肴食う皿も好き好き
●今宵堂 酒器展「肴食う皿も好き好き」
2026年 2月7日(土)~ 15日(日)
会場 / とどろき酒店
※ 終了しました。お時間は頂きますが制作は承っておりますので、メール(ren@koyoido.com)等にてお問い合わせください。一部ご注文を受け付けていない器もございます。
塩辛、ポテサラ、鴨ロース、雲丹も角煮も兎にも角にも、肴の好みは十人十色、百人百様、千差万別。ならばそれらを盛る器も多種多様・・・と、小さなお猪口屋の今宵堂が、今回は肴のための器を色々折々様々と拵えてみました。

肴を食べ終わったら
もう一杯どう?と微笑みかけてきます。
(※ 今回のみの制作のためご注文は受け付けておりません)

上手に納豆巻、下手に鯖寿司・・・
もしもそこが舞台なら、
平面でなくてもいいのでは?

春の山並みを模した長皿。
串でも三点盛りでも摘みすすめば、
峰々を辿るように酔いもゆらゆらと。

縦型に奥行き持たせて盛り付けを。
冬の器に若竹煮とは、
ふざけすぎた季節のあとで・・・。

魯山人の仕事にもある
丸皿に釉で描いたひと葉。
肴の下にあしらいの葉を敷く
手間が省けますね。

ぽってりとした体に肴をのせて
ホーホケキョと春を告げます。
天神さんが春な忘れそと詠んだ
梅の花を添えました。




無垢で衒いなく誤魔化さないフォルム・・・
なんてきれいな言葉を並べても、
裏では人目を忍んで呑む酒が旨い。

釉を重ねて春霞たなびく空の色を。
夜は朧と名をかえて、
酔いとともに月を滲ませます。
呑み過ぎれば記憶も朧げに・・・。



肴をのせて電源ON。
盃スコアめざしてゲームスタート!
酔いがスクロールして
徳利が空になったらゲームオーバー。
いやいやもう一本とコンティニュー。

古代中国の宇宙観である天円地方。
天は丸く、地は四角。
交わらぬ形でもそこに酒があれば、
隔てなく酔って天地もひとつに・・・。
(※ 今回のみの制作のためご注文は受け付けておりません)

櫻まで待つは苦しき花の春
梅でよしなと盃重ぬる

白酒を少し召されたお大尽
桃の如くに頰紅ぞさす


スマホというもののおかげか慣れてきた縦型の画面。
それではと肴皿も縦型で作ってみました。
おまけの豆皿は満月と兎の月をご気分で。

轆轤という道具を使うとどうしても丸いものばかり。
丸くなるなとすこし抗ってみましたが・・・
道理から外れたいけれどまだまだ尖りきれないという
青春へ向かう中学生のくらいの形です。

且置携帯機 ひとまずスマホを置け
且看対面顔 目の前の相手の顔を見ろ
挙杯且乾盃 盃を上げて取り敢えず呑み干せ
不看新通知 新着の通知など見るな
莫閲緑線訊 LINEのメッセージも開くな
短影尤不可 ショート動画はもってのほかだ
指滑画前先 画面をスワイプするその前に
先酌対面人 まず目の前の人に酌を
夜更失終電 夜更けて終電を逃しても
亦可留良夜 それもまた良い夜ではないか

君又言費効 またコスパなどと言う
君又言時効 またタイパなどと言う
且莫多計較 そんな損得勘定はひとまずやめて
但尽此一盃 まあいいから一杯呑め
人言酒無遺 呑んでも何も残らないと人は言う
尚有佳刻残 だが佳いひと時は残るのだ
偶余二日酔 たまに二日酔いも残るけどな
莫問得与失 得だ損だなんて気にするな
又言守規則 コンプラがどうとか
又言避嫌疑 ハラスメントがどうとか
今夜皆忘却 今夜は全部忘れちまえ
今宵我奢也 きょうは俺のおごりだ

馬鹿に正直なのも馬鹿に丁寧なのも、
馬鹿に笑うも馬鹿に騒ぐも、
それは真っ直ぐなゆえの馬鹿さ。



季の継ぎ目は色が交わる。
移ろいの途中、暦のあわい。
白子ポン酢と菜の花のおひたしが
同時に並んだってうれしい。


うつわは料理を静かに受けとめて・・・
と言いたいとこですが、
自らどんどんしゃべっていくタイプのお皿です。
今回は博多弁にしてみたとです。

器の口縁を均等に区切って花弁に例える技法「輪花」。
花があるならと区切る幅を変えて蝶に見立てました。

先人の言葉には酩言あり。
含蓄に富む言葉を連ねてみました。


粗末なんて謙るにも程がある?
その照れや奥ゆかしさを含め、
供する側と頂く側の関係性が
結ばれた証の言葉。




酒を湛える瓢があるなら、
肴を盛る瓢もひとつ。
盛り付けというコンポジションも
愉しみのひとつ。

酒が古語で酒々ならば、
パンダもきっと呑んだはず。
きょうの肴は一体ナンダ?

短冊に飽き足らずお品書をそのまま皿に。
福岡展にあわせ肴も地元のものをちらほら。

酒場を梯子する夜行性の
吞兵衛さんたちのように
夜の街をはばたきます。
記憶まではばたいてゆかぬよう。

春の陽気に誘われて、
生きものたちの宴が始まります。

「私、こんなに食べられないわ」
と猫をかぶっていたとしても・・・

ペロリと食べてしまい、
食後の背徳感と向き合えるお皿です。

酔っ払ってふらりふらり、
千鳥足でどこへゆく・・・。
フレームから外れそうになっておりますが、
無事におうちに帰れますように。


中一の娘が英単語を覚えている時に気付きました。
eatの過去形はアテだということに。
お茶のお伴にするならteaにもできます。



吹墨の夜闇に浮かぶ三日月の下、
北斎の小間絵に盃持たせて
落書いた酔っ払いが独り。

蓮葉か花紋か、
曖昧なレリーフは古代の瓦當の欠片。
いにしえの人々が象った残影も肴に。

縁はなくともすこし高みを。
ひと口ふた口の儚い肴を
小さなステージへ。

ちょこちょこ歩く姿は可愛いけれど、
実は闇夜に声響かせる夜の鳥。

冬だって春だって、
ぶり大根だって菜の花のおひたしだって、
深皿なのか浅鉢なのかわからないけれど、
酔えばそのあわいも曖昧に。



エスプレッソも熱燗も。
ソーサーは、
酒を注ぎ溢せばもっきりに。
肴を盛れば小皿に。



下半身を肴で隠して、
すこしずつ弄ぶように食べてゆくと・・・
安心してください、穿いてますよ。

ミントグリーンの釉の奥に沈むレリーフは、
蚤の市で見つけたイギリスの木版から。
すこしレトロなボタニカル紋に小肴をのせて。

枯れ枝を模様のように描きました。
もし文字なんかに見えてしまったら、
ちょいと酔い過ぎなのでは・・・。


ペットボトルならぬサケボトル。
燗つければ
かぶせた蛇ノ目のキャップも
ほんのり暖かく。

お手元に魅惑の肴を詠んだ短冊を。
今回は九州のうまかもんを
含めてみました。
以上、連々と今回の肴皿たちのご紹介でした。
ふだんは小さなお猪口を作る日々ですが、今回はそれよりもちょいと大きな「お皿」というものをお届けしてみました。自分で拵えた肴でも、買ってきたお惣菜でも、酒のそばにあればそれだけで肴として成立する・・・そのお手伝いに小さな肴皿たちがお役に立てればうれしいです。






