだいたい数ヶ月で鎮火してしまう。なので、今回も最初から短期決戦と決めていた。

勉強開始時点での英語力

よく英語コーチの宣伝で、Beforeの状態を曖昧にしたり過小に伝えたりして、「〇か月でTOEIC900点!」のようにAfterを際立たせているものを見かける。元々できたんじゃないの?みたいなやつ。マーケティング的には差分を大きく見せるのは有効だがフェアじゃないと感じる。

この記事は何かを売り込むためのものではないので、正直に書いておきたい。今回の学習開始時点(2025年2月)での僕の英語力は、

✅ TOEIC "元" 満点(2012年。以後受験してないので期限切れ)
✅ 英検1級(2015年)
✅ TOEFL109(R30/L30/W24/S25、2024年)
✅ IETLS8.0(R9.0/L9.0/W7.0/S7.5、2024年)

上智大学の英語学科出身で(授業には全く出ずにサークルに心臓を捧げていたが)、米国留学1年、イギリス駐在5年を経て、直近6年間は海外企業勤務で上司はネイティブ、社内は100%英語という環境で仕事をしている。帰国子女ではないものの、英語とは相当長いこと格闘してきた者だ。

従って、ここから先の話は、「対策なしでも900点台後半ぐらいは確実にとれるレベルの非帰国子女が、短期間で満点をもぎ取りにいく」という前提でお読みいただければと思う。

いま700-800点ぐらいでも意外と簡単に満点いけるよ!みたいな甘い話では全くない。むしろ全く逆だと予め断っておく。もちろん、戦略の立て方や勉強へのコミットの仕方に関しては、あらゆるレベルの方に参考にしていただけるものだと自負している。

いよいよ本題へ。以下、有料パートになります。

冗談です。全て無料です。

現状把握と戦略

「ここ1年で相当難化」 「一昔前のTOEICとは比較にならない」といった噂を耳にしていたので、何はともあれ目標の正確な位置を把握せねばと、2/16に受験を決意し、4/20の試験に申し込み、すぐに公式問題集11を購入した。

結果は、
① Listening 99/100、Reading 98/100、合計 197/200
② Listening 94/100、Reading 96/100、合計 190/200

たしかに難しくなっている!

自分の英語力は13年前とは比較にならないはずなのに、そして前評判を聞いていたので全力で飛ばしたのに、以前は15分は余ったはずのリーディングが時間ギリギリだった。文章量がかなり多く、語彙のレベルも相当上がっている。そして第2回では、満点必須と考えていたLが壊滅!これは想定外。本気で臨まねばとやばいと焦った。X、YouTube、noteなどで、最近の満点ホルダーの勉強法や教材情報を漁り、以下の戦略を考えた。

⓪満点を獲るためのミス許容数を L3問&R1問 と想定し(Lは4問ミスぐらいまでは満点が出るらしい)、
①Lは常に495を出せる状態に持っていった上で、
②Rは5分以上を余らせて全問を解き切り、
③P5の ”知らなきゃ即死問題” との遭遇確率を可能な限り下げる。

最新のTOEICの問題傾向に慣れることで、早期に①②のメドをつけ、最後の壁になるであろう③に取り組む。③は膨大な問題に触れる以外に方策がないため、穴をなくすためにとにかく量をこなす。

具体的な学習方針としては、

① 1日平均3時間を確保する
② 本番までに10,000問以上を解く(解き直し含む)
③ 土日は模試を必ず1セットやって体を慣らす
④ 全パート安定後は、Part5にリソースを集中投下する

自分が三日坊主ですぐに飽きてしまうことがわかっていたので、上の目標をXで宣言して背水の陣を敷いた。また、主宰しているグローバルコミュニティ内に、2か月限定の「英語ガチ部」を立ち上げ、日々の勉強内容を報告しあう環境を作った。有難いことに50名以上が参加してくれて、めでたく絶対に逃げられない環境が整った。

実際、スタートして1か月ぐらいで見事に息切れしてモチベーションがかなり下がったが、言い出しっぺとして止められないというプレッシャーの中で何とか持ち直し、本番まで①~④をやり切ることができた。

振り返ってみると、このXでの満点取得宣言と部活の立ち上げが、今回の最大の勝因だったと思う(ガチ部の皆さん、本当にありがとうございました!!)

使用教材

以下が、今回実際に使用した教材たち。

①公式問題集11

必修!全員が問答無用でやるべき。最初の実力把握用と、終盤の調整用で2回実施した。長期間かけて対策する人は何度も繰り返すのが良いと思う。なお、受験直前に偶然家で公式問題集4(以前に息子が使用したもの)を発見したので1セットだけやった。古い公式模試は現在のTOEICよりもかなり易しいので、結果は参考程度に留めて復習を重視した方がいい。

②既出問題集4

韓国で実際に出題された過去問が10セット収録された超貴重な公式教材。昔はこんなものはなかったので、便利な世の中になったと感動した。週末に1セットずつ進め、直前2週間で一気に2周目を解いた。最新の4から始めて、足りなければ遡っていくのがいいと思う。解説は韓国語で簡素なので、既に800-900ぐらいある上級者向け。音声ダウンロードのやり方が少しややこしいが、解説ブログやYouTubeがあるのでそちらを参照。

③950+

同じくETS公式の韓国教材。模試3回を収録。既出4の後の公式素材として週末と直前で2周。韓国系はたくさんの種類があるのでどれを選んでも良さそうだが、この本に収録されている コロケーション一覧 が秀逸。自分が一番ケアしていた "知らないと即死" の語彙や熟語問題のETS公式リストとも呼ぶべきものである。一通り目を通して穴を潰した(本番で出たかは覚えていない)

④文法問題 でる1000問 (通称:でる1000)

Part5 補強用その1。平日に1日150-200問、ときに300問ぐらいのハイペースで解いた。文法項目毎に整理された単元ごとではなく、全体からランダムで出題される巻末の小冊子のみを使った。本番を想定して30問ずつを制限時間20分で。全問を2周、間違った問題のみ3周、計5周。1周目の正答率は97%だった。超定番の良書だが、語彙問題が含まれていないのがネック。よって⑤も投入した。

⑤990点攻略 文法・語彙問題1000(通称:はま1000)

Part5補強用その2。こちらも単元毎ではなく巻末小冊子を使って、30問ずつ時間を計って解いた。④と同じ要領で5周。初回正答率は95%。難易度の高い語彙問題を含むので、自分の目的に合っていた。選択肢だけでなく問題文も長めで難しいので、取り組むのは800-900ぐらいからでいいと思う。

⑥990点獲得Part5&6 難問模試(通称:タイガー模試)

Part5補強用その3。Part6もセットになった模試形式。初回正答率は94%(Part5:93%、Part6:96%)。こちらはP5は3周、P6は2周した。位置づけとしては、はま1000と同じ。難しいので、文字通り満点を目指す方向け。

Part5対策用3冊の初回正答率は、でる1000が97%、はま1000が95%、タイガーが93%だった。ただ30問あたりの平均時間は、語彙が難しく文章が長い はま1000 が最もかかった。

⑦990点獲得 最強Part 7模試(通称:ライオン模試)

Part7高地トレーニング用。公式や韓国系より明らかに文章も設問も難しい。模試4回を制限時間54分で1セットずつ実施。初回正答率は97%、時間は3回目のみ50分で、他は54分ギリギリ。これが54分で解ければ、本番でP7が終わらないことはないと思う。こちらは1周のみ。

⑧極めろ! 990点リスニング特訓(通称:リス特)

50セットのミニ模試形式。Lは対策不要と思っていたが、公式11の2回目で壊滅したため急遽採用。平日の夜に1-2セットずつ解いたが、途中から模試で満点を切ることがなくなったので2/3ぐらいのところで止めた。かなり難しいので普通によく間違える。音声も速く選択肢が長くて紛らわしい。かなりの上級者向け。


なお、模試を何回かやってみて知らない単語はほとんどなかったので、今回独立した単語学習はやっていない。ただ、はま1000などには頻繁に曖昧な語彙や熟語がでてきた。それらは全てチェックをして復習に加えていった(全て覚えられたわけではない)

上記の本たちに加えて、空き時間に息抜きも兼ねてYouTubeの対策動画や満点ホルダーの体験談をかなり見た。

昔に比べると問題集は公式・非公式ともに本当に充実していて百花繚乱。学習者にとっては素晴らしい環境だが、同時に目移りしてしまうリスクも大きいと感じた。

直前期の過ごし方

2週間前から公式教材での調整を本格化。LとRを分けて平日にも実施するなどして、公式11、既出、950+の合計15回分の2周目を一気にやった。Lは1.2倍速で解いた。いずれの回も満点水準(L3ミス、R1ミス以内)がとれたので自信になった。並行して、Part5の3冊の過去に間違えた問題を全て解き直し。かなり周回していて内容をほぼ覚えていたのでサクサク進み、各1日ずつで完了。

日頃からネイティブとの会議が多く、模試でも満点レベルが維持できるようになっていたことから、Lは途中からあまりやっていなかった。だが、直前数日間は移動中に公式音源を1.5倍速で聴き流した。

土日に1セットずつ模試をやっていたことと、去年TOEFLとIELTSを何度か受けていたことから、2時間LRに集中することはさほど苦ではなかった。むしろ頭痛と肩こりが心配だったので、前日の勉強は朝の模試だけに留め、午後はマッサージで体をほぐしてリラックス。早めに寝て睡眠を多めにとりたかったが、翌日から台湾旅行が入っていたため、夜にバタバタと準備をしていつもと変わらない時間に就寝した。

試験当日

試験後に台湾に直行するため大きめのリュックで会場へ。家からLuup&徒歩で15分にある高校。近くてとても助かった。早めにチェックインをすませ、肩こり腰痛防止のために開始時間までムダに校内を散歩。

小教室で音響は良好。周囲の同志たちもwell‑manneredな人ばかり。これはスコアが悪くても言い訳できない。受験したのは、午前中の「男性木枠フォーム」だった。

感触は、
✅Part1:6問目で一瞬迷ったが多分全部できた。
✅Part2:順調。捻った受け答えもあったがほぼ迷わずに答えられた。
✅Part3:大問1つ完全に流れに乗り損ねた!2問ぐらい落としたかも。
✅Part4:大きな波乱なし。0~1ミスで抑えられたはず。
✅Part5:2問ほど 「ん?」となったが多分合っているはず!
✅Part6:多分大丈夫。大きな波乱はなかった。
✅Part7:MPの文章が長かったが、回答自体には迷いはなかった。

全体として上出来!時間配分も理想的で、R全体で8分余らせることができた。事後の振り返り動画などをみても明らかなミスは見つからず、無意識のうちにやらかしていなければ満点いけるかも?と期待が膨らむ。

本試験の解き方

結果発表にいく前に、僕が本番をどう解いたかを記載しておく。

問題集や模試を繰り返す中で、自然に以下のような形に落ち着いた。ただ、満点ホルダーでも人によって解き方は違っていて、自分でもこれがベストかはわからないので、ぜひご自身で試行錯誤して最適な方法を探してみてほしい。

リスニング

<全体>
Part1開始前のインストラクションが流れている間に、図表問題や意図問題の先読みをしておくのが定石らしい。ただ、自分は受験時にそのtipsを知らず、何となく先に進むのはまずいのかなと思っていたため、精神統一しつつ1問目の写真を隅から隅まで凝視して過ごしていた。

<Part1>
これといって工夫はしていない。ただ、awningやwheelbarrowのようなビジネスや他の資格試験であまり出てこない生活感のある単語が出るので、先にあげた教材で一通り押さえておいた。

よく言われる、進行形(写真上でその動作が確認できないとダメ)と完了形(既に出来上がった状態)の違いは、集中していないと上級者でも間違えると思う。聴き漏らさないように心がけた。

<Part2>
これもよく言われることだが、まずは最初の単語(where vs whenなど)の聴き取りに集中する。あえてわかりにくく発音している節があり、油断すると間違えそうになる。

質問に対してストレートに答えないひねくれ者対策としては、一発で正解を当てようとしすぎず、消去法で構えるのがよい。最後の選択肢を聴き終わったときに、「あれ、どれも正解じゃない?他の選択肢どうだったっけ!?」と焦らないように、「これは絶対に違う」「これはあり得なくはないかも」といった感じで、選択肢に優先順位をつけながら聴き進めるイメージ。

<Part3&4>
先読みが超重要であり、Lの試験でありながら速読力が求められる。

理想としては、会話の音声が終わるまでに3問全てにマークがついていて、設問が読み上げられている時間を全て次の問題の先読みに充てられる状態。問題の難易度によって多少の遅れは生じるものの、全体的にこのペースを守れるようになれば、Lが495付近で安定してくると思う。

当日は、大問2~3個を除いてこのペースでいけた。周囲のページをめくる音でわかるのだが、僕の受験した小教室の中では音声終了と同時に次ページの先読みに入れている人はほとんどいなかった。

先読みは、前の大問の設問の読み上げが1⇒2⇒3と進むのをペースメーカーにして、遅くともそれと同じペースで次問題の設問と選択肢を1⇒2⇒3と読んでいった。このペースより遅れているときは選択肢を読まずに追いつく、逆に速く進めているときは2周、3周と先読みを繰り返した。最後にもう一度設問1の問題を読み返して音声を待つ感じ。選択肢まで全部読めないときもあるが、設問を頭に入れておくだけでもかなり楽になる。

図表問題と意図問題は、先に内容を把握できているかどうかで精度が大きく変わるので重点的に。逆に、最後の設問に多い「男性は次に何をする可能性が高いか?」といった問題は、選択肢まで読まなくてもその場で聴ける可能性が高いので、時間がないときは流していた。

TOEICは、なぜかLの方が満点基準が大幅に甘いので、990獲得の確率を上げるためには、Lで495が安定的に出せる状態を早期に作りたい。このレベルの人はP3やP4の音声を「聴く」こと自体に問題はないと思う。ただ、それだけでは上のペースで解き続けることはできない。リスニング力そのものと同じぐらい大事になるのが、「音声を聴きながら答えを選ぶ」や「設問の読み上げを聴き流しながら先読みをする」マルチタスク能力。

模試をやった後でリスニングの音源を聴き直してみると、会話自体は思った以上に理解できたということは少なくないはず。本番では常に設問のことを考えながら聴いているので、そこに脳の処理能力をもっていかれる。上級者の方は、リスニングだからといって単に聴く練習だけをするのではなく、聴きながら読む、読みながら聴く、を意識されるといいと思う。

リーディング

<全体>
解く順番は、普通に頭からP5⇒P6⇒P7の順。P7は時間をかければ正解の可能性が高くなるため先にやってしまう人もいるようだが、時間管理が複雑になりそうだったので採用せず。量をこなす中で、P5:8分前後、P6:7分前後、P7:50分強のペースが作れてきたので、その感覚を体に叩き込むことを意識した。

<Part5>
選択肢からではなく問題から読む。頭から読んで、( )にぶつかったところで選択肢を確認(短文であれば先に最後まで読むことも)、その時点で即答できれば答えを入れて続きを読んで違和感ないかを確認。1つに絞れなければ選択肢を何となく頭に入れた状態で先を読み、その上で再度選択肢を吟味。

選択肢の前後だけに着目すると間違えることもあるので、基本的には問題文を全て速読する。最後まで読まなくても正解であることが確信できた場合に限り、文の途中でも次に移る。この見極めはかなり感覚的かつ目標とするスコアにもよるので、自分なりにスピードvs正確性のトレードオフを調整してほしい(目標が900点ぐらいまでであれば、もっと大胆に次に進んでP7のために時間を稼ぐのもあり。自分は満点狙いで1問も落とせなかったので、けっこう慎重にいった)

よく、先に選択肢をみて品詞問題か語彙問題かを分析するテクニックが紹介されている(同じ単語の語形を変えたものが並んでいたら品詞問題になる)。初中級者には有効だと思うが、満点を狙うレベルであれば、そのステップに時間を使うのはもったいない。問題文の流れに乗りつつ選択肢に目を移した瞬間に、その辺りの見極めはできる状態であるべきだと思う。

他にも、「助動詞と動詞の間に入るのは副詞」といった解法がある。これも最初は意識的に取り入れていくのでよいが、最終的には副詞以外が入るのは明らかに不自然(気持ち悪い)と感じられるようになりたい。

こうした文法知識やテクニックを感覚に昇華するには、膨大な量の英文に触れる必要がある。TOEIC対策のみで990に到達する難しさを象徴する部分だと思う。

そして自分の中で、そうした感覚レベルにまで落とし込めていなかったのが、冠詞、名詞の単複、集合名詞、前置詞など(個人的にはC2レベルの学習者とネイティブを隔てる最後の壁がこれらだと感じる)。問題集でもよく間違えたので、今回のTOEIC対策において最も重点的に学習した。

<Part6>
特にこれといった対策はしていない。むしろ一番テクニックが効きにくいパートかもしれない。

昔は選択肢中の代名詞などを手掛かりにして前後を繋げるだけで選べるような問題が多かったが、現在は文脈依存型が増えて厄介になった。問題の前後だけでは正解が絞れないこともあるので、素直に頭から全て読んで、( )の少し先まで読んだところで選択肢を見る。2択までしか絞れないような場合、全然違う場所に決定的な情報があったりするので、保留して先に進むことも必要。問題をこなすと、多分それだなとわかるようになってくる。

一番厄介なのが、前の文章を受けて次文をスムーズに導くような文頭の副詞句を選ばせるやつ。僕らが普通に覚える日本語訳を当てはめても答えが絞れないことがある。これはまさにネイティブの感覚というか慣用表現に近いものなのだろう。幸い本番では遭遇しなかったが、模試では何度か間違えた。そして答えをみてもイマイチ腑に落ちないものもあった。

<Part7>
文章自体は決して難しくはない。ただ量が多いのと、たまにちょっと難しめの題材(新聞や雑誌の記事であることが多い)が含まれるので、時間内に全問を解き切るのは簡単ではないと思う。

ただ、990を目指すのであれば、何度受けてもちゃんと解き終わるレベル(できれば5分ぐらいは余るぐらい)に持っていきたい。P5でどうしても1問ぐらいは落とす可能性がある以上、P7で塗り絵というのは致命傷になる。逆に、P7を最後まで解けるようになってくれば、外資や海外企業の現場において大量のレポートやメールをさばける体力がついたと言えるかもしれない。

僕はP7も基本的には頭から全文を読むスタイルをとった。ただ、問題によって少しアレンジした。

✅序盤のSingle Passageやチャットなどの短めの文章
最初の問題のみ頭に入れた上で、全文を読んで回答。文章が長くない場合は、途中で流れを切るよりも一気に読んでしまった方がスムーズだと判断した。

✅長めの文章や後半のMultiple Passages
事前に最初の設問に目を通した上で文章を読み、該当箇所にあたったら回答。続いて2問目を見た上で本文に戻って該当箇所で回答、という流れ。 ただ、文挿入問題がある場合には、それも最初に読んでおき、問題を読み進めながら当てはまるかどうかを都度判断していった。

要は、"可能な限り一度の通読で全問を解く" ことを目指した。

TOEICでは、基本的に文章の流れの通りに設問が置かれるので、長文の場合には読みながら回答していくのが効率がよいと考えた。どの場所が回答になるかがわからない文挿入問題だけは先に問題を把握しておく、という戦術。

最近の傾向として、選択肢は問題文の表現そのままではなく、言い換えられることが増えたそうだ。それに特化した対策本も最近出版されたらしい。ただ、この点は個人的には全く気にならなかった。英語はそもそも繰り返しを嫌う言語で、同じ文章中でも単語や表現が次々に形を変える。TOEFLやIELTSでも正解の選択肢が本文そのままということは稀なので、特に捻られているようには感じなかった。言い換えられている!と意識することもなく、純粋に正解と思われるものを選んでいった。

ひとつのテクニックとして、本文の内容の抽象度を上げた選択肢が正解であることが多いため(これは資格試験あるある)、直接正解が選べずに消去法に頼る場合の参考にはなるかもしれない。

もう1つ、昔とは違って難化に拍車をかけていたのが、MPにおける照合問題(1つの文章だけでは答えがでないやつ)。ここで根拠探しにハマると時間がなくなる。最初は少し戸惑ったが、模試を繰り返す中で 「あ、これは次の文章読まないとダメなやつかな」 とか 「この情報はきっと別の問題を解くときの照合先になるな」 といったことがわかるようになった(それが当たったときはETSとの戦いに勝った気がしてほくそ笑んでいたw)。ここは英語力ではなくTOEIC筋の範疇なので、模試などをこなして鍛えるしかない。

結果発表

待つこと17日(マークシートなのに長すぎ!スピーキングやライティングの採点があるTOEFL・IELTSでも最近は数日で結果がでる)、ついにスコア発表の日を迎えた。オンラインで結果を確認するのは初めてだったので若干手間どりつつ、正午ちょうどに画面を開く。

きた、990!!!

真っ先に感じたのは歓喜よりも安堵。偉そうにXで宣言していたので、恥ずかしい結果にならなくて良かった。そこから、じわじわと達成感がこみ上げてきた。13年前とは違い、一撃満点だけを狙って対策してきたので、それが結果に繋がったことが嬉しかった。

翌日に通知されたアビメ。

なんとも不親切な表で、自分がどこで何問ミスをしたのかがわからない。親切な方が、Lは2問ミスだろうと教えてくれた。恐らくP3のしくじった大問で1~2ミス、他の少し怪しかった問題で0~1ミスしたのだろう。今回珍しくRよりもLの方が不安だったので、無事に切り抜けられていてよかった。

そしてRはまさかの全問正解🎉 模試では何度か出たことがあるが、本番では初の快挙。対策の9割以上をRに充てた甲斐があった。

直前期の仕上がりの感覚として、990が獲れる確率は1/2 か 1/3 ぐらいかなと思っていたので、一発で出たのはラッキーだった。

対策する中で意識したことや気づき

上に記載した戦略に加えて意識したこと、特に模試や演習を重ねていく中で学んだ教訓など。

高地トレーニング

「本番は公式11や既出問題集よりも難しい」という話が常に気になっていた。どれほどなのかは実際に受けないとわからないが、一撃満点を目指す以上、本試験を受けてから修正するのでは遅い。そのため公式以外の市販の問題集は、いずれも本番よりも難しいと言われるものを選んだ。途中からLを倍速で聴いていたのも同じ理由。本番を受けたときに「思ったより難しい!」という状況だけは避けたかった。ただ、TOEICの感覚を鈍らせたくはなかったので、無関係の学習(例:Economistを読むとかCNNを聴くとか)はやらなかった。もちろん長期的に力をつけて満点を狙う場合は、こうしたTOEICと直接関係のない学習も積極的に取り入れていくべき。

時間感覚

問題を解くときは必ず時間を計った。特にP5を8分前後で解くペースを体に叩きこんだ。それができれば、P6とP7は自分にとっての "無理のないハイスピード" で解いていけば自然に時間が余るという算段。時計の確認は、P5とP6終了時、P7のSP終了時とTriple Passagesに入る前。各ポイントで必要あればペースを調節するようにした。

集中力

本番で周囲の雑音に惑わされたという話をよく聞く。こればかりは自分でコントロールできない。できることとしては、日頃から集中しづらい環境で練習すること。僕はTOEFLの劣悪な受験環境で鍛えてきたので(※)、少々の雑音ぐらいであればパフォーマンスが落ちない自信があったが、直前期はカフェで模試をやるなどして体を慣らした。もちろんイヤフォンは外音取り込みモードで。

※TOEFL iBTは、小部屋にひとりずつ入室して試験官によるPCセットアップ、マイクテストを経てから順次テストを開始する。そのため、自分が全集中でリーディングをやっている横で、数分おきに他の受験者が入ってきてマイクテストを始めることになる。また、自分がリスニングやライティングをやっている最中に他者のスピーキングが重なる。耳栓が用意されているものの気が散ることこの上ない。オペレーション上の欠陥とも言うべき過酷な環境である。

マークミス

そんなことあるかと思っていたが、実際何度もやって愕然とした。特に要注意だったのが、冠詞のAから始まる句や文が選択肢に並ぶ場合。答えはA以外なのに、無意識に引っ張られてAをマークしていることが2回もあった。それ以降、回答を終えて次の問題に移る前に一瞬だけでも正解の選択肢と自分のマークを再照合するルーティンを取り入れた。

単語(語形)の読み間違い

老眼のせいかもしれないが、Part5の品詞問題で何度か読み間違いによるミスをやらかした。complaintsとcomplainsとか。だんだんやりがちな単語がわかってくるので、それらが出たときには細心の注意を払って解くようにした。

この学習法の注意点

今回の学習、特に物量作戦は、単語、文法、読解の基礎が固まっている人向けである点は強調しておきたい。

900を超えて満点を目指すぐらいになると、問題集1冊から吸収できる知識の量が減ってくる。たとえば僕の場合 でる1000 が初見で誤答率3%、曖昧なものを含めたとしても新たに得られる知識は5%ぐらいだった(もちろん正解した問題からも学べることはあるが)。

本番でその5%に遭遇する確率を可能な限りゼロにすることが満点を狙う上でのミッションになるので、必然的に膨大な量をこなす必要がでてくる。これは砂漠の中でダイヤを探すような気の遠くなる作業だ。僕はそのための具体的な方法として、他の方の動画なども参考に10,000問チャレンジを自らに課し、実際に2か月で11,561問を解いた。

ただ、これは短時間で解ける、誤答が少ない、復習が早く終わる、という状態が噛み合っているからこそ成り立つアプローチ。仮に正答率80%の状態で同じ量を2か月でやったら密度が大幅に下がって中途半端になるだろう。800点を超えるぐらいまでは、1冊(特に復習)に時間をかけて極めることをお勧めしたい。

実際やってみて、990の難易度


めちゃくちゃムズイ!

英検1級、TOEFL100、IELTS7.5あたりであれば毎回とれる自信があるが、TOEIC990を確実に獲ることは今の自分にはできない(注:990が獲れたからといってTOEFLやIETLSで上のスコアが取れるということでは全くないです。念のため。問題自体はあちらの方がはるかに難しいので)

感覚的には、13年前と比べると50点ぐらいは厳しくなっている印象。900を超えてから満点までの壁は相当高いのではと感じた。

YouTuberの もりてつ さんが言われていたが、満点へのアプローチとして、
①とにかくTOEICの勉強を積み上げて、満点が出るまで受験を続ける
②総合的な英語力をつけ、そこにTOEIC力を乗せる

の2種類があると思う。今回の僕は②だったわけだが、日頃大量の英語に触れているお陰で、「他の選択肢の是非はともかく、この表現は確実にあり」 と確信を持って一発で回答が決められることが多々あった。こうした積み重ねが、時間内で全問を余裕を持って解き切ることに繋がってくる。

そういった感覚なしに①だけで進むとなると、運ゲー要素が相当に大きくなり、毎回受験してたまたま満点が出るのを待つしかなくなる(別にそれが悪いわけでは全くない。13年前の自分もそうだった)。どれだけTOEICの問題に触れていたとしても、英検1級レベルの難単語やビジネスの現場で使われる慣用表現など、TOEICの通常レベルを超える問題がふいに現れることがあり、それらを落としてしまう。この不安定な状態で満点を狙うのはけっこうきつい。

逆に、今回改めてやってみてTOEICはビジネスの現場で使われる単語や表現の宝庫だと感じた。真面目に吸収して使いこなせるようになれば確実に力になると断言できる(P2で出てくる質問にまともに答えない奴はいまだにどうかと思うが)

なので、「TOEICなんて意味ない」などという雑音に惑わされずに、安心してコミットしていい。そして、やるからには本気で、相手の息の根を止める覚悟でやる!これが点数にかかわらず、短期で目標達成するための秘訣だと思う。

なお、ここまで書いておいて何だが、満点なんて完全に趣味の世界なので無理して目指す必要は全くない。就職や転職に使うにしても、800か900あれば十分。900を超えたらいったん他の試験や広い英語の世界を楽しみ、総合力をつけた上で改めて990を目指してみる、といったルートの方が健全、かつ意外と早道かもしれない。その意味では、TOEIC沼にはまって仲間とワイワイやっているのが楽しすぎるのが良くないのかもしれない(笑)

最後に

15年前、僕がTOEICを頑張っていた頃は周りに満点を目指す人などおらず、日々カフェで孤独に勉強していました。

Twitterを始めたのもその頃で、アウトプットの練習のために英語でツイートしたりしていたけど、ほとんど何の反応もなく、フォロワー30人ぐらいのところで止めてしまいました。

改めてXを始めてから英語学習アカウントの盛り上がりに驚くとともに、毎月開催されるTOEIC祭りを羨ましく眺めていました。そして今回、ついに自分もその熱狂に参加することができ、短期間ながら熱い同志たちと一緒に走れて本当に楽しかったです。またTOEICを受けるかはわかりませんが、英語学習は一生続けていくつもりなので、引き続きよろしくお願いします!

僕の人生はTOEICで変わりました。古巣の保険会社で海外駐在員の候補に選ばれたとき、元々僕の派遣先はアジアの予定でした。ただ、僕が英語学習を頑張りTOEICで満点を取っていたのを見てくれていた部長が、「これだけの英語力はバリバリの英語圏で活用すべきだ」と人事部と交渉してロンドンに送り出してくれたのです(会社を辞めるときにご本人から教えてもらいました。そしてもちろん平身低頭で謝りました)。

ロンドン駐在経験がなければ、その後のシンガポールへの海外転職、フィンランドスタートアップでのキャリアはありませんでした。発信活動を熱心にやったり、コミュニティを主宰することもなかったでしょう。そのような縁もあり、今回の再戦はTOEICへの敬意を示すためにも全力で臨みました。

もちろんこれはN=1のストーリーなので、皆さまの人生がTOEICで変わるかはわかりません。それでも、何に対してであれ、本気で向き合った人間は必ず何かを得ると思っています。そのように生きるものだからです。

長文を最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。皆さまのTOEICとの闘い、そして英語学習が楽しく実り多きものになることを、心より祈念しています!

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