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50歳を過ぎて、過去の自分に「ありがとう」と言いたくなった

20代の頃、私は「40歳まではバリバリ働く」と決めていました。

なぜ40歳なのか、特に根拠はないです。

40歳になったら何かを成し遂げられると思っていたわけでもないけど、40歳からはちょっとゆっくりしたいなと、ぼんやり考えていました。

でも、実際の私は40歳をとうに過ぎ、50歳を少し過ぎるまで会社員を続けていました。周囲からは「バリバリ働いている」ように見られていたと思うし、自分でもそう思います。

そして今、私はフリーランスとして働いています。

会社員の頃と比べると、時間にも心にもずいぶんゆとりができました。仕事の量を自分で調整できるし、「こうしなければ」というものも少なくなりました。

そんな今の暮らしをしながら、ときどき思うのは、

「昔の私が、今の私を助けてくれているな」

ということ。

会社員の頃は、そんなことを考えたこともありませんでした。ただ目の前の仕事をして、忙しい毎日を過ごしていました。

でも今は、過去の自分が働いてきた時間が、今の自分に少し余白をくれています。


過去の自分が、今の自分にくれたもの


たとえば、お金のこと。

会社員として長く働いてきたからこそ、フリーランスになった今も、「明日から生活できなくなるかもしれない」というような極端な不安を抱えずにいられる。もちろん、収入について考えることはあります。でも今は、「すぐに答えを出さなければ」と焦らなくてもいい。

過去の自分が働いてきた時間が、今の自分に少しだけ時間をくれているような感覚があります。


仕事での経験もそうです。

これまで、いろいろな仕事を経験してきました。その一方で、「自分にはこれといった専門性がない」とコンプレックスに思うこともありました。

でも、今コーチングの場でクライアントさんの悩みに向き合っていると、「あの時々で味わった遠回りや迷い」そのものが、相手の気持ちを深く受け止めるための引き出しになっていることに気づきます。

あのときの仕事が今につながるなんて、そのときは考えてもいませんでした。ただ目の前の仕事をしていただけです。

でも、今振り返ると、あの頃の経験がちゃんと今の自分の中に残っていて、思いがけないところで今の自分を支えてくれていると感じます。


人とのつながりも同じです。

長く働いてきた中で出会った人たちはたくさんいて、今もつながっている人もいれば、しばらく会っていない人もいます。でも、困ったときに相談できる家族や仲間がいる。それも、これまでの人生の中で築いてきたものです。


私はこれまで、ちゃんとやってきた

そして、もうひとつ。
目には見えないけど、いちばん大きいかもしれないと思うものがあります。

「私はこれまで、ちゃんとやってきた」

という感覚です。

これは、何か大きなことを成し遂げたという話ではないです。
でも、どんなにしんどいときでも、そのときなりに頑張ってきたし、逃げたくなったこともあったけれど、それでもなんとかやってきた。

そうやって積み重ねてきたものが、今の自分の中に残っています。


フリーランスになって、これまでのことを振り返ることが増えました。いろいろ振り返っているうちに、過去の一つひとつの出来事を、当時とは少し違う目で見られるようになってきました。

あのときは大変だったけど、自分なりによく頑張っていたな、って。

そうやって振り返ることが重なるうちに、いつの間にか、「私、ちゃんとやってきたんだな」と思えるようになってきたんだと思います。

だから今は、少し肩の力を抜いても大丈夫って思えるのかもしれません。


そんなことを考えていたら、以前聞いた、あるダンスの世界チャンピオンの話を思い出しました。

その人は、子どもの頃から週7日ダンスレッスンをしていて、学生時代の夏休みも友だちと遊んだ記憶がほとんどない、という話をしていました。

そして、今になって振り返ると、そこまで耐えて頑張ってきたことが、今の自分につながっている。だから、過去の自分に感謝している。

そんな趣旨の言葉でした。

この「過去の自分に感謝している」という言葉が、とても心に残っています。私を一流のダンサーと並べるなんておこがましいけど、でも、感覚としては少し似ているような気がして。

あの頃の私は、未来の自分のために働いていたわけではないです。何十年も先の自分のことなんて考えていなかったし、「この経験がいつか役に立つ」なんてことも、ほとんど考えていなかったと思います。

ただ、そのときの自分なりに、目の前の仕事を頑張っていただけ。それが、何十年か経った今、思いがけない形で自分を支えてくれています。

経験や、人とのつながり。
「私はこれまでやってきた」という自分への信頼。

時間が経ってみると、いろんなものがちゃんと残っているんだなと思います。


頑張ればいい、という話ではなくて


だからといって、「若いうちは、とにかく頑張ったほうがいい」と言いたいわけではありません。

頑張りすぎてしまうこともあるし、休むことも必要です。

そのときの自分にとって、頑張ることが本当に必要なのかを考えることも大切だと思います。


ただ、今まさに仕事を頑張っている人には、

「今やっていることの意味が、今はわからなくてもいいのかもしれないよ」

とは伝えたい。

何の役に立つのかわからない経験も、いつか思いがけない形で自分を支えてくれるかもしれないから。


そして、これまで頑張ってきた人には、

「あの頃の自分、よくやってきたな」と、ときどき思い出してほしい。


私は、50代になって、ようやくそんなふうに思えるようになりました。

昔の私は、未来の私のために頑張っていたわけではないし、ただ、そのときの自分なりに一生懸命だった。それが何十年か経った今、思いがけない形で自分に返ってきている。

なんだか不思議だけれど、ちょっとうれしい気持ち。
過去の自分から、今の自分へのプレゼントなのかなって思っています。


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岡村 茉弓|セカンドキャリア・セカンドライフコーチ 読んでいただき、ありがとうございます🙌いただいたチップは、新しい学びやスキルアップに活かします!記事をシェアしていただけるのもすごく励みになります✨