「学習物理学」と「Hopfieldモデルと平均場理論」──私の論文はAIと物理学の架け橋になりうるか?
いま注目されている「学習物理学」。
AIと物理学の境界をつなぐこの新しい分野に、私が1996年に書いた論文(Hopfieldモデルと平均場理論の等価性)が、
時を超えて貢献できるかもしれない──そんな可能性を感じている。
「学習物理学」はAIと物理学の架け橋
いま、橋本幸士氏の「物理学者のすごい日常」の本を読んでいる。
「学習物理学」はAIと物理学を融合した新学術分野で、
橋本幸士氏は本の中でニューラルネットワークと原子の物理学との深いつながりも語っている。
また、現在はAIの革命期で生成AIが牽引しており、その中でAIと物理学が双方で融合し新たな発見を進めていると。
橋本幸士氏の学習物理学にかける熱い思いが伝わるとともに、学習物理学はAIと物理学の架け橋となる存在である。
私の論文(Hopfieldモデルと平均場理論の等価性)
私が1996年に執筆した論文は、Hopfieldニューラルネットワークと平均場理論モデル(MFT: Mean Field Theory)の数学的等価性を証明したもの。
平均場理論とは、統計物理学で発達した統計計算の手法で、本論文はAIと物理学が融合したものとなっている。
引用されている論文で私が証明した内容が端的に表現されているので、その論文を紹介する。
①論文名:Chaotic Potts spin model for combinatorial optimization problems(1997)
掲載URL:https://arxiv.org/pdf/2304.06487
抜粋:
最も有名なのは、アナログ・ホップフィールド・ネットワークであり、これはボルツマンマシンの平均場理論と等価であることが示されている(Kurita & Funahashi, 1996)。
まとめ
私の論文は、AIと物理学への一助になる可能性があり、もしかしたら、昔からその架け橋になっている可能性がある。
Hopfield氏のノーベル賞受賞をきっかけに、本論文はAIと物理学の融合で爆発的な力を発揮するかも知れない。
本記事やAI小説を通じて、AIと物理学の融合で新しい対話が生まれることが私の喜びであり、それが私がAI関連をライフワークとした理由でもある。
その他引用されている本と論文
参加までに上記以外で引用されている本や論文を紹介する。
②論文名:Recurrent Neural Networks as Electrical Networks, a formalization(2023)
掲載URL:https://arxiv.org/pdf/2304.06487
抜粋:
1980年代、とくにホップフィールドモデル以降、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)は大きな関心を集めるテーマとなりました。特に、船橋・中村・栗田[5,6,9]の研究により、ニューラルネットワークと動的システムの記述が結びつけられるようになってから、この研究分野は一つの独立した領域として確立され始めました。
③書籍名:Neural Networks and Statistical Learning(2019)
Chapter 23
Boltzmann Machines
掲載URL:https://link.springer.com/chapter/10.1007/978-1-4471-7452-3_23
抜粋:
栗田・船橋(1996)において、非同期の平均場理論(mean-field-theory)マシンと連続型Hopfieldモデルの等価性が示されている。
これは、同一のHopfieldトポロジーとエネルギー関数を持つネットワークにおいて、同じ固定点(fixed points)を持つという観点から確立されたものである。
④書籍名:FROM IMAGE CO-SEGMENTATION TO DISCRETE OPTIMIZATION IN COMPUTER VISION THE EXPLORATION ON GRAPHICAL MODEL,
STATISTICAL PHYSICS, ENERGY MINIMIZATION, AND INTEGER PROGRAMMING(2016)
CHAPTER 2
BACKGROUND: GRAPHICAL MODELS, STATISTICAL PHYSICS, AND INTEGER PROGRAMMING
掲載URL:https://www.ideals.illinois.edu/items/98605
抜粋:
ホップフィールドネットワークはネットワーク全体のエネルギーの局所最小値へ確実に収束することが証明されている。
⑤論文名:A MEAN FIELD NEURAL NETWORK MECHANIZING COMPLEX CAUSAL REASONING PROBLEMS(2001)
掲載URL:https://www.tandfonline.com/doi/pdf/10.1080/088395101750065769
抜粋:
MFT(平均場理論)手法の詳細について興味のある読者は、専門文献を参照されたい。たとえば、栗田・船橋(1996)、Peterson and Anderson(1987)、Peterson and Soderberg(1989)などである。
⑥書籍名:Selection in Neural Information Processing(1999)
Chapter 4
Input Selection with Partial Retraining
掲載URL:https://repository.ubn.ru.nl/bitstream/handle/2066/145550/145550.pdf?sequence=1
抜粋:
この特定のケースでは、エントロピーが凸関数であることから、固定点は極大値に対応している(栗田・船橋, 1996)
