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友人代表・祝電【ショートショート】

貴女に殺されました。或いは私が殺したのかも知れません。

後悔はしていますか?貴女達の心に一生残る傷にでも、私はなることができたのでしょうか。

「晃司くん、幸枝さん並びに両家の皆様本日は誠におめでとうございます。僭越ながらお祝いの言葉を述べさせて頂きます。

覚えているでしょうか?

貴女と出会ったのは四月の雪が降った後の中庭の事でした。私はベンチの雪を払い、貴女達はそのベンチに座りました。その冷たく湿った座面に貴女が高校の制服姿で腰を降ろして、小さく悲鳴を上げた後に二人顔を見合わせてコロコロと笑っていたその声を良く覚えています。

家に行ったことも有りましたね。曇り後雨の降る夕方に、喧嘩でもしたのでしょうか、傘も差さずに走って出ていった晃司くんを窓から眺めつつ無意識に伸ばした手と何か諦めたような目を貴女は覚えているでしょうか。ただ、私と目があったのにカーテンを閉めたのは一体どういうことだったのでしょうか。

警察に相談されたのは参りました。公園で少し話そうとしただけなのに接近禁止だのなんだのと色々言い訳しようとする貴女と「近づくな」などと私を怒鳴りつける晃司くんお二人のその姿に私は大いに困惑し、少々憤りも感じたものです。幸い警察の方にも私の誠意が伝わったようでこれ以降何とも言われることはなくなりました。

そうです。私は幸枝さん、貴女に恋をしていました。その気持ちは昼の暑さにも夜の寒さにも負けず貴女を見守って居られるほどでした。ですが、この度貴女が晃司くんと結婚すると聞き貴女と晃司くんにプレゼントを贈りたいと思います。

貴女と晃司くんの新居、夏の日差しが射し込む南側 2 階の寝室、向かって右側の貴女のベッドの下に過去に私であった物体を置いておきます。3 日前から置いてあるので鼻腔を通じて私の気持ちを受け取って貰えたと思います。

最後にこの言葉を送って挨拶を終わらせたいと思います。

“貴女に殺されました。或いは私が殺したのかも知れません。”
“後悔はしていますか?貴方達の心に一生残る傷にでも、私はなることができたのでしょうか。”

貴女の『友人代表』、木畑庸二より。」

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