ずっと、年の差夫婦。
結婚してからずいぶん月日が経ったが、夫との年の差は縮まらない。ずっと10歳年上のままだ。
友人のようで、友人ではない。
保護者のようで、保護者でもない。
*
来年の結婚記念日に、夫は私とどこかへ行きたいらしい。
私は、来年も再来年も、淡々と過ぎればいいと思っている。
ふう。なんだこの温度差は。
夫は、私に片思いをしているみたいだ。
とはいえ、彼が行きたいと言うなら行ってもいい。
ただし私の目的は、ハンドパペットたちとの遠征だ。
そんなふうに考えたほうが、私の心は少し明るい。
旅行に行くときは、小さな仲間たちをリュックに入れる。その代わり、私の衣類は彼に預けることになる。
いつのまにか、そんな決まりになっていた。
彼は、私と旅をしているつもりかもしれない。
でも私は、小さな仲間たちと旅をしているつもりでいる。
彼にはとても感謝しているが、絶妙なバランス関係だと思う。
ご隠居生活の彼に、時々「御老公」と冗談を言ってしまうことがある。ああ、松平な気風に旅姿はよく似合う。
いいなと思ったら応援しよう!
「ふうっ」と一息つく時間に、お茶を一杯ごちそうする気持ちで。